
脂がのって、身はホクホク!干物のおいしさに目覚める「シマほっけ開干」
2025/06/17
今回、編集長アッキーが気になったのは、千葉の老舗の干物です。商品を製造・販売している株式会社ショウマル下谷 代表取締役の下谷訓彦氏に商品の人気の秘密を取材陣が伺いました。
―創業についてお聞かせください。
下谷 千葉県銚子市犬吠埼灯台の近くで祖父の代から90年の間、魚干物を製造している会社です。さんま・鯖(文化干)・シマほっけ・真ほっけ・ツボ鯛・赤魚が当社自慢の商品です。大手企業とのお取引も多く、百貨店やスーパーでも販売されています。2000年に法人化し、株式会社ショウマル下谷となり、2010年に先代の父から会社を譲り受けて代表取締役に就任、現在に至ります。

自慢の大きなシマほっけ。
―もともと家業を継ぐ前提だったのでしょうか?
下谷 父からはサラリーマンになるのも家業を継ぐのも私の好きにしていいと言われていました。ただ、家業があるのに他のところに目を向けるのもどうかと思い、学校を出た後、東京築地の大都魚類株式会社に入社し、3年間修行をしました。見習いとして入社し、魚の目利きを一から仕込んでもらい、知識を吸収して家業に戻りました。
―魚の目利きをする際のポイントを教えてください。
下谷 魚によりますが、鮮度と脂の乗り具合、これが一番大事だと思います。脂があると思って買ったものを実際に試食して、自分のイメージに合っていたかどうかという経験を重ねていく。自分の目で見たものがどういうふうに仕上がるかを全部記録して積み上げてきました。その結果、「これはこういう風に脂が乗っている」「鮮度がいい」と評価できるようになりました。食べておいしいもの、お子さんが好んで食べてくれるもの、鮮度・脂の乗りがしっかりしたものを安定して供給できればと思っています。
―家業に入られてご苦労はございましたか?
下谷 40年前は200社近くの同業者がありましたが、今は30社くらいにまで減っています。地元の先輩、同業者の先輩に教えていただく機会も少なくなってしまっています。後継者不足と、やはりデフレで苦しい業界ですが、負けてられない、何くそという思いでやってきました。自分が会社を潰すわけにはいかないという気持ちもありました。コロナ前からネット通販をやろうという話は社内で上がっていましたが、準備不足で非常に厳しい思いをしました。通販を本格的に始めたのは昨年からです。
銚子は日本一のイワシの水揚げ漁港ですが、最近は気候変動が激しい中で原料が安定しないのが気になります。原料確保という点では、いい魚が揚がっている時に1年分まとめて購入し、自社の冷蔵庫に確保するようにしています。

おまかせ特盛などの商品も扱っている。
―今回ご紹介する「シマほっけ開干」の特徴やこだわりについて教えてください。
下谷 サイズがとても大きく、大皿でやっと収まるほどです。脂がのって、身はホクホクで柔らかく、子どもの一口サイズにも分けられるくらいほぐしやすいのが特徴です。お客様からも『普段魚を食べない子が、このシマほっけならパクパク食べた』という大変嬉しいお声をいただくほどです。
その時その時の魚の質、脂の乗り具合、大きさを見極めて、使う塩の量、秘伝のタレに漬け込む時間を考えて作っています。魚の目利きができることが前提のスキルですが、「ショウマルの魚はこういう魚だ」という特徴が出てくるんです。それがお客様の評価につながっていると思います。

大きくても食べ出すと止まらず、ごはんが進むおいしさ。
―干物のおいしい食べ方を教えてください。
下谷 冷凍でお送りしますが、食べたい分ずつ自然解凍をしてください。電子レンジで解凍すると、本来の焼き味を損ねてしまいます。焼くときは炭火七輪、ガスグリル、フライパンなどで、皮目をよく焼いてください。残った干物はおにぎりやお茶漬、チャーハンの具にするのもおすすめです。
―今後のビジョンをお聞かせください。
下谷 日本の魚は世界に誇れるものですので、これからは輸出にも挑戦ができればと思います。ただ、その前に準備することもたくさんありますし、後継者や従業員スタッフの確保もこれからは課題になってくると思います。でもそれを乗り越えて、今までやってきた味を残したい、干物のおいしさを知ってもらってお客様に喜んでいただきたいと思っています。
最近は小さなお子さんの魚離れが進んでいるので、お子さんが喜んで食べる、そういう魚ができればいいなと思って取り組んでいます。特に新しい魚種ではなく、従来のサンマやホッケなど、誰もが知っている魚をお子さんに好んで食べてもらえるといいですね。
また、銚子市のふるさと納税に協力させてもらっていますので、こちらからもぜひ食べていただければうれしいです。
―貴重なお話をありがとうございました。

「シマほっけ開干」(右から2番目)
価格:¥1,520(税込)
店名:ショウマル下谷
電話:0479-23-4569(9:00~17:00 水日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shomaru-shitaya.co.jp/products/detail/5
オンラインショップ:https://shomaru-shitaya.co.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
下谷訓彦(株式会社ショウマル下谷 代表取締役)
1962年千葉県生まれ。1981年大都魚類株式会社に入社し、3年の修業期間を経て、1984年に家業を継ぐため退社。2000年に法人化し、2010年代表取締役に就任。新商品開発に注力している。
<文/垣内栄 MC/藤井ちあき 画像協力/ショウマル下谷>