朝日堂_top

日本屈指の伝統工芸を日常に。京都・清水焼の「雪ノ華 ティーセット」と茶道具セット「茶席になる茶箱」

2024/08/21

京都の伝統工芸品として知られる「京焼・清水焼」。飾り皿から食器まで用途はさまざまです。今回、編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは清水焼の魅力がつまった「雪ノ華 ティーセット」と、茶道具をコンパクトにまとめた「茶席になる茶箱」。それぞれの魅力について、京都の陶磁器販売店「株式会社朝日堂」代表取締役社長の浅井俊行氏に取材陣がお話をうかがいました。

株式会社朝日堂 代表取締役社長の浅井俊行氏
株式会社朝日堂 代表取締役社長の浅井俊行氏

―会社の歴史について。

浅井 1870年(明治3年)に創業し、私で5代目になります。都が東京へ移る際に、御所に務めていた初代は京都に残り奥方の家業を手伝うことになりました。清水門前で陶器商の個人店を開くにあたり、宮様より「朝日」の称号を賜ったことが「朝日堂」の始まりです。
創業当初から清水焼の販売を柱とし、今では全国各地の陶器や京都の工芸品も扱っています。京都府指定の伝統工芸品は30品目以上あり、清水焼もその一つです。

―社長のご経歴もうかがえますか。

浅井 私は三兄弟の末っ子として育ち、父の意を汲む形で家業に入りました。それまで勤めていた大塚家具社やグレープストーン社では人とのご縁に恵まれ、本当に多くのことを学びました。30歳で会社を継ぐ不安はありましたが、幼少期から知る従業員の皆さんに歓迎され、一丸となって良いスタートを切れました。
私に代替わりしてからは、全国の窯元、作家からダイレクトに作品を仕入れています。直接仕入れ、販売するようになったことでお客様のニーズを窯元に直接フィードバックでき在庫切れもなくなりました。
さらに、自社がデザインしたオリジナル製品も販売できるようになりました。

―京焼・清水焼の特徴を教えてください。

浅井 京都の焼き物の強みは、華やかな絵付けをする「加飾」の技術と、「釉薬(ゆうやく)」を使っていろいろな模様を生み出す技術の高さです。「京焼」は茶の湯の流行を背景に、江戸時代初期頃から東山山麓を中心に広がった焼き物のこと。それに対して、清水寺の参道である五条坂で作られていた焼物は「清水焼」と呼ばれていました。現在では京都で焼かれる焼き物全般を「京焼・清水焼」と呼んでいます。清水焼の食器は割烹料理店をはじめ、茶道や華道といったプロフェッショナルの場で使われてきました。

―「雪ノ華」シリーズはどんな商品ですか?

浅井 「雪ノ華」シリーズはコロナ禍で京都の観光業がダメージを受けた際に、業務用食器として開発したブランドです。クリスタルグレイズという釉薬により、釉薬が結晶化した模様が美しい雪の結晶やお花を思わせます。とても繊細な焼き物に見えますが耐久性に優れ、外資系ホテルやレストランなど、お取引先の幅が広がるきっかけにもなりました。
「雪ノ華」シリーズは一般家庭で使いやすいように、電子レンジや食洗機にも対応した商品です。磁器の表面がガラス質になっていて、匂い移りしにくく汚れもつきにくいため、普通のガラスコップのように気軽に扱えます。

朝日堂_2
朝日堂_3
その美しさからは想像できない使い勝手の良さと、
同じ柄はない特別感がうれしい。

―カップの制作過程も気になります。

浅井 複雑な形のため、手引ろくろではなく石膏型に圧力をかけながら流し込んで作ります。結晶の模様はもともと小さな点であり、焼く工程でぱあっと花のように結晶化していきます。焼き続けると模様が消えてしまうので、ゆっくりと冷却する工程もあります。釉薬を扱う技術力は京都が随一とされ、職人が限られる中でも手作業にこだわっています。

―茶道具セットについて。魅力を教えてください。

浅井 「茶席になる茶箱」をコンセプトとした茶道具セットです。箱を開けばそのまま茶器を飾っておけるため、使用しないときにもインテリアとして楽しめます。最大のこだわりは、シンプルな柄に伝統の意匠を取り入れたデザインです。
茶碗は京焼で、箱や漆器には加賀発祥の山中塗を施すなど、日本の伝統工芸を組み合わせました。抹茶盌の文様は熨斗(のし)をイメージしています。普通の茶箱よりもコンパクトな野点サイズなので、片付けやすく置き場所にも困らないと思います。茶道のスターターキットとしてはもちろん、コーヒーの代わりにゆっくりとお茶を楽しむようなライトな使い方もおすすめです。

朝日堂_4
朝日堂_5
開封すると立派な茶道具が現れる。
そのまま飾っておきたい味わい深さ。(Design by Mica Nakajima)

―京焼としてのポイントは?

浅井 「上絵付け」という模様を施す加飾技巧が特徴的です。全国的に見ても京都は上絵付けの技法が発展していて、絵付け師がたくさんいる強みを生かしました。京都は機械による量産化に乗り遅れたおかげで、すべての手仕事が受け継がれています。職人の数は全体的に減少している反面、女性の職人さんが増え、女性ならではの細かい手仕事が新たな評判を呼んでいます。

―今後の展望をお聞かせください。

浅井 清水焼は高価なものですが、伝統工芸品が持つストーリーに魅力を感じていただける方に選ばれています。私としては、焼き物への先入観がなく「たまたま選んだアイテムが清水焼だった」といった出会いをご提供できることもうれしいです。
私が知る中でも、廃業された職人さんが数多くいます。伝統は途切れたら復活が難しいものです。会社としては、伝統が長く統くように販路を広げて、作り手に還元していきたいです。ライフスタイルの変化に合わせてモダンと伝統技術を融合することで、伝統産業品における主翼を担い続けたいと思います。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

雪ノ華 ティーセット

「雪ノ華 ティーセット」(ポット×1 ソーサー×2 カップ×2)
カラー:白、銀藤
本体サイズ:Pot 14.5x12x11cm、Cups 11.5×11.5x7cm
価格:¥28,500(税込)
店名:朝日堂オンラインショップ
電話:075-531-2181(9:00~18:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:白 https://x.gd/9ievc
銀藤 https://x.gd/6PGFg
オンラインショップ:https://ja.asahidogallery.com/

茶席になる茶箱

「茶席になる茶箱」(抹茶碗、棗、茶杓、茶筅、茶筅筒、黒塗り箱の6点セット)
本体サイズ:茶箱-box- 16cm×16cm×13cm、茶碗-bowl- 10.5cm×10.5cm×7.5cm
価格:¥49,500(税込)
店名:朝日堂オンラインショップ
電話:075-531-2181(9:00~18:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://x.gd/N7Rjs
オンラインショップ:https://ja.asahidogallery.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
浅井俊行(株式会社朝日堂 代表取締役社長)

1980年 京都府生まれ。大阪産業大学を卒業後、2003年に大塚家具へ入社。2006年 株式会社グレープストーンへ入社。2008年 株式会社朝日堂へ入社。2010年 同社の代表取締役社長に就任。2020年より浅草かっぱ橋道具街で営業する「和の器 田窯」の代表取締役も務める。

<文/マスダアヤノ MC/木村彩織 画像協力/朝日堂>

OFFICIAL SNS

Instagramでハッシュタグ#お取り寄せ手帖を検索。

  • Instagram
  • Facebook
  • Twitter