
食卓にあの古都の建物が!職人泣かせのこだわりと大人の遊び心が詰まった磁器の重箱「KINKAKU」
2026/01/29
「便利」なだけじゃ物足りない。大人の毎日に必要なのは、くすっと笑えるような「遊び心」なのかもしれません。今回、編集長のアッキーが注目したのは、見るだけで思わず二度見してしまう、強烈なインパクトの重箱「KINKAKU」と、気合の入った招き猫「来いや猫」です。テーブルにオブジェのように佇むお重に、赤いタオルを首に巻いて気合を入れる「猫」。どちらも、ただ面白いだけでなく、伝統工芸の職人が本気で作った一級品です。
その背景には、「便利なだけではつまらない。もっと暮らしに驚きと感動を」という、ある企業の熱い思いがありました。取材スタッフが、東京都に本社を構える、株式会社ベニヤ 取締役の須崎博之氏にお話を伺いました。
―まずは、御社の歩みと大切にされていることについて教えてください。
須崎 インテリア雑貨・デザイン家電・家具などを扱うセレクトショップとしてスタートしました。「plywood(プライウッド)」などのショップを運営しているのですが、単に売れているものを並べるのではなく、「世の中にない面白いもの」「付加価値のあるもの」を見つけ出す独自の「目利き力」を大切にしてきました。
暮らしの「不便」を解消する商品も素晴らしいですが、それだけでは暮らしは面白くないと考えています。置いてあるだけでテンションが上がるようなもの。そんな「プロダクトアウト」の発想で、自分たちにしかできない商品開発にも力を入れています。

独自の目利き力で選ばれたアイテムを取り揃えたライフスタイルショップ「plywood」。
自社ECのほか楽天、ヤフー、アマゾンなどのECモールに出店。
―ご自身は、どのような経緯で現在のものづくりに参加されたのでしょうか。
須崎 私は以前、デザイン家電やインテリア雑貨を取り扱う会社に10年ほど在籍していました。一時期自分の力を試したいといろいろやってみたのですがコロナ禍にあって苦労し、現社長から「うちを手伝わないか」と声をかけてもらったのがきっかけです。
社長は「0から1を生み出す」発想力がとても優れていて、とにかく「面白いこと」が大好きなアイデアパーソン。対して私は、それをどう形にして世の中に届けるかを考える実務家タイプです。社長の「これ面白い!」という熱意を商品として成立させる。そんなコンビネーションで、日々新しい驚きを追求しています。
―今回ご紹介いただく「KINKAKU」は、金閣寺がモチーフという驚きのデザインです。誕生のきっかけを教えてください。
須崎 実はこのシリーズ、2016年に最初のモデルである「GOJU(五重塔)」が誕生したことから始まりました。当時、これもアイデアパーソンの社長が五重塔を眺めながら、これテーブルウエアにしたら面白いかも、とピンときて企画したそうです。
ただの置物ではなく、「すべてを無駄なく使える食器にする」という難題に挑み、構想にはなんと3年もの歳月がかかりました。現在は、今回ご紹介する「KINKAKU」に加え、原点である「GOJU」も美濃焼でのリニューアル復活に向けて鋭意開発中です。

波佐見焼の技術を結集した「KINKAKU」と、美濃焼で新たな息吹を吹き込まれる「GOJU」。
シャープな直線の美しさが特徴。
―3年もかかったとは驚きです。特にどのような点にこだわられたのでしょうか。
須崎 「KINKAKU」は、長崎県の伝統工芸である波佐見焼(はさみやき)で作られています。屋根を外したときに料理が次々と現れるようにどうしてもしたかったです。ですので、お重と屋根の積み重ね方にこだわりました。最もこだわったのは、陶磁器でありながら「歪みのない直線美」を実現することでした。屋根や台座、すべてのパーツをぴったりと積み上げるためには、わずかな歪みも許されません。
一方で焼き物は、サイズが大きくなればなるほど、焼成時に歪みやすくなります。特にこういった四角い形状をまっすぐに焼き上げるのは至難の業。「すべてを無駄なく使える食器にする」という企画のもと、窯元の職人さんとは何度も試行錯誤を繰り返しました。職人さんが本当に二人三脚で付き合ってくれて、「とにかくまっすぐに」という私たちの無理難題に応えてくれたおかげで、ようやく形になったんです。
現在開発中の「GOJU」も、美濃焼の職人さんと共に新たな「型」作りに苦心している最中です。産地を変えても変わらない「本気のものづくり」が、この品質を支えています。
―実際に使う時は、どのような楽しみ方がおすすめですか。
須崎 「KINKAKU」は分解すると、大きいお重2つと小さいお重、大小2つの角皿、小鉢、そして頂上の鳳凰は箸置きと、計7点の食器セットに早変わりします。
おすすめは、お正月や海外のお客様のおもてなしですね。親戚や友人が集まる席にこれを出せば、歓声とともに会話が弾むこと間違いなしです。また海外のお客様はここから料理が現れるだけで「Wow, that’s amazing!」と喜んでくれます。普段はインテリアとして飾り、ハレの日には食器として使う。そんな「二刀流」で楽しんでいただければと思います。

食卓にそびえ立つ「KINKAKU」は、分解すれば7点もの食器セットへと早変わり。
―海外でも評価されていると伺いました。
須崎 はい。海外の日本食レストランや、こだわりのおもてなしを提供する宿泊施設などで採用されています。
マニュアル通りではない、その宿ならではの「小さなおもてなし」や「サプライズ」を大切にされているプロの方々に選ばれています。料理の味だけでなく、お客様に「体験」を提供したいという思いに応えられるアイテムだと自負しています。
―もう一つの注目商品、「来いや猫」についても伺います。非常に力強い表情ですが、どのような思いが込められているのですか。

須崎 「世の中、なんとなく元気がないよね」という会話から生まれたのがこの猫です。ただ福を招くのを待つのではなく、自ら気合を入れて「来い!」と強引にでも引き寄せる。そんなポジティブなメッセージを込めました。
筋肉隆々な腕と脚、気合の入った表情。そのフォルムはまさにレスラーのよう。また、この絶妙な表情こそが、見る人に元気と笑いを与えるポイントです。炎は情熱や気合の表れですしね。

伝統的な瀬戸焼の職人が手描きした表情には、福を強引にでも引き寄せる気迫が宿っている。
―とてもユニークですが、作りは非常に本格的ですね。
須崎 そうなんです。産地は招き猫の本場、愛知県瀬戸市の「瀬戸焼」で、職人さんが一つひとつ手描きで絵付けをしています。
特にこだわったのは「手の角度」と「眉毛の力強さ」です。職人さんが嫌がるほど何度も試作を重ね、「もっと力強く!」「気合が足りない!」と修正をお願いしました。本体にこだわるなら座布団も薄いものではなく、しっかりとした厚みのあるものでないと、ということで座布団は福井県のメーカーさんで特注しています。大人が本気で遊んで作った、工芸品としてのクオリティには自信があります。

何度も修正を重ねた眉毛や手の角度は、見る者に活力を与える。
特注の分厚い座布団に鎮座する姿は、玄関やオフィスの守り神として頼もしい。
―どのようなシチュエーションで使っていただきたいですか。
須崎 玄関に置いていただくと、福を引き寄せるだけでなく出かける前の気合入れになったり、オフィスの受付や飲食店のレジ横に置いて話題づくりに使っていただいたりするのがおすすめです。「何これ!?」という会話から、人と人との繋がりという「福」を引き寄せてくれるはずです。ギフトとしても人気で、開店祝いや、元気づけたい方への贈り物に選ばれています。
―プロのバイヤーさんたちからの反応も面白いそうですね。
須崎 展示会などでは、店舗に採用していただくだけではなく、異なるテイストのお店のバイヤーさんが「うちのお店ではテイストがちょっと違うけど個人的に欲しい!」と言って買ってくださることがよくあります(笑)。また、由布院や京都などの観光地のおみやげ屋さんでも取り扱っていただいており、理屈抜きに人の心を掴む「愛らしさ」と「パワー」が、多くの方に支持されているのだと考えています。
―最後に、今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。
須崎 私たちはこれからも、「カテゴリー」にこだわらず、「面白い」と思ったことにはどんどん突き進んでいきたいと思っています。
効率化が進む世の中で、ビジネスをしていると、どうしても「売れているものやサービス」に目が行きがちです。それも必要ということは理解しつつ、あえて「一見無駄」や「遊び心」を大切にしていきたいです。お客様から「なんでこんなの作ったの?でもなんかいいね(笑)」と言われることが、私たちにとって最高の褒め言葉です。そんな私たちのものづくりを通して、皆様の暮らしに「これおもしろい!という喜び」「くすっと笑える心の豊かさ」「なにこれ!という驚き」をお届けできれば嬉しいですね。
―貴重なお話をありがとうございました。

「古都うつわ KINKAKU」
価格:¥46,200(税込、送料込)
店名:plywood
電話:03-5577-3320(10:00~18:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/plywood/31251001/?variantId=a31251001
オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/plywood/

「来いや猫 瀬戸焼 The Japanese Lucky Cat」
価格:¥6,930(税込、送料込)
店名:plywood
電話:03-5577-3320(10:00~18:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/plywood/31234016/
オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/plywood/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s Profile>
須崎博之(株式会社ベニヤ 取締役)
1975年4月埼玉県生まれ。2001年〜2010年までシステム関連やコミュニケーションに関するコンサルティングなどに従事。2010年10月よりデザイン家電やインテリア雑貨の製造小売り業に転身。2022年株式会社ベニヤに参画。2023年から同社取締役。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/ベニヤ>


























