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世界のトップブランドが採用する高級布地に触れよう! 世界三大織物産地・尾州発「色と柄 by MK MiLL」

2023/03/23

「世界三大織物産地」として知られる尾州・一宮(愛知県一宮市)。世界のトップブランドが採用する布地としてアパレル業界では有名ですが、あまり一般には出回らず、直接個人に販売される機会もほとんどありませんでした。今回、そんな高級生地を気軽に購入できる取り組みがあると聞き、編集長アッキーと取材班がお伺いしました。

宮田毛織工業株式会社 宮田貴史氏
宮田毛織工業株式会社 宮田貴史氏

―繊維の町で、創業70年近くになりますね。

宮田 弊社は、1954年に、私の祖父が創業した会社です。毛織物が盛んな尾州・一宮の地で、織物の外注生産からはじめましたが、当時希少だったダブル(表裏を一緒に編める)の編み機を導入し、徐々にニットに力を入れていきました。現在は100%ニットに特化していて、素材もウールだけでなく、麻や綿、化繊まで幅広く、その用途もパンツやインナーをはじめ、コートやジャケットまで、多岐にわたっています。

2007年からはフランスの展示会プルミエール・ヴィジョンへ継続出展、2012年にはロンドンオリンピック日本選手団公式ジャケットの生地提供、2016年にはJ∞QUALITY AWARD 2016にてクリエイティブ部門、ドレスアップ部門を受賞した実績もあります。

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現在保有する機械のほとんどが
ジャカード機という多彩な柄の編める機械。
多種多様な布地を編むことができる。

―海外の名だたるトップブランドにも採用されています。

宮田 おかげさまで、日本の技術力の高さを評価していただいています。ニットは伸びたり縮んだりするので、生産するのは難しい生地です。弊社では柄物に力を入れていますが、高級なニット地に柄を入れるというのはとても高度な技術になります。ハイゲージの編み機や大型インクジェット機の導入により、より繊細な柄にも対応できるようになりました。世界市場から見て価格は割高ですが、付加価値を感じていただけていると自負しています。

―自社ブランド「色と柄 by MK MiLL」を立ち上げたきっかけは?

宮田 一つには、アパレル業界の大量生産大量廃棄への問題意識がありました。柄物にはトレンドがあり、次の年にはもう売れない、ということがあり、まだ使えるものが残ってしまいます。展示会用の布地などリサイクルはしていましたが、せっかくの生地なので、アパレルからの別注柄を除いて直接消費者の方へお届けし、自分たちでアップサイクルしようと思い立ちました。メーカーからサステナブルに変わっていかなければいけない、と感じています。

もう一つは、やはりコロナ禍でアパレル業界は景気が悪かったですから、何か自社でやれることをと考えました。

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オンラインストアのトップページ。
まるで絵画のような布地が目を引く。
繊細な色出しがプリント技術の高さを表している。

―明るい色が特徴的な商品ですね。

宮田 時代的にも明るい気持ちになっていただきたいというのがあって、カラフルなものづくりをしようと決めていました。自社にテキスタイルデザイナーがいるので、全て自社デザインです。メインモチーフはドーナツと玉ねぎにしました。高いプリント技術を生かして、にじみの表現、やさしい水彩画のような色出しを実現しています。

スカーフは手触りが良いキュプラで、巻き方で見え方が変わるよう、縁取りや色合い、柄の表現を工夫しました。

ポーチは、切り替えの下の部分が長期保存できる生地を利用したものになっていて、サステナブルな取り組みにもなっています。

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(上)柔らかく軽やかなつけ心地のスカーフ。
(下)切り替え下の編み地がポイントのポーチ。
どちらも手触りが抜群によく、ぜひ実際に手にとって触ってみてほしい。

―一宮のモーニングをモチーフにしたユニークな柄も?

宮田 テーマを決めてものづくりをしています。「めしませ」シリーズは、チョコレートやキャンディといったキュートな柄のほか、一宮発祥の「モーニング」を意識して、コーヒー、目玉焼き、おにぎりモチーフも予定しています。こちらの柄はプリントではなく「編み」で表現していて、パキッとした柄でコントラストを出しています。

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―商品づくりで工夫した点は?

宮田 主に30~50代女性をターゲットにしていますが、最初は、ポーチでもどんな形なら手に取りやすいのかな?と、部署の垣根を超えて社員みんなで検討しました。もっと小さい方が良いとかマチが大きい方が良いなど、どんなものが必要とされているのか、リアルな声を聞く機会にもなりました。

子ども用もご用意して、同じ柄だったり、ストーリーが繋がっている柄を、ワンポイントで3世代お揃いにできるような商品展開も考えています。

とはいえ、まだまだニーズの掘り起こしが必要だと感じています。ただ、自社商品を作る中で、直接手にするお客様のイメージができるようになり、布地作りにもその経験が生かせるようになりました。また、部署間を跨いだことで会社の風通しもよくなり、会社にとって思わぬメリットになりました。

―今後の展開について教えてください。

宮田 現状は小物が多いですが、ブラウスやスカート、ワンピース、Tシャツとアパレルも手がけていく予定です。販路も自社の店舗とECだけでなく、百貨店の催事やポップアップストアにも積極的に参加していきます。

やってみて意外だったのは、布地を買い求める方が多かったこと。特に服飾専門学校の生徒さんたちが、「こんなクオリティの高い柄物の生地は珍しい」と言って購入されていきました。社員が出張して売り子をやっていますので、ぜひお立ち寄りいただけたらと思います。

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名鉄一宮百貨店での催事の様子。
布地も出品しているが、
「見たことがない柄」と珍しがるお客様も多いそう。

―尾州の知名度アップにもなりそうですね。素敵なご商品とお話をありがとうございました!

大判スカーフ

「大判スカーフ」
価格:¥4,400(税込)
店名:色と柄 by MK MiLL
電話: 080-3283-0280(10:00~17:00 土日祝日は原則休み)
定休日:第一土曜日を除く、土曜日及び日曜日(インターネットでのご注文は24時間365日受付)
商品URL:https://irotogara.base.shop/items/61900625
オンラインショップ:https://irotogara.base.shop/

ふっくらポーチ(切り替えあり)

「ふっくらポーチ(切り替えあり)」
価格:¥2,750(税込)
店名:色と柄 by MK MiLL
電話: 080-3283-0280(10:00~17:00 土日祝日は原則休み)
定休日:第一土曜日を除く、土曜日及び日曜日(インターネットでのご注文は24時間365日受付)
商品URL:https://irotogara.base.shop/items/61648768
オンラインショップ:https://irotogara.base.shop/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
宮田貴史(宮田毛織工業株式会社)

1985年愛知県一宮市生まれ、三井物産テキスタイル株式会社(現MNインターファッション株式会社)にて5年間海外スポーツアパレル向けの生地品質管理を学び、宮田毛織に2013年入社。主に海外アパレル向けに自社ニット生地の販売を行う。その後2019年に経営推進部を発足し、部長として「色と柄 by MK MiLL」をはじめとした新規事業の開拓や社外への発信、社内体制の整備等を行っている。

<文・撮影/尾崎真佐子 MC/津田菜波 画像協力/宮田毛織工業>

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