手仕事の温もり。インドの「ガラスオブジェ」と「ザリ刺繍 動物キーホルダー」

2025/09/30

今回、編集長のアッキーが注目したのは、インドの職人技が光る「ガラスオブジェ」と、金や銀のコイル上のメタル糸を使用したインドの伝統刺繍で作った「ザリ刺繍 動物キーホルダー」です。個性的でありながら、どこか温かみを感じる雑貨は、日常に彩りを添えてくれます。その魅力の裏側にあるストーリーを、株式会社東京かんかんの代表取締役・小川弘氏と、次期社長であるご令嬢の野枝実氏に取材スタッフがお話を伺いました。

株式会社東京かんかん 代表取締役の小川弘氏

―まずは、会社の成り立ちについてお聞かせください。

 創業は1977年に遡ります。すべての始まりは、私が若い頃にバックパッカーとして世界を旅する中で、偶然出合ったアフリカンアートに深く感銘を受けたことでした。その力強さと独創性に一目惚れし、大きな仮面を一つ日本に持ち帰ったのです。そして、この素晴らしい芸術を日本に紹介したいという思いで商売を始めたのが、当社の原点です。

創業当時は、まだ日本にアフリカンアートというジャンル自体がほとんど知られておらず、まさにパイオニアとしてのスタート。最初は誰も見向きもしてくれませんでした。しかし、日常的な工芸品の中に美を見出す「民藝運動」創始した柳宗悦氏のご子息柳宗理氏が館長だったころの日本民藝館をはじめ、多くの方々とのご縁に恵まれました。そうした人の縁に助けられ、少しずつ日本にアフリカンアートが広まり、事業も拡大していったのです。今は東京を中心に16店舗とオンラインショップを展開しています。

どんなアイテムを揃えてらっしゃるのですか?

アフリカやインド、アジア各地に根付く素晴らしい手仕事の伝統を、現代のライフスタイルに融合させることを目指しています。店舗やオンラインショップでは、ユニークな商品を数多く取り揃えています。例えば、インドの職人が手染めした温かみのある柄のワンピース、現地の植物で編まれたバスケット、モロッコの刺繍が施されたカラフルなクッションカバーなどをご用意しています。

本格的な仮面や不思議なかたちの民具など、
アフリカンアートを取り揃えた「ギャラリーかんかん本店」(東京世田谷区代田)。
空間づくりのヒントと楽しい驚きを与えてくれる。

―お父様が設立された会社ですが、野枝実様は、いつ頃から家業を意識されるようになったのでしょうか。

野枝実 大学を卒業して数年、別の仕事をしていました。家業を継ぐことは全く考えていなかったのです。しかし、父が「後継者はいないが、このままなくすのはもったいない」と悩む姿を見て、考えが変わりました。幼い頃から身近にあったアフリカンアートや手仕事の魅力を埋もれさせたくない、という気持ちは私自身も持っていましたから。その気持ちに父の思いが重なり、「それならば」と事業を継ぐことを決意したのです。この素晴らしい世界観を守りたいという使命感が大きかったですね。

―今回ご紹介いただく「ガラスオブジェ」の特徴について教えてください。

 インドの職人が1点1点手作りしている吹きガラスのオブジェです。インドのガラス細工はリサイクルガラスを使うことが多いのですが、この商品は、透明度が高く、軽くて丈夫なガラスを使用しているのが特徴です。数人の職人しか作ることができない貴重なもので、型を使わず、パイナップルの粒のような細かい部分もすべて手作業で仕上げています。非常にアート性の高い商品です。

光を受けてきらめくガラスオブジェ。窓辺に飾るのもおすすめ。

ハンドメイドならではの吹きガラス細工。

―もう一つの人気商品「ザリ刺繍 動物キーホルダー」についても教えてください。

 こちらは、インドの伝統的な「ザリ刺繍」という技法を用いた、当社の長年の人気商品です。柔らかい通常の刺繍糸とは異なり、ハリのある金属製のモール糸やビーズを使い、一針一針手作業で縫い付けることで、きらびやかで立体的な刺繍を生み出します。動物たちのユニークな表情が人気で、バッグなどに付けると一気に華やかに。こちらもガラスオブジェと同様、職人の手仕事ならではの個性が光るアイテムで、多くのお客様に愛されています。

細やかなザリ刺繍が美しい動物キーホルダー

手仕事ならではのこまやかなビーズ刺しゅうは、まさにアートのよう。

キーホルダーは、バッグのアクセントにも。新作も続々と登場している。

―どれもユニークな商品ですね。こだわっていることがあれば教えて下さい

弘 「それぞれの個性を尊重する」ということです。私たちは、均一なものではなく、一つひとつ違う形や表情を持つ「個性」の中にこそ美しさがあると考えています。それは商品だけでなく、作り手や社員、お客様一人ひとりに対しても同じです。ユニークであることを恐れず、自分だけの「好き」を見つける喜びを、私たちの商品を通して感じていただけたらうれしいですね

野枝実 展示会も利用しますが、他社にはないユニークなものを探すため、私は年に何回か直接現地へ赴いています。街を歩いてローカルな情報を集めることを大切にしていて、今回ご紹介したガラス工房もそうして出会いました。職人さんたちは自分の技術に誇りを持ち、難しい要望にも「やってやろうじゃないか」と挑戦してくれます。そうした方々と和気あいあいと楽しみながらものづくりを進めています。

―若い世代にも魅力を伝えるため、新しい取り組みもされているそうですね。

野枝実 はい。父が大切にしてきたアフリカンアートの魅力を、もっと若い世代にキャッチーに伝えるため、「ブックカンカン」という冊子を作りました。西アフリカの少数民族ごとに異なるアートや文化を、国別の冊子で紹介しています。現地の雰囲気を味わえるよう、音楽が聴けるQRコードも付けました。ニッチな内容ですが、少しずつ若い方にも広まってきています。

―今後の展望についてお聞かせください。

 会社を始めた時から、中近東の骨董品やアジアの衣服など多岐にわたる商品に触れ続けていますが、たとえ技巧に優れていなくても、作り手の工夫や苦心の跡にこそ人の心を温かくする力があるのだと感じていました。手作業によって生み出された品や、今では作られなくなってしまった貴重な品が持つ「本物の価値」を伝え、人間がこんなにも素晴らしいものを作れるんだ、という感動を皆様に届けていきたいです。

野枝実 父の思いを引き継ぎ、私たちが培ってきたものの価値を丁寧に伝えていきたいです。今後は、アロマや肌に優しい素材の衣類など、心と体を「癒す」という視点での商品展開も充実させていきたいと考えています。ものづくりに妥協せず、お客様や取引先様といい関係を築きながら、私たちの伝えたいことを形にしていきたいです。

―素晴らしいお話をありがとうございました!

「ガラスオブジェ」
価格:¥2,640~(税込)
店名:KANKAN ONLINE SHOP
電話:03-5486-3123(10:00~18:00 ※土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:
https://www.kankan-online.jp/shop/shopbrand.html (ガラスオブジェ)
オンラインショップ:https://www.kankan-online.jp/

「ザリ刺繍 動物キーホルダー」
価格:¥2,970(税込)
店名:KANKAN ONLINE SHOP
電話:03-5486-3123(10:00~18:00 ※土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.kankan-online.jp/shop/shopbrand.html (ザリ刺繍 動物キーホルダー)
オンラインショップ:https://www.kankan-online.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

小川弘(株式会社東京かんかん 代表取締役)
1947年島根県生まれ。1976年東京芸術大学美術学部大学院ヴィジュアルデザイン科卒業。1977年に株式会社東京かんかんを設立し、代表取締役に就任。青山表参道にギャラリーを開設後、アフリカンアートのパイオニアとして日本の美術界に大きな影響を与える。世田谷美術館など数々の公的美術館での展覧会に参画し、アフリカ美術に関する著書も多数出版。日本のプリミティブアート界を牽引してきた。

<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井 ちあき 画像協力/東京かんかん>

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