
一度は途絶えた鳥取産はとむぎを100%使用。熟練の焙煎技術が引き出す澄んだ香り「鳥取はとむぎ茶」
2026/02/25
今回、編集長のアッキーが注目したのは、「鳥取はとむぎ茶」です。封を切った瞬間に広がるのは、どこか懐かしく、驚くほど澄んだ香ばしさ。職人の経験に基づいた絶妙な焙煎技術が生み出すその香りと味わいは、一度飲むと他には戻れないほどの力強さと優しさを持っています。
その背景にあるのは、一度は途絶えてしまった地元・鳥取産はとむぎの栽培を復活させ、農家と歩んできた親子の情熱的な物語です。取材スタッフが、鳥取県に本社を構える、株式会社ゼンヤクノー 代表取締役の森下慎太郎氏にお話を伺いました。
―まずは、御社の歩みについて教えてください。
森下 1947年、戦後間もない鳥取で、私の祖父がカモミールなどの薬草栽培を始めたのが原点です。当時は農業の立場が弱く、丹精込めて育てた作物も正当な評価や価格で取引されない現状がありました。そこで、栽培から加工まで一貫して手掛けることで農家の付加価値を高め、人々の健康に寄与することを目指して健康茶メーカーへと発展してきたのです。「身土不二(しんどふじ)」、すなわちその土地のものを食べることで健康を守るという精神を大切に、70余年を経た今も社名に刻まれた「薬草の能力(薬能)」を最大限に引き出す姿勢は変わらずに持ち続けています。

1947年、戦後の鳥取で祖父が始めた薬草栽培が、すべての原点。
―社長ご自身は、どのような道のりを経て家業を継がれたのでしょうか。
森下 大学卒業後はあえて家業にはすぐ入らず、東京にあるOA機器の販売代理店に勤務しました。当時は、他社との差別化が難しい汎用的な商品を扱う中で、価格以外の付加価値をいかにお伝えするかという課題に向き合い、厳しい新規開拓の現場で経験を積みました。相手の立場に立つ視点を徹底的に叩き込まれたことは、今の私にとって大きな財産になっています。2010年、27歳で帰郷しましたが、当初は農家の方々から見れば「よそ者」のような存在でした。しかし、営業時代に培った粘り強さで、一軒一軒の農家さんのもとへ10年もの間足を運び続けたことで、ようやく真の信頼関係を築くことができたと考えています。
―「鳥取はとむぎ茶」の誕生には、どのような経緯があったのですか。
森下 実は、かつて鳥取で盛んだったはとむぎ栽培は、一度完全に途絶えてしまったことがあります。栽培の手間や安価な輸入原料の台頭により、効率化を優先する時代のなかで、栽培を続けることが困難になったためです。そんな状況から、2代目である父の「地元の素材で本物を作りたい」という強い思いが、行政やJAを動かして産地復活への道を切り拓きました。種を配るところから始まり、一軒一軒の農家を説得して回った20年前の地道な努力が今の礎となっています。ゼロから産地を作り直したことで、生産者の顔がすべて見える「究極のトレーサビリティ」を実現することができました。一杯のお茶が、鳥取の美しい田園風景を次世代へつなぐ希望の光となっていることは、私たちの誇りです。



一度は途絶えたはとむぎ栽培を復活させ、鳥取産はとむぎ100%を実現。
―製造工程や品質管理でのこだわりを教えてください。
森下 原料となる鳥取県産はとむぎは、農家が安心して栽培に専念できるよう全量を買い取る契約を結んでいます。最もエネルギーに満ちた発芽促進させた状態で加工する贅沢な仕様で、職人の勘が試される焙煎工程では「焦げる手前」の絶妙なタイミングまで火を入れます。これによって、えぐみのない深い香りを引き出しているのです。また、国際規格「FSSC22000」を取得し、徹底した衛生管理を維持し続けています。コストがかかっても最高水準の安全を優先するのは、お客さまを不安にさせないというメーカーとしての覚悟でもあります。

最もエネルギーに満ちた「発芽促進」させた状態で加工する、贅沢な製法。
―どのようなシーンでこのお茶を楽しんでほしいですか?
森下 ノンカフェインで癖がないため、朝の目覚めから寝る前のリラックスタイムまで、小さなお子さまやご年配の方も安心して楽しんでいただけます。煮出すことで、はとむぎ本来の甘みと香ばしさがしっかりと感じられる設計になっています。脂っこい食事の後はもちろん、和菓子や洋菓子とも相性が良い、雑味のないクリアな後味が特徴です。毎日飲むものだからこそ、飽きのこない「素朴で上質な日常着」のような飲み心地を感じていただければうれしいですね。

封を切った瞬間に広がる、驚くほど澄んだ香ばしさ。
雑味のないクリアな後味は、素材そのものの力が活きている証拠。
―すでに多くの場所で選ばれているロングセラー商品だそうですね。
森下 おかげさまで、都内の有名百貨店や、食の安全にこだわる自然派食品の店などで長年採用され続けています。鳥取県外のユーザーからも「この香ばしさは他では味わえない」と指名買いをいただくことも多く、年間販売数が10万個に及ぶロングセラーとなりました。物産展でも、一度試飲された方がその香りの強さに驚いて購入してくださるなど、確かな手応えを感じています。プロから長年支持され続けているという事実が、私たちの品質に対する何よりの証明だと考えています。
―最後に、今後の展望をお聞かせください。
森下 お茶を売り続けることで農家の皆さんの生活を支え、地方の耕作放棄地を減らしていくという社会的使命を全うしたいと考えています。鳥取から全国、そして世界へ。「身土不二」の教えを現代のライフスタイルに合わせて発信し続けることで、農家、製造者、および消費者の皆さんが「健康」というキーワードで一本の線でつながる豊かな未来を創造していきたいですね。一杯の鳥取はとむぎ茶を通じて、日本のふるさとの風景を守る一助となれたらこれ以上の喜びはありません。
―素敵なお話をありがとうございました!

「鳥取はとむぎ茶 24袋」
価格:¥572(税込)
店名:株式会社ゼンヤクノー
電話:0857-28-2521(9:00~17:00 土日、祝日を除く)
商品URL:https://zenyakuno.jp/item/%e9%b3%a5%e5%8f%96%e3%81%af%e3%81%a8%e3%82%80%e3%81%8e%e8%8c%b624p%e7%94%a3%e5%9c%b0%e9%99%90%e5%ae%9a/
オンラインショップ:https://zenyakuno.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
森下慎太郎(株式会社ゼンヤクノー 代表取締役)
1983年鳥取県生まれ。関西の大学を卒業後、事務機販売代理店に勤務し営業職を経験。2010年にゼンヤクノーに入社し、2014年に同社代表取締役に就任した。国産はとむぎをはじめ、国産原料の普及活動にも注力し、農家と二人三脚でものづくりを続けている。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/ゼンヤクノー>




























