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見た目はおにぎりなのに、実はおいしいスイーツだった!驚きのあとに必ず笑顔が生まれる「OMUSUBI Cake」

2023/03/03

相手の顔を想像しながら、手土産や贈り物を選ぶのって楽しいですよね。今回、アッキーが見つけたのは、もらった人がびっくりして、笑顔になってくれること間違いなしのユニークなスイーツです。
スイーツ業界の革命児こと、スイーツプロデューサー TSUBASA氏がつくった「OMUSUBI Cake」。テレビやSNSなどに取り上げられて話題になり、1年で100万個の大ヒットになりました。株式会社THREAD WINGの代表取締役でもあるTSUBASA氏に、ヒット商品の開発秘話や、常識にとらわれない発想の秘密などを、取材陣がお聞きしました。

株式会社THREAD WINGの代表取締役、スイーツプロデューサー TSUBASA氏
株式会社THREAD WINGの代表取締役 スイーツプロデューサー TSUBASA氏

―10代のころからパティシエをされていたそうですね。

TSUBASA 18歳のときから、関西の老舗洋菓子店で修業を始めました。その後、友人と一緒にカフェレストランを始めたのですが、やがて独立して、ケーキビュッフェ専門店「TSUKIICHI」を始めました。当時はインスタグラマーの人たちが活動を始めていたので、SNSで取り上げてもらい、一時期は1カ月待ちくらいの人気になったんです。

でも開店は月に1回だけなので、ほかの日は余裕があります。焼き菓子には味に自信があったし、20種類のスイーツをチョコサンドにして、「TSUKIICHIショコラ」という商品を開発しました。ちょうどコロナ禍も始まって、お取り寄せの需要が増えたタイミングだったので、喜んでいただけました。

―こだわったのはどんなところですか。

TSUBASA おいしさはもちろんのことですが、こだわりのひとつは、種類を多くすることです。「TSUKIICHI」は、ショーケースに見本のスイーツを20種類くらい並べて、オーダーしてもらうシステムなのですが、ショーケースを見ながら「どれにしようかな」と考えているお客様の顔は、皆キラキラしているんです。スイーツを選ぶ瞬間って、いくつになってもワクワクするものですよね。

スイーツを選ぶ瞬間のワクワクを普段から味わってほしいという思いがあったのと、2年ほど前に、焼き菓子を催事などで展開しようと考え、「____sign.」というブランドを始めました。贈答用に使ってもらえることも多いし、女子会やピクニックなどでも、いろいろな種類があると喜ばれます。

もうひとつは、ネーミングです。職人が一途な気持ちで作っているから「ICHIZU」とか、気持ちを込めて作っているから「KIMOCHI」とか。「sign」というのは「しるし」という意味よりも、「余韻を残す」という意味がメインです。ロゴに横長い棒があって、ピリオドがついているのは、いろんなストーリーがあり、商品をお渡しすることで終止符を打つという意味を込めています。

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サブレに生チョコレートがたっぷりサンドされている、
ぜいたくなスイーツ「CHIYOCO」。
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「CHIYOCO」のフレーバーは、ラムレーズンやピスタチオ、
塩キャラメルなど16種類。

―「CHIYOCO」も食べやすくて可愛いスイーツですね。

TSUBASA ありがとうございます。3種類のサブレで、それぞれに合う生チョコレートをサンドした商品です。生チョコレートのフレーバーは16種類あるのですが、とくに人気の味をセレクトした4種類、9種類の詰め合わせもあります。
サブレをプレーン、ブラックココア、ココアの3種類にしたのは、目で見ても楽しんでいただきたいという気持ちからです。もともと長方形だったものを食べやすいサイズにリメイクしました。

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おにぎりのような見た目が可愛い!
苺、ショコラ、抹茶などのクリームをスポンジでサンドし、
パイに載せているので食感も楽しめる。

―「OMUSUBI Cake」の開発エピソードは。

TSUBASA 「OMUSUBI Cake」は、いろんな偶然が重なって偶発的にできた商品なんです。まず5年ほど前に、「地域に密着した、面白いことをやっているスイーツ屋さんとコラボしたい」と思っている企業とのご縁があり、企画を考え始めました。当時はインバウンドが増えてきていて、「インスタ映え」という言葉も出始めていたので、その波に乗れるような、何か面白いスイーツのアイデアを考えましょうということで商品会議が始まったんです。

そんなある日、パティシエ仲間とお茶していて、生春巻きなどに使う「ライスペーパー」の話題が出ました。ソースのかかった食材を包んでも破れにくいし、片手で食べられるから便利だし、写真も撮りやすいよね、という話になったんです。

その後東京に出張に行ったとき、友人に連れていかれたのが、「ロイヤルブルーティ」というお店です。ワインのボトルにお茶をいれて販売しているのを見て、衝撃を受けました。お茶もワインも両方とも歴史が長いのに、なぜワインの瓶にお茶を入れた商品は今までなかったんだろう。身近なところに発想やアイデアはゴロゴロあるんだな、と感じたのです。さらに、知り合いの業者の方にもらった調理用具カタログのなかに、三角形のシリコン型があって、「珍しい形ですね、おにぎりみたいじゃないですか」という話もしていました。

この3つのできごとが印象に残っていたある日、お腹が空いてコンビニに寄ったところ、目に入ったのがおにぎりです。「このロングセラー商品をスイーツにできたら面白いのでは……」とひらめいたのです。3つのエピソードが、つながった瞬間でした。

そこで、Googleで「おにぎりケーキ」と検索してみたところヒットしなかったので、まだ世の中に出ていないことがわかりました。「ひょっとしたらすごく可能性があるんじゃないか」と思い、早速シリコン型を取り寄せてみたんです。

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海苔のように見えるのは実はブラックココアクレープ。
サラサラした食感で手にくっつかない。

―おにぎりのように片手で食べられるところが画期的ですね。

TSUBASA 海苔代わりに包んでいるのは、ブラックココアのクレープです。手を汚すこともなく、お皿やフォークも使わずに食べることができます。

商品化するにあたって、中身に関してはすぐにイメージができていたんです。クリームもしくはムース系のものをサンドしたケーキにしようと。しかしおにぎりの海苔の部分をどうするか、悩みました。チョコだと割れてしまうから、クレープならどうかなということで、いろいろなパターンを試しました。

でもクレープの生地はもちもちしているので、フィルムにペタッとくっついてしまうんです。フィルムをはがすときに、クレープがちぎれてしまうし、手もベタベタします。そこで、あえてサラサラした質感のクレープに仕上げました。これなら手も汚れにくいし、フィルムにもくっつきません。

さらにいろいろ試行錯誤しながら、ケーキだけではなくパイ生地も入れて、最後まで飽きないで食べられるようなスイーツに仕上げて、ようやく商品化に至ったというわけです。解凍せず、そのまま食べてもアイスケーキのようでおいしいですよ。

―最初からヒットしたのですか。

TSUBASA 最初はおにぎりと勘違いされることが非常に多くて、目に留まるけれどスルーされるという感じでした。ポップの説明が不十分だったりしたせいもあって、発売して2~3カ月はあまり売れなかったのです。

その後、東京に催事で出店したときにメディアなどに取り上げていただけるようになり、店舗にも客足が伸びて、4カ月目くらいで「バズッた」んです。出店のお声がけも増え、取材も増えてどんどん認知が伸びて行きました。

ところが半年後に、コロナの緊急事態宣言があったんです。催事がなくなったりなどしましたが、その直前にオンラインの需要が伸びていたので、助かりました。

―まさに、TSUBASAさんの人脈とひらめきから生まれたヒット商品ですね。

TSUBASA いい方たちとのご縁があったのと、タイミングがよかったと思っています。僕としては、目をつむって満塁ホームラン売ったような感覚なんです。慢心することなく、新しいものを生み出し続けなくてはいけないと思っています。もちろん、次の商品も考えています。

―企業として大切にしていることは。

TSUBASA 会社のスローガンに掲げているのは、「世の中に驚きや感動をスイーツを通じて届けたい。いろんな人を笑顔にし続けたい」ということ。昔から変わらない僕の想いです。だから、「今まで世の中になかったもの」「ありそうでないもの」という2つのこだわりで商品開発をしています。

すごく考えた末に何かを始めるというより「やってみよう」と思ったらすぐ行動するタイプなので、実際にはボツになるブランドも多いんです。でも結局チャレンジしてみないとわからないし、そのときダメだったものが10年後にリメイクしてみたら売れたりすることもある。日本では需要がなくても海外で需要があることもある。だから、「失敗」と思ったことはあまりないですね。

―今後の展望をお聞かせください。

TSUBASA これからは国内だけでなく、海外に向けてもチャレンジしていきたいですね。日本で実績が出たことで、今年から海外にも出せるようになりました。マカオと香港に輸出が始まりましたし、今後は北京も含め、アジアを中心に展開を見込めそうです。

やっぱり日本人ですから、日本の物を海外に届けたい、「日本ってすごいんだぜ」と伝えたい気持ちがあります。商品名をアルファベットにしているのも、日本だけでなく世界に向けても発信していきたいという想いを込めています。

日本でも海外でも、「人に驚きと感動を与える」という僕自身のテーマはどこまでもぶれずに、これからも発信していきたいです。今はスイーツを通じてそれを表現していますが、もしかして40代、50代になったら変わっている可能性もある。だから僕は実はパティシエではなくて、どちらかというと発明家に近いのかもしれません(笑)。
寝かせているアイデアがまだまだいっぱいあって、現場と世の中が追い付いていない感じなんです。興味のある方、僕に共感してくれる方がいたら、遠慮なく連絡してきて欲しいです。

―今日は楽しいお話をありがとうございました!

チョコレートサンドCHIYOCO

「チョコレートサンドCHIYOCO」(ラムレーズン、ピスタチオ、アールグレイ、塩キャラメルの4個入り)
価格:¥2,250(税込)
店名:T’s GALLERY
電話:06-6537-7813(10:00~18:00 日曜日・年末年始除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://tsukiichi-shop.com/?category_id=5fa2c944da019c14a1059650
オンラインショップ:https://tsukiichi-shop.com/

OMUSUBI Cake

「OMUSUBI Cake」(苺、しょこら、抹茶、オレンジ、ちぃず、クッキー&クリーム、ティラミス、栗、ミルクティーの9個セット)
価格:¥4,230(税込)
店名:T’s GALLERY
電話:06-6537-7813(10:00~18:00 日曜日・年末年始除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://tsukiichi-shop.com/items/5e9f355672b911564d011ff2
オンラインショップ:https://tsukiichi-shop.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
スイーツプロデューサー TSUBASA(株式会社THREAD WING 代表取締役)

1987年生まれ、新潟県佐渡島出身。18歳より関西の老舗洋菓子店で修行を積む。26歳のとき、オーブンを使わず、ステンレス製のお鍋を使ったレシピ本を出版。累計2万冊以上を突破。27歳より、完全予約制のプライベートサロンをオープン。29歳のとき店舗を移転し、月に一度だけオープンするケーキビュッフェ専門店【TSUKIICHI】をオープン。現在、スイーツプロデューサーとして様々なブランドを展開中。

<文・撮影/臼井美伸(ペンギン企画室) MC/柴田阿実 画像協力/THREAD WING>

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