まるでおろし立て。静岡県産わさびの「おろし本わさび」と、あられのサクサク食感に鰹節と海苔の風味が調和する「わさびふりかけ」

2026/05/26

鼻に抜ける爽やかな香りと、富士山の恵みを感じる清らかな味わい。そんな本格的なわさびの風味を、家庭の食卓で楽しめる一品があります。今回、編集長のアッキーが注目したのは、瑞々しい香りと爽やかな辛みが際立つ「おろし本わさび」と、40年以上愛され続ける「わさびふりかけ」です。チューブ一本、瓶一つに込められているのは、日本一のわさび処・静岡の誇りと、5年もの歳月をかけた情熱、そして厳選された素材たちのハーモニー。
その背景には、戦後から地域に根差し、清流・柿田川のほとりで伝統を守りながらも、常に「今の食卓」を見つめ続ける物語がありました。取材スタッフが、静岡県に本社を構える、カメヤ食品株式会社 代表取締役社長の亀谷泰一氏にお話を伺いました。

カメヤ食品株式会社 代表取締役社長の亀谷泰一氏

―まずは、御社の歩みについてお聞かせください。

亀谷 私の祖父が終戦直後の1947年、静岡県駿東郡清水町にて食品加工所を創業したのが始まりです。この地域は古くから米や麦、大豆などに麹菌を繁殖させた日本の伝統食材の製造が盛んでした。その地域性を活かし、当時は実家の地下にある蔵のような場所で、金山寺味噌をじっくり発酵させて作る「漬物屋」としてスタートしたのです。
その後、現会長である父の代に静岡みやげとして発売した「わさび茶漬け」が大ヒットし、それをきっかけにわさび加工品事業を突き詰めることになったのです。地元の素材を大切にしながら、一歩ずつ誠実に歩んできた歴史が、私たちの現在のものづくりの土台になっています。

金山寺味噌の製造販売として静岡にて創業し、現在は自社栽培のわさびと独自の加工技術を用いた
「わさび茶漬け」などの商品を展開しているカメヤ食品株式会社。

―社長ご自身は、幼い頃から家業を継ぐことを意識されていたのでしょうか。

亀谷 実は子どもの頃、工場の匂いに苦手意識があり、継ぐことは考えていませんでした。そのため、大学卒業後はアメリカへ渡り、ポートランドで3年ほど過ごしていたのですが、次第に「自分がやらなければ」という思いが芽生えてきました。帰国後は、小売の最前線を知るためにセブン-イレブン・ジャパンに入社し、静岡県内の店舗で店長などを務めました。そこでの経験はきわめて大きく、徹底的な「顧客目線」や、商品の陳列、販促のあり方など、現在の経営に直結する学びが多くありました。その後、父の言葉に導かれるようにして家業に戻り、3代目として「わさびの魅力を世界へ広める」という決意を固めたのです。

―主力商品の一つである「おろし本わさび」は、どのようなきっかけで誕生したのですか。

亀谷 もともとは観光地でおみやげ用として冷蔵販売していた商品でした。それを購入されたお客さまから「あの味が忘れられない。地元でも手軽に買いたい」という要望を数多くいただいたのがきっかけです。当時は本わさびのおいしさを保ったまま常温で流通させることは、技術的に非常に高い壁がありました。しかし、開発スタッフたちは「できない」とは言わずに、5年という歳月をかけて試行錯誤を繰り返しました。
品質を安定させつつ、本わさび本来の香りを損なわないための挑戦を続け、ようやくトゲのない、瑞々しい風味のチューブタイプが完成したのです。

自宅で摺り下ろしたような風味を再現した、チューブタイプの「おろし本わさび」。

―こだわりについても教えてください。

亀谷 一番のこだわりは、やはり原料です。伊豆・天城産を中心に、厳選された静岡県産の本わさびだけを贅沢に使用しています。さらに、商品の命ともいえるのが水です。私たちの本社がある清水町には、日本三大清流の一つである「柿田川」が流れており、製造には富士山の伏流水を使用しています。この清らかな水が、わさびの気品ある香りを最大限に引き立ててくれるのです。また、熟練のスタッフがわさびの状態を見極め、新鮮なうちに素早く加工する丁寧な手仕事も欠かせません。最新の機器を導入しながらも、最後は人の感覚で品質を守り抜くことが、私たちの誇りです。

富士山の伏流水で育った本わさびを新鮮なうちに加工

―「おろし本わさび」を、よりおいしく楽しむためのアイデアはありますか。

亀谷 新鮮なお刺身を買ってきたときなどに、このわさびを添えるだけでおろし立てのような瑞々しい香りが専門店の味へと引き上げてくれます。蕎麦などの和食はもちろん、焼肉やステーキに添えるのもおすすめです。肉の脂の甘みをわさびの爽やかな辛みが引き立て、大人の味わいを楽しめます。ネットが普及する以前から「どこで買えるのか」と電話でお問い合わせをいただくことが多かったこの味は、一度食べたら忘れられない本物のおいしさだと自負しています。

お刺身に添えるだけで、すりたてのような香りが立ち上る。

―もう一つの看板商品である「わさびふりかけ」は、40年以上のロングセラーだそうですね。

亀谷 はい、おかげさまで多くの方に愛され続けています。この商品は、かつての観光ルートが変化し、客足が途絶えそうになったという窮地を乗り越えるために生まれました。他社との絆から得たヒントを、カメヤ独自の味として昇華させ、スーパーなどの量販店向けに開発した「救世主」のような商品です。
静岡県産本わさびの鮮烈な辛みに加え、地元産の鰹節の旨味、厚みのある食感のために3種類以上の海苔をブレンドしています。さらに、サクサクとしたあられや卵を配合することで、ひと振りごとに変化する奥深い味わいを追求しました。

鰹節、海苔、サクサクとしたあられや卵粒を配合した、瓶入りの「わさびふりかけ」。

―炊きたてのご飯にかけるのが楽しみになります。海外でも人気があるとお聞きしました。

亀谷 炊き立てのご飯にかけると、熱い湯気によってわさびの香りが一気に解き放たれ、食欲をそそります。近年ではこの香りの良さが世界でも認められ、モンドセレクション金賞を受賞したほか、EU圏など海外にも輸出されています。海外では、パスタやピザ、ポキ丼の調味料として活用されるという、私たちにとっても新しい発見がありました。日本の伝統的な味わいが海を越え、世界中の人々を虜にしていることは、大きな誇りです。キッチンに常備しておきたくなる万能調味料として、これからもその魅力を伝えていきたいと考えています。

―最後に、未来へのビジョンについてお聞かせください。

亀谷 私たちのビジョンは、「地域一の漬物屋であり、世界一のわさび屋」を目指すことです。タバスコが世界中の家庭にあるように、世界中のどの冷蔵庫にも「わさび」が当たり前にある風景を作りたい。それが私の大きな夢です。地域の食文化を守り、富士山の恵みである豊かな素材を次世代へと繋いでいく使命感を持って、これからも挑戦を続けます。また、長く勤めてくれているベテランから若い世代まで、社員全員がカメヤで働いてよかったと思えるような、温かな会社を共に創り上げていきたいと考えています。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「おろし本わさび 42g」
価格:¥302(税込)
店名:カメヤオンラインショップ
電話:0120-36-9981 (9:00~17:00 ※土日祝日を除く)
商品URL:https://www.kameya-foods.shop/view/item/000000000038
オンラインショップ:https://www.kameya-foods.shop/

「わさびふりかけ 48g」
価格:¥378(税込)
店名:カメヤオンラインショップ
電話:0120-36-9981 (9:00~17:00 ※土日祝日を除く)
商品URL:https://www.kameya-foods.shop/view/item/000000000103
オンラインショップ:https://www.kameya-foods.shop/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

亀谷泰一(カメヤ食品株式会社 代表取締役社長)
1963年静岡県生まれ。武蔵大学卒業後、米国オレゴン州ポートランドにあるLewis & Clark Collegeを卒業。その後株式会社セブン‐イレブン・ジャパンに入社し、2年の修業期間を経て1992年にカメヤ食品へ入社。2011年3月に同社代表取締役社長に就任。2012年より農業生産法人カメヤ農園にて自園わさび沢(現在伊豆半島にて6つの圃場)を運営し、6次産業化にも積極的に取り組んでいる。

<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/カメヤ食品>

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