今回編集長アッキーこと坂口明子が注目したのは、カンガルーのお肉「ルーミート」。ルーミートを販売するバセル株式会社の代表取締役 長友 信氏に取材陣がお話を伺いました。
アスリート御用達。メタボや生活習慣病に効果が期待できる、究極のジビエ「ルーミート」
2024/06/05
バセル株式会社 代表取締役 長友 信氏
―カンガルーのお肉・ルーミートを知ったきっかけは?
長友 1985年にオーストラリアのメルボルン大学が発表した論文があります。そこに、オーストラリアの先住民であるアボリジニに生活習慣病が少ないことについて、リサーチ結果が掲載されていました。それによると、伝統的な食文化にカギがあるとされていました。
つまり、アボリジニの食文化のひとつであるカンガルーの肉が、重要であるということがわかったんです。
カンガルー肉は赤身肉部門の「輝く星」と呼ばれ、
栄養面においてその素晴らしさは飛びぬけているという。
―ルーミートは生活習慣病予防効果が期待できるということでしょうか?
長友 生活習慣病と言われる糖尿病や高血圧、心臓病、アレルギー体質の方にもおすすめです。
カンガルーの肉は部位にかかわらず脂肪が2%以下、また野生で育っていますから、抗生物質や添加物が全く含まれておらず、コレステロール含有率も他のどの肉よりも低いんです。亜鉛と鉄分が高く、共役リノール酸については肉のなかで一番高く、ラム肉の5倍の含有量です。ちなみに、共役リノール酸というのは、アスリートやボディビルダーがサプリでよく摂取するような栄養素です。
そういった栄養面で良い面がたくさんあるうえに、世界で最もクリーンな肉でアレルゲンなどもありません。
―効率よくタンパク質を摂れるのですね。
長友 霜降りの牛肉などは200gも食べると満腹になってしまいますが、ルーミートなら300~500gほどは食べられ、安心して多くのタンパク質を摂ることができるのです。
さらに、糖尿病や心臓病などで肉食を制限されているなど、肉を諦めていた方でも安心してお召し上がりいただくことができます。
―日本ではまだ馴染みがないかもしれませんが?
長友 日本でのルーミートの歴史も1990年ごろから続いていて、案外長いです。最初は飲食店のシェフが使い始めて、外食から広がりました。でも、レストランで食べておいしさを知っても、スーパーでは扱っていないし、買えるところがありませんでした。その後、消費者の要望から、日本ではハイエンドのスーパーで扱われるようになりました。
扱いやすくパッケージされ、冷凍で購入することができる。
―具体的には、どんなお肉なのでしょうか?
長友 今、ジビエ料理がブームですが、ルーミートは究極のジビエと言えると思います。
カンガルーの捕獲には世界で一番厳しい規制があり、時間は夜のみでカンガルーに恐怖を与えない方法をとっています。そのため、硬直がなく肉は柔らかいままです。アニマルライトを重視する国ならではですね。
実は、オーストラリア政府はルーミートを世界に広げようとしています。というのも、自然環境が変化して天敵がいなくなり、繁殖力も増してしまったため、カンガルーが増えてしまったという事情があります。
―味の特長を教えてください。
長友 霜降りとかではないのに、とても柔らかくておいしいです。目隠しテストを行なったところ、松坂牛に、ステーキでは負けてしまいましたが、たたきでは勝る結果でした。
味は、グラスフェッドビーフのような風味があります。アミノ酸含有量が多いので、食べた後にうま味調味料のような風味を感じると思います。
筆者もローストビーフにして食してみた。
フィレは驚くほど柔らかく、ランプはやや歯応えあり。
肉自体にコクがあり、シンプルな味付けで満足感がある。
―調理は難しくないですか?
長友 いわゆる牛肉のフィレ肉と同じように扱うことができます。低温調理が理想で、ローストビーフにぴったりです。オリーブオイルが合うので、マリネして低温調理、表面を焼いて、レアかミディアムレアの状態でいただくのがおすすめです。
オリーブオイルと塩・コショウしてマリネしたのち、
60度ほどの湯で15分ほど低温調理。最後に少しフライパンで焦げ目をつければ完成。
長友 そのほか、弊社の公式サイトでは多くのシェフにオリジナルレシピを紹介していただいています。フィレカツなどもピッタリですね。脂肪がないので、冷めてもおいしいというのも特長です。
カツレツのほか、肉じゃが、
青椒肉絲といった挑戦しやすいレシピも公式サイトに掲載されている。
―おいしい健康食というのは嬉しいです。
長友 私自身もルーミートを食生活に取り入れることで、「薬いらず」で健康でいられているように感じます。体重の増加などもなく、後期高齢者近くなった今でも、ビーチバレーの選手として試合に出場することができています。
多くの日本人の方の食生活に取り入れていただき、少しでも元気に健康になっていただけたらと思っています。
―今後の展望についても教えてください。
長友 ルーミートを日本の食文化に組み入れてスキヤキやトンカツのように日本独自のルーミート食を開発し世界に発信することが最終目的です。そして私は海外での生活も長いのですが、人種差別はまだまだ残っていると感じます。オーストラリアでもアボリジニへの差別の歴史があります。ルーミートで出た利益の一部は、アボリジニの食文化を通してルーミートの存在を教えてくれた彼らに還元したいと考えています。
また、私自身がアマチュアアスリートである関係で、プロ・アマ限らずさまざまなスポーツに取り組んでいるアスリートの方々を応援するための企画も考えています。
―SDGsなお肉としても注目したいです。貴重なお話をありがとうございました。
「カンガルーストリップロイン」(サーロイン)
価格:¥3,900 参考価格(300~500g)
商品URL:https://wholemeat.jp/ja/collections/other-meats/products/kangaroo-striploin
「カンガルーランプ」
価格:¥3,900 参考価格(500~800g)
商品URL:https://wholemeat.jp/ja/collections/other-meats/products/kangaroo-rump
店名:Whole Meat(ホールミート)
電話:044-863-7308
定休日:
10:00-12:00, 13:00-17:00(土日祝を除く)
インターネットでのご注文は24時間365日受付
平日13時までのご注文で即日出荷!
オンラインショップ::https://wholemeat.jp/ja
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
長友 信(バセル株式会社 代表取締役)
1949年、鹿児島県生まれ。法政大学卒業後、米カリフォルニア州立大学ロングビーチ校に留学。帰国後、1980年にカリフォルニア州輸出促進委員会の委員に就任。主にカリフォルニアワインの市場開発を推進。1983年、第一企画子会社DAスポーツ(株)に取締役として参画し、テニストッププレーヤー日本招致のコーディネートを担当。1985年、オーストラリア・オランダの合弁会社バセル(株)に取締役として参画。1992年、同社代表取締役に就任、現在に至る。
<文・撮影/尾崎真佐子 MC/伊藤マヤ 画像協力/バセル>