
私たちの暮らしに“ちょうどいい”。日本の女性建築家とともに作った、片手でひょいと持ち上がる軽量「DECOチェア」
2025/10/29
デザインに惹かれて買った椅子が、なんだか部屋に馴染まない。お掃除のたびに重い椅子を動かすのが少し億劫…。そんな経験はありませんか?
本当に暮らしに寄り添う椅子とは、ただ美しいだけでなく、日々の生活で心地よく使えること。今回、編集長のアッキーが注目したのは、名古屋の家具ブランドNORTEが作る「DECOチェア」です。
日本の女性建築家とともに、私たちの暮らしのためにデザインした一脚。その誕生の裏には、作り手の熱い思いが隠されていました。取材陣が、株式会社rewoodの代表取締役社長 水野照久氏に伺いました。

株式会社rewoodの代表取締役社長 水野照久氏
―まず、会社の沿革についてお聞かせください。
水野 私の父が1960年に家具職人として愛知県名古屋で創業したのが始まりです。もともとは木工所でしたが、時代の流れとともに小売業へ転換しました。私が家業に戻った30年ほど前は、価格勝負のアメリカンスタイルの店舗でしたね。当時は3店舗を運営していましたが、大手家具店の進出で価格競争が激化し、最終的には事業を縮小せざるを得ませんでした。
―どのような経緯で家業を継がれたのでしょうか。
水野 数字が苦手だったので克服しようと大学卒業後は銀行に就職しました。しかし、両親から「帰ってこないと店を閉める」と言われたため、家業を継ぐことを決意。若かったので「やってやるぞ」と意気込んでいたのですが、待っていたのは会社の存続を揺るがすほどの厳しい経営状況でした。当時は、心から「いい」と思えない商品も扱っていました。ただ利益を上げるために販売を続ける毎日で、次第に心身ともに疲れ果てていきました。「一体、何のために仕事をしているんだろう」と深く苦悩する日々でしたね。
―まさに、どん底のような状態だったのですね。
水野 はい。そんな絶望のさなかに、「家具は人を幸せにします」という言葉と運命的に出会ったんです。 「それが仕事の目的にできたら、もっと頑張れるな」と、その時思ったのです。この言葉を会社の理念に掲げ、価格競争からきっぱりと手を引くことを決意しました。こうして、「本当に良いと思えるものだけを、作り手の思いと共にお届けしよう」という現在のスタイルを確立したのです。

ショールーム「CONNECT」では、自分の目でインテリアコーディネートや木の質感を確かめられる。
―今回ご紹介いただく「DECOチェア」は、日本の女性建築家とともに開発されたそうですが、どのような経緯で生まれたのでしょうか。
水野 これまでは海外のデザインをお手本にすることもありましたが、「日本の住環境と日本人のための、完全なオリジナル家具を作りたい」という熱い思いがずっとありました。日本の家庭に本当の意味で幸せを届けるには、私たちの暮らしを真に理解している日本のデザイナーと作るべきだと考えたのです。
そして、私たちの理念に共感してくれた、名古屋で活躍する女性建築家との素晴らしい出会いがありました。彼女と共に、女性ならではの視点を活かしながら、「日本人の体型」と「日本の住宅に合うサイズ感」を徹底的に追求しました。

日本の体型と住宅に合うサイズ感を徹底的に追求した一脚。
―開発におけるこだわりや、ご苦労された点はありますか?
水野 お求めやすい価格を実現するため生産は中国の工場に委託したのですが、立ち上げ当初は深刻な品質問題に直面しました。国民性の違いもあり、私たちが求める「綺麗な仕上がり」を理解してもらうまでが本当に大変で。「届いた300脚の椅子が、すべて使い物にならなかった」という、絶望的な経験もしました。
―それは大変なご経験でしたね。どのように乗り越えられたのですか。
水野 日本人が求める品質を理解してもらうため、粘り強い対話と試行錯誤を何度も繰り返しました。4回も工場を変え、血と汗の滲むような努力の末に、独自の品質管理ノウハウを確立したのです。今ではクレーム率がほぼ0%という、驚異的な品質を実現できるようになりました。「中国製」と聞いて不安に思われるお客様もいらっしゃるかもしれませんが、日本製にも負けないくらい品質には高いこだわりを持っていると自負しています。
―「DECOチェア」の魅力を、改めて教えていただけますか?
水野 最大の特徴は、女性でも片手でひょいと持ち上げられるほどの「軽さ」です。ダイニングで使うのはもちろん、天気のいい日には窓辺に運んで読書のお供にしたり、急な来客時にさっと移動させたりと、暮らしのさまざまなシーンで活躍してくれます。お掃除の時もストレスフリーですよ。日々の暮らしの中で、本当に使いやすいと思っていただけるはずです。

片手で持ち上げられる軽さが特徴。
座面は、汚れに強くさらっとした肌ざわりの素材。
―お客様からの反響はいかがですか。
水野 おかげさまで大変ご好評をいただいており、特に女性からの人気が高いです。デザインや軽やかさが、多くの方の暮らしにフィットしているのだと感じています。NORTEのInstagramには、3万人を超えるフォロワー様から寄せられた素敵な使用シーンが多数投稿されており、私たちも嬉しく拝見しています。
―最後に、今後の展望についてお聞かせください。
水野 会社の急拡大を目指すつもりはありません。それよりも、長年連れ添った仲間たちと、お客様一人ひとりと丁寧に向き合いながら、誠実なものづくりを続けていきたい。80歳、90歳になっても、この仲間たちと家具作りを続けていられたら、それが一番の幸せです。一過性のブームではなく、「長く愛される定番」として、これからもお客様の暮らしに寄り添う家具をお届けしていきたいと思っています。
―本日は貴重なお話をありがとうございました!

「NORTE オリジナル家具 「DECOシリーズ」 ダイニングチェア」
価格:¥29,900(税込)
店名:株式会社rewood
電話:052-778-9310(10:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/mizuno-kagu/nrt-c-700/
オンラインショップ:https://www.rakuten.ne.jp/gold/mizuno-kagu/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井 ちあき 画像協力/rewood>




























