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兵庫県宍粟市の木材加工会社が作る古材を利用した雑貨や家具。一味違うデザインが魅力です。

2022/11/11

アッキーこと坂口明子編集長が気になった木工雑貨、家具があります。兵庫県宍粟市の株式会社オサキが作る古材を利用した「KOZAiシリーズ」のトレーやテーブルです。ビンテージ感覚のデザインと使い勝手の良さが特徴でアウトドア、インドアで活躍しそう。この商品が誕生したきっかけを株式会社オサキ 代表取締役社長の尾﨑政仁氏に取材スタッフがうかがいました。

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株式会社オサキ 代表取締役社長の尾﨑政仁氏

―御社は設立されて60年近くになるのですね。

尾﨑 はい。私の父が1965年に設立しました。当時、父はまだ高校生で、いわゆる優良企業から求人が来ていたにもかかわらず、どういうわけか木材加工の会社を起業したいと思ったそうです。高校3年生のときは会社設立に忙しくてほとんど学校には行ってなかったと聞きました(笑)。でも、当時の先生が理解のある方で、「登校しなくてもいい。でも、卒業式だけは来なさい」と大目に見てくださったそうです。未成年ですから会社の登記などはできなくて祖父の名義で創業したのが「尾﨑製材所」です。その後、平成3年に今の株式会社オサキを設立しました。

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森林に恵まれた宍粟市は昔から林業が盛んな土地柄だ。

―おもしろいお話ですね。兵庫県宍粟市は林業が盛んな地域なのですね。

尾﨑 宍粟市は兵庫県の中西部に位置して、そのほとんどが山地です。森林や滝や川などの自然に恵まれ、昔から林業が盛んでした。江戸時代から、伐採した丸太を筏に組んで揖保川の流れを利用して瀬戸内海まで運んでいたそうです。そのため長く木材関係の仕事をしている企業が多く、当社は後から参入した会社だったので父は、どんな小さな仕事でも数多く引き受けました。やらざるを得なかったといったほうがいいでしょう。結果的に取引先が多くなったため60年近くも続けてこられたと思います。

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今回の商品の材料になるパレット(荷役台)。

―主力の製品は何でしょうか。

尾﨑 パレットですね。パレットは工場、倉庫、コンテナ、トラックなどの荷物を載せる荷役台のことです。主に杉材ですが、この古材が後で紹介する雑貨、家具の材料になります。パレット製作から出発して約20年前からは店舗で使うテーブルなどの什器を手掛けるようになりました。ちょうど私が入社したころで、知識も技術もない中、我流で設計していました。私は小さいころから後を継ぐことを刷り込まれて育ちましたが(笑)、高校卒業後、当社に入社する前、大阪でコンピュータ関係の専門学校に通っていました。学校に通う傍ら、私はインテリアとかファッションに興味があったので大阪の流行の発信地といわれていたアメリカ村(大阪市中央区西心斎橋一帯)の古着店でアルバイトしていました。その経験から私なりの考えですが、何でも流行の先端を追いかけるのではなく、流行を見ながらもオーソドックスなものをミックスさせることがファッションには大事なのではないかということを考えました。その視点は現在のデザイン、設計、商品開発に役立っています。

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株式会社オサキでは家や店舗の設計施工、リフォームも行っている。

―今回紹介くださる古材を使ったお盆やテーブルもその流れで開発したのですか。

尾﨑 そうですね。当社は長年、取引先からの受注という形で仕事をしてきましたが、以前から自社のブランドを作りたいという思いがありました。ちょうど宍粟市の商工会主催の「産業展」でブース展示する機会があり、自社製品を作って展示したいと思ったのがきっかけです。また、パレットは耐用年数が5~10年で、その後は産業廃棄物になります。当社の取引先の関係者の皆さんも廃棄物になるのは惜しいし、何らかの形で社会貢献できないかと考える方が多かったのです。そこで当社が廃材に専門的な加工を施してリサイクルできることを喜んでくださいました。そんなことから開発したのが「KOZAiシリーズ」です。

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1つずつデザインが違う、手作り感の味わいがある。

―お盆、テーブルともに個性的なデザインですね。

尾﨑 パレットの強さと古材の色合いを生かし、丈夫で味わいのある雑貨、家具を作りました。ビンテージっぽい雰囲気を出しました。万人受けする商品だとは思っていませんが(笑)、見た目にインパクトがあるので、個性的なデザインをおもしろがってくださる方に使っていただきたいと思っています。誰もが持っているものではなく、人とは違うものを欲しがっている方に選んでいただきたいです。

―製造方法は?

尾﨑 まずパレットはそのまま廃棄する場合と、修理して使う場合があります。修理の際に出た廃棄木材の事を「古材」と当社では言っており、これが材料となります。これをまず、1~2か月かけて乾燥させ、製品に使えそうな部分を拾い出します。色や大きさを考えながら切って、貼り合わせた後で枠を作り、テーブルなら脚を作り組みたてます。時間も手間もかかる作業ですが、板の組み合わせによって1つひとつデザインが違う手作りの面白さがあります。模様は市松模様、組亀甲、ヘリンボーンなど9種類あるので好きな模様が選べますが、色合いは選ぶことはできません。そのオリジナル性を楽しんでいただけたらと思います。

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折り畳むことができ、キャンプ用のテーブルとしても使い勝手がよい。

―どのような使い方がおすすめですか。

尾﨑 トレーは定食が乗る大きさなので家で普段の食事に使ってもいいし、インテリアにもなると思います。テーブルは最近、キャンプが流行しているのでキャンプ用のテーブルにするのがおすすめですね。コンパクトに折り畳むことができるので、持ち運びしやすいし、収納するのも楽です。こちらもオブジェとして置いてもさまになると思います。

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丈夫で軽い杉材の特徴が生きているテーブル。
色や質感の違い、組み合わせの妙が楽しい。

―キャンプでこれを使っていたら人目を惹きますね。

尾﨑 そうですね(笑)。いわゆる木工職人さんが手掛ける、銘木を使ったような伝統的な作品とは違う現代的な発想で設計しています。作った私が言うのもおかしいのですが、われながらカッコイイ商品だと思います! 少しずつでもいいので販路が広がり多くの方に使っていただけたらと思います。

―今後の展望は?

尾﨑 古材を使った製品だけでなく、鉄素材や樹脂素材を組み合わせた製品も作りたいですね。世の中にないようなオリジナル商品を考える開発力、製造力を高めていきたいと思っています。現在は国内生産の製品が評価されていないと思うので、消費者の皆さんももちろんコスト感は大切ですが当社製品に限らず、国内で作られた製品に目を向けていただきたいと思っています。

―本日は有意義なお話をありがとうございました。

オサキ_商品1

「KOZAI no OBON」
価格:¥7,700(税込)
店名:オサキの木 オンラインショップ
電話:0790-62-0795(8:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://osakinoki.theshop.jp/items/31597257
オンラインショップ:https://osakinoki.theshop.jp/

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「KOZAI no mini TSUKUE」
価格:¥36,300(税込)
店名:オサキの木 オンラインショップ
電話:0790-62-0795(8:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://osakinoki.theshop.jp/items/46848708
オンラインショップ:https://osakinoki.theshop.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
尾﨑政仁(株式会社オサキ 代表取締役社長)

1979年兵庫県生まれ 2002年株式会社オサキに入社。2013年同社代表取締役社長に就任。現在、自社オリジナル商品開発に注力している。

<文/今津朋子 MC/柴田阿実 画像協力/オサキ>

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