函館の老舗洋食店の味をおうちで味わう!「五島軒函館カレー」と「函館五島軒缶詰セット」

2025/09/26

今回、編集長のアッキーが注目したのは「道内5年連続売上1位! 五島軒函館カレー」と「函館五島軒缶詰5缶セット」です。140年以上の歴史を誇る函館の老舗洋食店、五島軒。その伝統の味は、レストランだけでなく、レトルトや缶詰としても全国の食卓で楽しまれています。その魅力と商品に込められた想いを、株式会社五島軒 代表取締役社長の若山豪氏に取材スタッフが伺いました。

株式会社五島軒 代表取締役社長の若山豪氏

―創業146年という大変長い歴史をお持ちです。どのような経緯で始まったのでしょうか?

若山 創業は1879年です。初代料理長の五島英吉は、もともと長崎で幕府に仕える武士でした。戊辰戦争の際、旧幕府軍の通訳として土方歳三らと共に函館まで来ましたが、五稜郭での戦いに敗れた後は、追われる身となります。
五島はロシア領事館に逃げ込み、そこで匿ってもらう代わりに下働きとしてロシア料理を学びました。10年後に領事館を出て、私の先祖である若山惣太郎と出会い、「五島軒」を開いたのが始まりです。

―まさに歴史の教科書のようなお話ですね。そこからどのようにして、現在のような全国に商品を届ける食品製造業へ転換していったのでしょうか?

若山 初代料理長はロシア領事館で料理を学んだため、創業当初はロシア料理とパンのお店としてスタートしました。帝国ホテルで修業を積んだ2代目料理長の時代は、フランス料理や洋食を中心に提供していたそうです。

昭和の時代には、結婚式場としても年間250組以上にご利用いただくほど繁盛していました。その後、昭和の終わり頃から人口が減り始め、平成の30年間で結婚式は10組ほどと需要が落ち込んだことをきっかけに、食品製造業へと舵を切ったのです。
料理人が工場長になるなど、会社としても大きな転換でしたが、その変化に対応できたことが、私たちが生き残れた理由だと考えています。

北海道初の有形文化財にも指定されている、「五島軒本店・レストラン雪河亭」。
レストランでは、コース料理や本格的な洋食が楽しめる。

―社長ご自身は、一度別の企業に就職されたのですね。

若山 家業を継ぐつもりはあまりなく、大学は文学部で哲学を専攻し、卒業後は全国規模の大手物流企業に就職しました。大きな会社だったからこそ、経営トップの考えと現場の状況に乖離が生まれることがあるという教訓を得ました。これは、私の社長としての考え方に大きな影響を与えています。

―就任後、大切にしていることはありますか?

若山 「とにかく動くこと」を信条にしています。当社は歴史が長いこともあり、新しい挑戦よりも、現状維持を優先する傾向がありました。
しかし、それではお客様を驚かせ、興味を持ち続けてもらうことは難しいと思います。これからは、創業当初から大切にしてきた歴史を、積極的に発信していきたいと考えています。

初代料理長が幕府の侍だったという話も、言わなければ誰も知り得ません。誰にも知られないままでいるのではなく、知っていただき、その歴史とともに楽しんでいただく。それがこれからの老舗の在り方ではないかと思っています。

―ではまず、今回ご紹介いただく「五島軒函館カレー」について、こだわりを教えてください。

若山 一番こだわっているのは、工場でもレストランの厨房と全く同じ製法を続けていることです。工場を建てた30年前、初代工場長となった料理長は、それまで寸胴鍋で作っていたやり方を、そのまま工場の巨大な釜で再現しようとしました。

毎朝、牛骨と牛すね肉を煮込んでブイヨンを取り、そこに炒めた玉ねぎやバター、小麦粉を加えていく。非常に手間がかかり非効率ですが、この「フレンチの基本」に忠実な作り方こそが、五島軒の味の根幹です。

今も30年前と全く同じことをやっていますが、大手食品メーカーの工場の方から「今どき、毎朝牛骨からブイヨンを取っている工場はほとんどない」と驚かれたこともあります。

こだわりの製法で、レストランの味を再現。

―ロングセラー商品の「五島軒函館カレー」ですが、最近初めてリニューアルされたとお聞きしました。きっかけは何だったのでしょうか?

若山 実は、地元の高校生とのSDGsの授業がきっかけでした。生徒たちから「地球温暖化で危機にある函館の昆布を守りたい」という提案があったのです。そこで、カレーのベースとなるブイヨンを、従来の牛骨から昆布出汁に変えてみてはどうか、というアイデアが生まれました。試食会では、40人中35人が「昆布出汁の方がおいしい」と答えたのです。これには、30年間牛骨でやってきた工場長も驚いていましたね。

―高校生のアイデアが、伝統の味を進化させたのですね。

若山 このリニューアルによって、年間100万食出荷される「五島軒函館カレー」に、地元の昆布が使われることになりました。昆布漁師さんたちも「自分たちが獲った昆布が、あのカレーに入っているんだ」と喜んでくれています。企業と地元の高校が手を取り合ったこの取り組みで地域貢献が実現し、名実ともに「函館のカレー」になりました。

―缶詰セット商品も、直近リニューアルされたとのことですが、詳しく教えていただけますか?

若山 長年、お客様から「缶切りがないと開けられないのが手間になっている」というお声をいただいており、数年前に開けやすい小さなサイズの缶詰に変えたという経緯があります。しかし、小さな缶では大きな具材を入れられず、五島軒ならではの贅沢感を表現しきれないというジレンマがありました。

そこで今回、技術的な課題を乗り越え、たっぷり2人前の大きな缶を、プルトップ(タブ)で開けられるように改良しました。 これにより、五島軒ならではの大きな具材がごろっと入った、贅沢な味わいを手軽にお楽しみいただけます。

この商品は、レトルトの手軽さとは一線を画す、ギフトにも最適な「ごちそう」としての缶詰を目指しています。レストランでしか味わえなかったような、大きな肉の塊が入ったシチューや、手作業でしか詰められない特別な具材を使ったカレーなど、ラグジュアリーなラインナップを今後も展開していく予定です。140年以上受け継がれてきた伝統の味を、最高の形でご家庭にお届けします。

大きな具材がたっぷり。まるでレストランで食べるような一皿が家庭でも。
缶詰セットでは、イギリス風カレー、フランス風カレー、インド風カレー、パンプキンポタージュが味わえる。

―最後に、今後の展望をお聞かせください。

若山 函館は、土方歳三をはじめとする歴史上の人物と関わりが多い土地です。五島軒もまた歴史と深く関わっています。創業から140年以上続くからこそ、こうした歴史との深いつながりを単なる記録としてではなく、お客様に「体感」していただくことを何よりも大切にしています。

例えば、登録有形文化財である本店の建物そのものを活かし、カフェテラスや由緒ある会場で、その場の雰囲気や歴史の重みを肌で感じていただけるような空間づくりを心がけております。

また、館内のギャラリーで資料をご覧いただいたり、ブイヨンやビーフシチューといった歴史あるレシピや調理法を継承したメニューを味わっていただいたりすることも、歴史に触れる体験の一つです。

今後はさらに、ガイドツアーや食文化体験といった参加型のプログラムを充実させ、スタッフ自らが店舗をご案内することで、歴史の語り部のような役割も担っていきたいと考えています。これからも、五島軒の歴史を「知る」だけでなく、「感じて、楽しんで」いただけるような工夫を重ねてまいります。

―素晴らしいお話をありがとうございました!

「道内5年連続売上1位! 五島軒函館カレー【中辛・ポークカレー】」
価格:¥486(税込)
店名:五島軒
電話:0138-49-8866(9:00~18:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://gotoken-shop.jp/SHOP/109115.html
オンラインショップ:https://gotoken-shop.jp/

「函館五島軒缶詰5缶セット[GKT-30S]」
価格:¥4,428(税込)
店名:五島軒
電話:0138-49-8866(9:00~18:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://gotoken-shop.jp/SHOP/108578.html
オンラインショップ:https://gotoken-shop.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

若山豪(株式会社五島軒 代表取締役社長)
1983年生まれ、函館市出身。東洋大学文学部哲学科を卒業後、大手物流企業に就職。5年間の勤務を経て2011年に株式会社五島軒へ入社。製造企画開発室長、取締役事業部長、専務を歴任する。コロナ禍での経営効率化などが評価され、2021年8月に5代目代表取締役に就任。歴史を尊重しつつ、アニメコラボやSNSでの発信など、新たな挑戦を続けている。

<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/五島軒>

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