今回、編集長アッキーが気になったのは、滋賀県のキムチ専門店「天平キムチ」。有限会社天平フーズ 代表取締役社長の池田昌弘氏に商品の人気の秘密を取材陣がうかがいました。

有限会社天平フーズ 代表取締役社長の池田昌弘氏

―お子様のときはどのようなご性格でしたしょうか？

池田　よく「ちょか（方言＝落ち着きのない子）」だと言われていました（笑）。常に外へ出て、いろんな遊びをしていた子供でした。両親がずっと仕事をしていましたので、1人でいろんなところへ出かけては、怖いもの知らずで出会う方々に話しかけたりして楽しさを見出していました。

天平キムチは植物性乳酸菌を含む発酵食品。
検査の結果、1gあたり32万個の乳酸菌を含んでいることがわかりました。
※2017年7月検査結果

―いつ頃から会社を継ぐことを意識されましたか？

池田　生まれたときからです。「お前が跡取りや」と言われながらずっと育ってきたので、自然と潜在意識にすり込まれておりました。ただ、中学生のときからファッションに興味があってり、ファッションに携わる仕事をやりたいという思いもありました。

大学卒業後には、カフェレストランに就職いたしましたが、ファッションや音楽業界に携わる方の出入りが多いお店でしたのでとても楽しかったです。そちらで約4年間働かせていただく中で、ホールを経て最終的にはマネージャーの仕事をさせていただきました。例えば、音楽のイベント企画や、婚礼のパーティープランナー、キャンドルナイト企画などもやっていました。アイデアを出すことが得意でした。

機械を使わず、手作業でひとつひとつ作り上げる。

―2011年に天平フーズにご入社されてからはどういうお仕事をされていたのでしょうか？

池田　最初の1年間は全国各地へキムチのイベント販売を行っておりました。2年目からは、催事販売をしながら営業を兼務しておりました。その後、2016年に営業本部長、2018年に専務を経てになって、2021年に代表取締役社長に就任いたしました。

―代表取締役社長にご就任されたとき、どのようなお気持ちでしたか。

池田　専務時代から現会長が決裁権を託して下さっておりましたので、社長に就任したことで特別、何かが大きく変化するという状況ではございませんでした。ですが、三代目のわたくしが会社に終止符を打つことにならぬよう、身の引き締まる思いは常にございます。その気持ちがあるからこそ、頑張っていけるとも思っております。

―座右の銘を教えてください。

池田　以前は「継続は力なり」でしたが、今は「初心忘るるべからず」です。何か大事な決断をする際には、社長に就任した当時の気持ちを忘れていないか、自問自答しております。人間は、良くも悪くも慣れが出てまいりますので、初心を忘れてはいけないと要所で気持ちを引き締めております。

―事業内容を教えてください。

池田　現在、5つの自社ブランド、天平キムチ、iroHa大福、emonomono、LetterCrape、焼き菓子専門店ファイを展開しており、主にイベント催事販売に特化したフランチャイズ運営をさせていただいております。また、弊社にはイベント催事販売ができる店舗様が日本全国に約25,000店舗ほどございます。様々なオリジナル商品をお持ちの会社 約500社様とも契約をさせていただいておりますので、自社ブランドを含めると、1か月に約3,000件のイベントの企画運営を行っております。

もともとは祖父が1957年に中華料理店「天平」を創業起業し、1982年に天平フーズを設立後、中華惣菜のイベント催事販売をスタートいたしました。百貨店、スーパーを中心に催事展開しておりましたが、売り場での実演販売（＝売り場にて火や包丁を魅せて販売すること）をすることが法律上、厳しくなっていきました。そんな中、2003年に韓国ドラマの火付け役“冬ソナ”が流行し、韓流ブームが起こり、キムチが非常に売れていたことに注目し、中華総菜を縮小し、一気にキムチ事業にシフトチェンジをいたしました。それがキムチ事業を始めたきっかけでございます。

販売商材は違いますが、先代が残してくれた販路は弊社の宝です。現在も、この販路を活かし、大福をはじめ、トレンドに合わせた新たなブランドを生み出しながら事業拡大に向けて常に挑戦をしております。

―社名の由来を教えてください。

池田　天下泰平という四字熟語からきています。「世の中が何事もなく無事に収まって平和であること」、「人材を育て、時代を通して新たに花開く基盤を作って、世が治まり穏やかとなるよう指し示す」という意味がございます。創業者がこの言葉の意味に感銘を受けて、時代は違えども、当社もこの”天下泰平”を願い、尊敬する意味を込めまして、一部拝借し「天平（てんぺい）」と名付けられたと聞いております。

―キムチのサブスク「キムスク」も面白いですね。

池田　2年前にスタートしました。当社のキムチは手作り製法で促す、植物性乳酸菌による自然発酵の力を活かし、時間とともに変化する味が特徴です。キムチは発酵食品であり、「世界5大栄養食品」にも認定されております。コロナ禍に健康を意識する人が増える中、当社としてもがお客様に対して、何ができるかを考えたとき、キムチを毎日身近に取り入れてもらえるツールがあれば！と思い、きむすく（＝サブスク）を取り入れさせていただきました。

現状、きむすく（＝サブスク）は新規のお客様より、顧客様からのご利用が多く、喜んでいただいております。

大根だけでなく、きゅうり、らっきょう、長芋のキムチも。

―人気ナンバーワンの白菜キムチのこだわりを教えてください。

池田　すべて手作りで製造しております。白菜は、半株ごとにまるごと使用します。下漬け（＝塩漬け）の際には、白菜の葉1枚1枚に塩を振り、脱塩後、今度は、葉っぱ1枚1枚にヤンニョム（薬味）を手作業で塗り込んでいきます。
天平キムチは、滋賀県高島市という自然豊かな環境にて製造しております。高島市の水は、比良山系の湧き水で美味しいことで知られていたり、澄んだ空気の環境も、美味しさの秘訣であると思っております。

また、野菜は時期によって美味しい地域が違うので、例えば、夏は茨城の白菜、冬は長野の白菜というふうに産地を選んでおります。冬場の大根は、地元「泰山寺」のものを起用しているのですが、積雪の多い地域ですので、雪下の大根はすごく甘みがあって美味しいのも特徴です。

ヤンニョム（薬味）は3種類の唐辛子をブレンドし、魚介のうまみや野菜、フルーツを入れております。素材の旨味を活かせるよう、オリジナルの配合で作ったヤンニョムは、天平キムチの味の要であり、命とも言えます。

腸内環境を整えるキムチは美と健康をサポート。

―どのくらいの時間をかけて発酵されているのでしょうか。

池田　保存温度によっても変わりますが、大体7日から2週間です。毎日発酵は進んでいるのですが、酸味が出てきたと感じるのが大体10日前後です。当社のキムチの特徴として、当日漬け込んだ今キムチを翌日お客様の元に届けております。漬けたての浅漬けの状態で届き、自然発酵の力による時間とともに変化する味を体験し、楽しんでいただければと思います。

―おすすめの食べ方、アレンジレシピを教えてください。

池田　個人的には、白菜で、卵かけごはんを巻いて食べることが好きです。また、そのまま焼いて白菜ステーキにするのもすごく美味しいです。

―「海苔キムチ」はどのような背景で開発に至ったのでしょうか？

池田　楽天市場主催の「楽天うまいもの大会」というイベントが毎年開催されているのですが、そちらに2018年出店の際に、「期間限定品」として作ったのが始まりです。予想以上のご好評をいただき、通常販売でのご要望をたくさんいただきましたので、商品化に至りました。海苔のキムチというインパクトに加え、一度食べたらやみつきになるという方が多く、リピートいただくことが多い商品です。

とろっとした舌ざわりとピリ辛の後味。

―最後に今後の夢や展望を教えてください。

池田　もともと何かを生み出したり、立ち上げたり、いわいる「ゼロイチ」好きで、得意なことでもあるので、天平ブランド10構想を掲げております。イベント事業だけでなく、テナントで新たなブランドを作る、アパレルで違うブランドを作るなど、食品以外のジャンルも視野に入れながら展開していきたいと考えています。

また、地元の高島市が過疎化傾向にあるので、地元を盛り上げるためにできることがないかと最近考えております。

社内ではもっとみんなが輝ける場を作りたいです。やりたいことを実行してもらって、どんどん失敗しながら、会社とともに一緒に成長していきたいと思っています。学びを得て、会社を通じてなりたい自分になってもらえれば一番いいのかなと思っております。

―貴重なお話をありがとうございました。

「白菜キムチ」（500g）
価格：¥1,404（税込）
店名：天平キムチ
電話：フリーダイヤル 0120-45-5225（10:00～17:00 土日祝除く）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://tenpeishop.com/?pid=93662235
オンラインショップ：https://tenpeishop.com/

「海苔キムチ」（200g）
価格：¥1,252（税込）
店名：天平キムチ
電話：フリーダイヤル 0120-45-5225（10:00～17:00 土日祝除く）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://tenpeishop.com/?pid=136609859
オンラインショップ：https://tenpeishop.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
池田昌弘（有限会社天平フーズ 代表取締役社長）

1985年滋賀県高島市生まれ。
大学卒業後、某カフェレストラン勤務を経て2011年有限会社天平フーズ入社。2021年に3代目として代表取締役就任。現在、約100チームのFCパートナーと共に全国の百貨店・駅・商業施設などでキムチやsweetsのイベント販売を展開。

＜文／垣内栄　MC／菊池美咲　画像協力／天平フーズ＞