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記念日の食卓を飾る特別なメニュー気仙沼が誇る「フカヒレステーキ」

2023/05/15

今回、編集長アッキーが気になったのは、宮城・気仙沼でフカヒレ加工品を販売する「石渡商店」。株式会社石渡商店・代表取締役の石渡久師氏に、商品の魅力を取材陣がうかがいました。

株式会社石渡商店 代表取締役の石渡久師氏
株式会社石渡商店 代表取締役の石渡久師氏

―創業の経緯を教えてください。

石渡 祖父が川崎から気仙沼に移住し、1957年からフカヒレの事業を始めました。もともと川崎で気仙沼からヒレを仕入れて販売していたのですが、フカヒレのヒレだけじゃなく、マグロのヒレが混ざっていたりしたそうです。そのため現地視察に行ったのですが、小さいヒレが捨てられているのを見て、それを使って商売ができると目をつけ、移住してきたとのことです。

―フカヒレの加工技術も発展させてこられました。

石渡 以前は3月、4月にかけての寒い時期にフカヒレを外で乾燥させるのが一般的でした。しかし、外は雨が降ったり、気温が上がったりして、商品の品質が安定しません。そこを解決するために、新鮮な原料をその場で加工を進めていく技術を編み出しました。

生のヒレから皮や骨、肉などを取り除いて乾燥させたものを「スムキ」といいますが、これは当社が開発した加工法で、今では世界共通のフカヒレ用語になりました。フカヒレは乾燥させて、湿度と温度がコントロールされていれば、半永久的に持つ保存食です。中国では「乾貨」と言い、乾いた貨幣という意味を持つほど価値があるものとされています。

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気仙沼はサメの全国の水揚げ量の80%を占める「サメの町」。

―フカヒレを扱う際に一番重要な点はどこでしょうか。

石渡 小さいヒレを集めて、形を残して姿にして行くためには、鮮度がいい状態で加工のスピードを速くするしかありません。フカヒレはコラーゲンでできていて、時間が経てば経つほど、コラーゲンが劣化してしまうので、劣化させないようコントロールして、スピーディに加工することが大切です。

―一般家庭に販売されるようになったのはいつ頃でしょうか。

石渡 技術が整ってからはフカヒレを輸出していましたが、昭和40年代にドルショックがあり、ドル350円位が10年弱で100円も円高になり、輸出ができなくなりました。そのときに、国内の一般家庭向けの商品開発と通信販売が始まったのです。昭和50年代に通信販売をスタートしていますが、当時はお手紙のやり取りで通販をしていました。

―気仙沼でフカヒレ業が盛んな理由はあるのでしょうか。

石渡 気仙沼は水揚げされたサメを加工できる工場が整っていて、フカヒレ屋さん、サメ肉屋さんが多いため、サメを獲った船がやってきます。気仙沼の街自体の産業として発展してきたところもあり、日本のサメの水揚げ量の80%を占めています。

―家業はもともと継がれるつもりだったのでしょうか。

石渡 親は自分が好きなことを自由にやらせてくれ、スノーボードの選手として競技をしていました。気仙沼に戻ってきたのは、フカヒレの技術を学ぶなら若いうちのほうがいいと考えたからです。フカヒレを扱うのはすごく難しいということはわかっていましたし、ニッチな世界で、教えてくれる人もそんなにいるわけではありません。22歳のときに「サメを極めたい」とこの世界に入りました。

―2011年には東日本大震災がありました。

石渡 工場は全壊流出と壊滅的な被害を受けて大変な思いで復興してきましたが、できることから始めて、翌年には工場も復活しました。

「気仙沼の水産業のために」とたくさんの義援金をいただき、その恩返しのためにも私たちの技術やネットワークを使って、気仙沼の素材で何か自分たちらしい商品を作れないかを検討しました。宮城は牡蠣の産地でもあるので、牡蠣でオイスターソースを作ってみると、それが好評で売り上げが伸びました。

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熟練の職人が一つひとつ手作業で皮や骨を取り除いています。

―今回ご紹介させていただく「フカヒレステーキ」の開発のきっかけを教えてください。

石渡 会社の工場見学でよく「フカヒレって味はあるんですか?」と質問されます。じつはフカヒレには味があるので、それを表現するための商品を作ろうと開発が始まったのがフカヒレのステーキです。スープはコンソメと塩しか入ってないのですが、調理すると濃厚な味になります。フカヒレと油が混ざると乳化して醸しだされる味があり、最大限にフカヒレの美味しさを楽しんでいただけます。

フカヒレのステーキは、レストランのコース料理で出てくるスペシャルメニューといった位置づけですが、これを自宅で簡単に作れると喜んでもらえるのではと考えました。当店の商品はすべて自宅の台所から始まっていて、試作して、スタッフにも食べてもらって、工場で作れるかどうかを見極めています。

―YouTubeで調理法を公開されていますね。

石渡 1セット1万円するため、説明書も入れて、動画も作って、調理に失敗しないよう力をいれました。フカヒレとコンソメスープをセパレートしてもらって、フカヒレをフライパンで焼きます。

その後、フライパンでスープを煮詰めてもらいますが、コンソメの茶色い色がだんだん白くなってきます。片栗粉を入れなくてもとろみが出てきて、余計なものは一切入れず、美味しくいただける商品です。油のにおいがフカヒレにうつるので、太白ごま油やグレープシードオイルなど、油はいいものを使っていただくのをおすすめします。

―具体的な製造工程を教えてください。

石渡 水揚げ後に皮を取って骨を取って乾燥させて、スムキの状態を作り、乾燥したものを水で戻します。戻して行く最中にステーキ用に加工をして、作りたてのコンソメスープと合わせます。すごくシンプルですが、どのぐらいのコラーゲンがスープに取れるか、そういった計算も全部しています。ヨシキリザメの尾びれを使っていますが、肉厚で繊維が太い一番高級な部位です。

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フカヒレの命といえるコラーゲンを壊さず留める独自の製法を開発。

―付け合わせやお酒でおすすめはございますか。

石渡 アスパラやマッシュルームなど、あまりくどくない付け合わせがおすすめです。お酒は白ワインが合うと思います。

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国内外で活躍するシェフからアドバイスをもらい、味を磨いています。

―どういうシーンで食べていただきたいですか。

石渡 記念日の食卓で食べていただきたいのはもちろん、バーベキューなどみんなで盛り上がって食べてもらうのもいいですね。思い出に残る食事になると思います。

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高級感ある包装紙でギフトにもぴったり。

―最後に将来のビジョンと展望をお聞かせください。

石渡 震災後から進めているプロジェクトとして、サメ肉を使ったペットフードの工場が今年の6月にできます。サメ肉は高たんぱくで低資質、糖質ゼロでヘルシーなんです。シニア犬が増え、アンチエイジングにサメ肉が役立つ研究もおこなわれています。別途新設したペットフード工場の隣にドッグランもついているので、ペットと一緒に工場見学もできるので、気軽に遊びに来ていただければと思います。

―貴重なお話をありがとうございました。

フカヒレステーキ
フカヒレステーキ

「フカヒレステーキ」2枚入り
価格:¥11,880(税込)
店名:石渡商店
電話:0120-108-537(8:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.ishiwatashoten.co.jp/c/f-sugatani/steak/steak1
オンラインショップ:https://www.ishiwatashoten.co.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
石渡久師(株式会社石渡商店 代表取締役)

1981年宮城県気仙沼生まれ。22歳で入社し、8年の下積み修業期間を経て工場長へ。2020年に代表取締役社長へ就任。自社工場での更なるサメの全体利用を目指している。

<文/垣内栄 MC/津田菜波 画像協力/石渡商店>

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