第1回 相模屋食料株式会社 代表取締役社長 鳥越 淳司さん

「どうしたら売れるか」でなく「あっ、これ作りたい」。
ヒットの秘訣は自分の思いに従うこと!?

 

パッケージの細部までこだわったザクとうふ。通販では3機セット¥1,200(税込、送料無料)で購入可能
http://item.rakuten.co.jp/sagamiya-tofu/c/0000000111/
5000丁売れればヒットといわれるおとうふ業界で100万丁を達成したおとうふがあります。商品名は「MS-06ザクとうふ」。アニメ機動戦士ガンダムのキャラクター、ザクをモチーフにしたユニークなおとうふです。
今回、そんなザクとうふを製造・販売している相模屋食料株式会社 代表取締役社長 鳥越淳司氏にお話を伺いました。
「ザク」とは機動戦士ガンダムのTVアニメ版第一話から登場するシリーズを代表する敵キャラクター。無骨かつメカニカルなデザインはもちろん、機体の多さ、絶妙な「弱さ」、シリーズ全体の世界観に関わる設定などからガンダムファンの中でも屈指の人気を誇ります。
2012年3月に販売されたこの商品も、ザクの特徴を踏襲し、パッケージ裏にプリントされたジオン軍章はもちろん、「機体」後頭部などディテールなど細部まで再現されています。
もちろん味にもこだわりがあり、しょうゆをかけるとまるで被弾したように見えてしまうため、そのまま食べられるように元々の枝豆の味付けに加えあえてほんのり塩味に。
そして何より、あえて”ガンダム”でなく”ザク”を選んだ点が往年のガンダム世代の心をくすぐり、30代~40代男性を中心に大ヒットとなりました。

 

趣味で作った。だからこそこだわり、「ザク風」でなく「ザク」を作りたかった

子供の頃、友達と遊んでいても17時には皆ガンダムを見るために家に帰ってるので、それがきっかけで鳥越社長もテレビを見はじめガンダム好きに。お金持ちの子が1/100のプラモデルを買えたのに、自分が買えたのは1/144のガンプラで、そのときに大きなプラモデルを作れなかった悔しい気持ちがザクとうふへの強いこだわりにつながったのだとか。
製造の過程では、おとうふの構造と、「ザク」としてのリアリティの追求での葛藤がありましたが、「できない(買えない)のと、やれるのにやらない、はぜんぜん違う。(ザクとうふを)作ることができて、好きで作っているものなのだから妥協するわけがない」という思いから、並々ならぬこだわりの結果、高い完成度の「ザクとうふ」はできあがりました。
ザクとうふのポイントは後頭部にあるチューブの接続部分。ディテールを表現するために一番苦労したところですが、妥協すると、ただの”ザク風の”おとうふになってしまう。ザクを作ることにこだわったことが、商品の完成度と多くのファンの「わかってるね」という共感につながりました。

 

女の子にキャーキャー言われるようなおとうふ

左)「マスカルポーネのようなナチュラルとうふ」3個セット¥1,000(税込、送料無料)
右)「とうふで、グラノーラ。」 3個セット¥1,200(税込、送料無料)
http://item.rakuten.co.jp/sagamiya-tofu/c/0000000108/

「こんなおとうふを作りたい」という思いが先に立って開発、製造されたのはザクとうふだけではありません。
こちらの「ナチュラルとうふ」シリーズは、若年女性向けのファッションショー、東京ガールズコレクションをきっかけに、鳥越社長が「女の子にキャーキャー言われるようなおとうふを作りたい」と思い開発をスタート。これまで女性の多くが味ではなくダイエットのために食べていたおとうふに、「ひとくち食べてはっとするような商品ができれば面白い」「女の子が、毎日食べたいおとうふ」という新しい価値軸で作られました。
従来とは全く異なる独自の製法による、濃厚なクリーム感とコクのある味わいを実現し、オリーブオイルをかけて、フォークで食べるというおしゃれなスタイルを提案。
そして2015年秋の東京ガールズコレクションでは実際に特設ブースを設置し、おいし過ぎると大評判となり、あまりにも人気がありすぎて行列に並ぶことさえ制限された、まさに”女の子にキャーキャー言われるようなおとうふ”となりました。

目指したのは「面白さ」実現するのは「気合と根性」
次々にヒット商品を生み出す心構えについて、「マーケティングには色々な理論があるが、それを全て守ろうとするのは、賢しらに小さくまとまってしまうことになる。だからこそ、自分の中のスイッチのようなものにしたがって突き詰める」。と考える鳥越社長。実はザクとうふの売れ行きについて、「こんなに売れるとは思っていなかった」のだとか。「魅力を説明できるのでなく共感してもらえる商品を作る。」「こうなったら面白い、という未来を想像して、ダメと決めつけずに、思い切りこだわることで周りが助けてくれるんだ」とのこと。
狙ってヒットを飛ばすのではなく、自分の好きという気持ちを追求した「ザクとうふ」や、女の子に好かれたらおもしろいと思った「ナチュラルとうふ」といったユニークな商品が受け入れられる秘訣は、その「狙わなさ」ともいえます。

次におとうふで「面白い」を届ける先は
例えばザクとうふひとつとっても、ものづくりの技術とアニメ文化とがよく組み合わさっており、革新的なヒット商品を次々とリリースしてきた相模屋食料。
鳥越社長の次なる思いは、大勢の訪日外国人が予想される東京オリンピックを契機に、外国人に「日本のソウルフードはおとうふだった」と思ってもらいたいということだそう。
「面白さ」を追求したアイデアと熱い思いで男女問わず多様な年齢層を夢中にした相模屋食料が、日本のソウルフードおとうふで外国人にどのような熱狂をもたらすのか、非常に楽しみです。

 

相模屋食料株式会社代表取締役社長 鳥越淳司社長

京都府の京都市出身。「東京は、東の京都でしょ?」という地元へのプライドを持って過ごした幼少期。一方で、「閉鎖的なところもあるから、出たい」という気持ちもあったとか。

今でこそ気合、根性のリーダーですが、小学校では意外にも「ガキ大将の輪に入らずそれを見守るグループ」にいたそう。目立つ方ではなかったが、「いつか皆をまとめたい、でも、難しいかな」というポジションであったということです。

もっと広い世界を見たいという思いから東京の生活に惹かれ、振り返ると、ガンダムや、おとうふと同じように、”なんとなく好きになった”早稲田大学に入学。ラウンジに通いつめ、授業には出ていなかったことを、今になって後悔していると笑いながら話す。

大学の卒業後は雪印乳業に営業職として入社。若干26歳で、他大手5社とのコラボ展開を企画し推進。
その頃から、「自分は頭で勝負する」と謳い、怖いもの知らずの提案力と、周りが作業服の中で一人だけパリッとしたスーツ姿で同じ現場に向かうなど、後の革新者となる仕事ぶりだったそう。そして営業先のスーパーで、当時相模屋の営業として来ていた奥様と出会い、結婚後、奥様の実家である相模屋食料株式会社に入社することになります。その後9年間で相模屋食料株式会社の売上高を5倍にまで牽引。おとうふ業界のトップまで急成長を達成しました。

相模屋食料株式会社
http://sagamiya-kk.co.jp/

相模屋おとうふShop
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