日本の伝統食でありダイエットフードとしても人気のコンニャク。その原料コンニャクイモに含まれる食物繊維「グルコマンナン」を世界に先駆けて発見し、製品化したのが広島に本社を置く食品素材メーカーの清水化学株式会社です。最近では高純度グルコマンナンの精製技術を生かしたサステナブルな化粧品ブランド「Amalfi（アマルフィ）」を立ち上げ、「生スクラブ」をはじめ画期的なアイテムを送り出しています。今回編集長アッキーこと坂口明子が気になった代表取締役社長の清水隆介氏に、商品開発の経緯や商品の特徴、こだわり、思いなどを伺いました。

株式会社清水化学 代表取締役社長 清水隆介氏

―会社の沿革を教えていただけますか。

清水　前身は清水万蔵商店という会社で、約300年前からコンニャクイモやコンニャク粉の卸をしていました。コンニャク粉は昔から健康にいいとされてきた食材で、8代目の私の祖父は、1970年代に国内外の研究者や大学の先生方との共同研究でその本質が「グルコマンナン」であることを突き止め、その精製技術を開発して世界各国で特許を取得。その後、臨床研究を経て、約40年前に国内外でサプリメントの発売を始めました。更に、グルコマンナンの特徴を生かして食品加工原料のグレードを開発し、化粧品用、産業用と用途を拡大しています。

コンニャクイモ作りが盛んだった広島で1670年代に創業した同社。
現在は化粧品のほか、食品用、産業用などの原料、健康食品や機能性食品など、
健康的な食生活をサポートする製品作りを行っている。最近ではアミノ酸の一種である
ベータアラニン「CarnoSyn®」の日本国内総代理店として独自の商品開発も。

―化粧品分野へ注力されたのはいつ頃ですか。また「Amalfi」立ち上げの経緯は？

清水　80年代中頃、さまざまな商品開発を行う中で、化粧品にも応用したらどうかという話になり、これまで培ってきた基礎技術を活用し、今回の「うるおいジェルシート」の出発点となるスポンジや「生スクラブ」の元となる製品などを開発しました。その後、生分解性・植物性素材を活かした化粧品用途には素材としての供給のみ行っていたのですが、その極めて高い保湿性や環境負荷が低いという素材の特性を活かした品を、直接消費者の方に届けることができれば、製品の価値がより伝わるのではという考えは常に持っていました。そこから8種類の色と質感の「生スクラブ」製造のめどが立ち、ブランドを立ち上げることにいたしました。世界的に化粧品業界でサステナブル、エシカルへの意識が高まっているなか、当社の製品は植物由来、生分解性ということで、マイクロプラスチック代替にもつながることから、多くのご注目をいただいています。

美容やウエルネスへの関心が高い欧米で先行展開され、
高い評価を得ている「Amalfi」ブランド。
海外サポーターとの意見交換などを経て製品化されている。

ブランド名は、イタリアのアマルフィ海岸が由来。
人工物の少ない海岸線の美しさから“日本のアマルフィ”とも称される
しまなみ海道を擁するエリアが、同社の本社と国内工場の拠点。
写真は瀬戸内海国立公園に面した本社からの眺め。

―「生スクラブ」開発で苦労された点は？

清水　カラーバリエーションを作る段階で、着色の安定性や発色性を意識しつつも、本来の「生スクラブ」ならではのまろやかな肌当たりの調整にこだわりました。スクラブの質感にもかなりこだわっていて、水を含むと、ゼリー膜で覆われたような感触をもたらすスクラブ剤になります。水分を含んだ柔らかな部分で肌に潤いを与えながら角質や汚れなどを落とす働きは、従来のスクラブにない斬新な特徴だと注目されています。

―使用時に気を付ける点やおすすめの使い方は？

清水　水を含ませ、弾力性を持たせてからお使いください。水分の量で感触を調節できるので、その日のお肌コンディションに合わせ、洗顔料などと併用してお好みの感触を見つけていただければ。「生」という商品名が示す通り殺菌剤・保存料無添加なので、一度加水した後は冷蔵庫などで保存してください。

―どんな方におすすめですか。

清水　毎日使ってもお肌への負担がきわめて少ないため、ウォータープルーフの日焼け止めを落とすのにもおすすめです。舞台化粧に代表される濃いメイク、サッカー応援のフェイスペイントなどの洗顔にもご使用いただけます。また顔だけでなく、オーラルケアや角質ケアなどにもご利用いただけます。旅先でスペシャルケアを愉しみたいときにも、軽量かつコンパクトに持ち運びできるのでぴったりだと思います。
「コスパ（コストパフォーマンス）」や「タイパ（タイムパフォーマンス）」が求められる中、敢えてご自分の肌コンディションに向きあう時間をとり、セルフカスタマイズする手間をかける。そのぜいたくなビューティーケアのひとときを、本製品をご利用いただくことで、「環境」にも思いを馳せる時間にしていただけるとしたら、ブランドの目的の一つを皆様と共有できるように思います。

グルコマンナンの高い保水力を生かした「生スクラブ」。
約90パーセントもの水分を含むスクラブは、世界的にも珍しい。
色ごとに質感が異なる8種類のカラーバリエーションがあり、各色を混ぜて楽しんでも。

洗顔料などに膨らませたスクラブを混ぜて使用。
もちもちのゼリー粒が肌にやさしく吸着する感覚をもたらし、メイクや汚れをすっきり落とす。
使い残しは専用容器に蓋をして冷蔵庫で保管し、4～5日を目安に使い切るように。
洗顔・メイク落としのほか、歯磨き、食器洗い、ネイルリムーバー、
ハンドケア、頭皮ケアなど、これ1つでさまざまな用途に使える点もうれしい。

―「うるおいジェルシート」開発のきっかけは？

清水　以前からグルコマンナンの繊維をスポンジ状にする技術は確立しており、その中で用途に応じた形や大きさ、質感などを検討していたのが始まりです。素材の保湿力を生かした肌への感触の良さと扱いやすさを保ちつつ、何度も使えるものをということで、シート状に行きつきました。表面と裏面の質感にも違いがありますので、保湿をしたい方、汚れを取りたい方、それぞれのニーズに合わせて使っていただけます。

グルコマンナンの繊維から作られた100パーセント植物性の「うるおいジェルシート」。
ボディタオルや洗顔スポンジとして、水で柔らかくして使用。
ガーゼよりも格段にやさしくベビーモニター試験でも最高評価を得ている。

―とろみのある質感ですね。

清水　肌へのやさしさが一番重要なので、水を吸って柔らかい感触が得られます。また一定の耐久性があるため、繰り返しご使用いただけます。お客様からは肌のきめが整ってきた、化粧品やクレンジングを変えずに肌の質感が上がった、などうれしいお声をいただいています。

―おすすめの使い方は？

清水　自由度の高い形状なだけにライフスタイルに合わせて活用していただけたら。入浴時に柔らかくしてフェイシャルパックに使うこともできますし、暑い日は水で柔らかくしたものを冷蔵庫で冷やしておき、外から帰ったときにパックでリフレッシュする使い方もできます。ベビーのお肌にも好評なので、気の利いたプチギフトとしてもご活用いただけるかと思います。

ぷるぷるとした質感でやさしい使い心地のジェルシートは、
生分解性。肌を痛めにくいので、不安定な肌の人にもおすすめ。

使用後はきれいに洗って乾燥させれば、肌触りや質感を保ったまま繰り返し使うことができる。
生分解性のため、自然のメカニズムが交換時期の目安を教えてくれるともいえる。

―今後の展望を教えて下さい。

清水　「Amalfi」は直接消費者の方にお届けするブランドの核となるもので、サステナブル・ビューティーというコンセプトに関心のある方にお使いいただきたいと思っています。環境負荷を減らしつつも、スキンケアのクオリティーには妥協したくない方は多数いらっしゃいます。さまざまな場面で活用していただけるよう、増粘剤系のクリームや乳液にも広げていきたいですし、グルコマンナンで更に新しいタイプの価値の高い商品を提供していけたら。素材や原料から考えるという姿勢で、環境保全に貢献できればと思っています。

同社のアイテムは、保存料不使用、生分解性を備える植物由来など、
環境に配慮したシンプルな素材を使いつつ、しっかり肌をケアすることにこだわっている。

―本日は貴重なお話をありがとうございました！

「アマルフィ【生スクラブ 8種】 +【うるおいジェルシート】」
価格：¥3,720（税込）
店名：マンナンストア
電話：03-6433-9558（10:00～17:00 土日祝･ショップ指定休日を除く）
FAX：03-6433-9561
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://item.rakuten.co.jp/mannan-store/sc1jc1/
オンラインショップ：https://www.rakuten.ne.jp/gold/mannan-store/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
清水隆介（清水化学株式会社 代表取締役社長）

1977年広島県生まれ。2000年慶應義塾大学卒業後、シカゴ大学大学院留学、慶應義塾大学商学研究科博士課程単位取得。2013年常務取締役、2018年代表取締役社長に就任。広島経済同友会にて、ひとづくり委員会、交流・拡大委員会で活動中。

＜文／山本真由美　MC／和田英利　画像協力／清水化学＞