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世界に1つのオリジナル!紙100%で作る紙粘土キット「ホントの紙ねんど」

2024/06/14

多くの人が一度は作ったことのある紙粘土。今も変わらず、工作好きの子どもから大人まで幅広い年代に親しまれています。今回、編集長アッキーの目に留まったのは、株式会社相馬が開発した紙100%の紙粘土が作れるキット「ホントの紙ねんど」です。一般的な紙粘土との違いや特徴、開発にあたっての苦労などを同社の代表取締役 久保田明男氏に取材陣が伺いました。

株式会社相馬 代表取締役 久保田明男氏
株式会社相馬 代表取締役の久保田明男氏

―異業種から入社して社長に就任された際の意気込みは?

久保田 前職は婦人用の下着や靴下を扱うアパレルの営業をしていたのですが、弊社の前社長とご縁があって紙の印刷業界に入りました。営業職に就きながらさまざまな仕事を任せていただくようになり、前社長に後継者がいなかったため私にお声がかかったのですが、2〜3年は悩みました。それでも、社長就任を決意した際には「社員の家族も含めて全部守ろう!」と覚悟を決めました。

―「ホントの紙ねんど」を開発した経緯を教えてください。

久保田 紙の卸売業は衰退していく産業であると考えていたため、前社長はオリジナルのブランドを立ち上げたいとよく話していました。私の代になって社員も商品開発に興味を持ち始めたので、開発チームを組んで前社長の夢でもあったオリジナルブランドの開発に着手しました。

紙の派生商品としてどんなものが作れるか案を出し合った際に、一般的な紙粘土には実は紙がほとんど使われていないことを知りました。弊社には紙の端材がたくさんありますし、紙100%の紙粘土キットであれば世界に1つだけのオリジナルの紙粘土が作れます。その案を採用して誕生したのが「ホントの紙ねんど」です。

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1箱に紙ねんどのもとや重曹、クエン酸、でんぷんのりがセットされている。

開発にあたって苦労されたことは?

久保田 「ホントの紙ねんど」の開発に至るまでに開発チームメンバーから何百何千の案が出されて試作もいくつか行ったのですが、途中でいろいろな壁が立ちはだかってなかなか商品化できませんでした。結果的に一番身近な紙を再利用するという形で紙粘土の案を採用したのですが、紙粘土に適した紙質を選んだり、紙のちぎり方と粘土の仕上がりを確かめたりなど、納得がいく仕上がりに辿り着くまで開発メンバーは手をふやかしながら毎日テストを繰り返していました。1,000回以上は行ったと思います。
あとは、紙100%紙粘土キットのニーズがどの程度あるのか不安もあったため、マーケティング調査や展示会への出品などを行って反応を見たのですが、その費用が結構かさみました。開発から販売までに2〜3年はかかっています。

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水の中に紙ねんどのもとと重曹、クエン酸を入れて揉み込み、紙を好みの細さにちぎる。

―初めてのオリジナル商品が受賞!

久保田 「ホントの紙ねんど」が世の中に求められるのかどうかを確かめたくて、展示会と同時期に発売日を設定したのですが、展示会で日本文具大賞2020 機能部門グランプリを受賞できました。展示会での反響がとても良かったので商品に対して自信を持てました。

―「ホントの紙ねんど」の特徴とは?

久保田 「ホントの紙ねんど」は紙を100%使った紙粘土です。紙の手触りや粘土の質感を感じながら自分だけの紙粘土が作れます。例えば、なめらかな粘土を作りたければ紙をできるだけ細かくちぎり、ゴツゴツとした紙粘土を作りたければ紙を粗めにちぎります。作り手によって仕上がりが異なるのもポイントだと思います。キット1つで大体ソフトボールくらいの大きさの紙粘土が出来上がり、紙100%であるため絵の具やマジック、クレヨンなど、色づけ方法も多彩です。

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水気を絞って紙をさらに細かくちぎり、のりを加えてこね合わせれば出来上がり。

―なぜキットにしたのですか?

久保田 手作りキットにすることで教材にもできると考えました。紙の原材料や紙ゴミの問題など、創作とともに子どもたちに学びの機会を作ることができます。また、1時間以内で紙粘土まで仕上げられるキットであるため、小学校の授業にも取り入れやすいと思います。さらに、紙粘土に絵の具を混ぜ込んで色づけでき、色の勉強にもなります。ワークショップなどで実際に子どもたちに作ってもらうと、赤と白を混ぜたらピンクになるとか、色の組み合わせに興味を持つ子も多いです。

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手をたくさん動かして紙粘土を作っていく過程が子どもの創作意欲をかき立てる。

―どんな方におすすめの商品ですか?

久保田 小さなお子様や学校関係の方はもちろんですが、大人の方にも趣味として「ホントの紙ねんど」を使っていただけると嬉しいです。他にも、自身で作品を作っているようなクリエイターの方にも手に取っていただきたいと思います。

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普通の紙粘土にはない紙の質感が残っているため味のある作品に仕上がる。

―最後に、今後の展望を教えてください。

久保田 紙の卸業界が衰退しているとはいえ紙事業は弊社のメインの事業であるため、まだ活気が残っているうちにいろいろと取り組んでいこうと思っています。例えば、紙業界を盛り上げるために、他の紙屋さんと協力した活動も始めました。「集 ATSUMARI」という団体名で、展示会や子供向けのワークショップなど、紙屋ならではの視点で、紙の楽しみ方をご提案しています。

また、現在は出版事業部、印刷事業部、SNS事業部、文具事業部の4つの事業部を展開していますが、その中でも新しい分野であるSNS事業部と文具事業部を第2、第3の柱にしていきたいとも考えています。

今回お話しさせていただいた「ホントの紙ねんど」は社員の熱い想いで誕生した商品ですので、もっと皆様に知っていただきたいと思っています。今後も各地のワークショップなどに参加していろいろな方に手に取っていただきたいです。

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「ホントの紙ねんど」を実際に使ってみて、夢中になる楽しさを体感してほしい。

―貴重なお話をありがとうございました。

ホントの紙ねんど

「ホントの紙ねんど」(紙64g、重炭酸ナトリウム 15g、クエン酸無水P 15g、MBノール特殊糊C-12 120g)
価格:¥1,980(税込)
店名:ホントの紙ねんど
電話:03-5600-1491
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://kaminokoto.tokyo/honto-no-kaminendo/
オンラインショップ:https://kaminokoto.tokyo/shop/products/list?category_id=1

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
久保田明男(株式会社相馬 代表取締役)

1968年東京生まれ。都内某高校を卒業後、トラックドライバーやアパレルの営業などを経て、1998年1月に相馬紙業株式会社に入社。営業部配属後、2013年に同社の代表取締役に就任。

<文/ウツギナオコ MC/髙橋美羽 画像協力/相馬>

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