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新しいキモノの素材で 伝統の進化を楽しむ 「レディースジャージ ゼブラ」 「レディースデニム6.5OZ 三角・縞ボタン」

2022/11/21

今回、編集長アッキーが気になったのは、ジャージやデニム素材のキモノなど、新しいキモノのスタイルを提案する「JOTARO SAITO」。キモノ作家であり、株式会社三才・代表取締役社長の斉藤上太郎氏に、商品の魅力を取材陣が伺いました。

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株式会社三才 代表取締役社長の斉藤上太郎氏

―創業の経緯を教えてください。

斉藤 三才は1933年の創業で僕は3代目です。来年ちょうど創業90周年の節目を迎えます。僕のキモノのコレクションは「モダンで洋服感覚ですね」とよく言われますが、初代から京都でもへそ曲がりの染屋で、「ねずみ色を使わせたら京都一」と言われていました。当時から個性的でクリエイティブなものづくりをしていたんです。2代目は父親の斉藤三才で、初めてキモノと帯をセットで同じ柄で提案しました。それまでは染屋はキモノだけ、西陣は帯だけと、キモノの職人はパーツしか作ってこなかったんです。そのため、自分たちが作ったキモノにどんな帯が合わされているかはわかりませんでした。ですから父の提案は当時はセンセーショナルで、はじめて職人のなかからデザイナーが生まれました。時代の変化、美意識と価値観の変化を考えると必然的で、僕もスタイルを提案するという形で、新しいキモノを作って発信しています。

―小さい頃からあとを継ぐことは決めていらっしゃったのですか。

斉藤 自然な流れですが、他の道に進もうと思ったことはないです。20歳で入社し、当初は僕が作りたいキモノを提案しても理解してもらえるかどうか疑問があり、洋服のほうをやっていました。ジャージやデニムのキモノを作っているのは、そのときの経験が生きていると思います。27歳でキモノ作家としてデビューしましたが、若い人に着てもらえるファッションとして提案したいという思いがありました。

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デニムキモノ。濃いブルー生地に金茶ステッチ。

―デニムのキモノはどのようにして生まれたのでしょうか。

斉藤 デニム自体が元々インディゴだったり、藍染だったりするので、染め物のキモノと親和性があるのではないかという父の提案で生まれました。ただデニムの生地で作るだけではなく、デニムらしいダブルステッチやリベットなどを取り入れた、味があるデニムのキモノを目指しました。和装と洋装は仕立てが全然違うので、両方できる職人さんを探して作って発表するととても評判がよかったのです。その後、僕が商品化を進め、1997年に販売を開始しました。形はキモノでも生地がデニムだと若い人でも扱い方の想像がつきますし、洗濯もできます。それがヒットした理由だと思います。

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ボタンのシルエットに縞を重ねた「縞ボタン」。

―その後、ジャージのキモノも誕生しました。

斉藤 ジャージの生地でのキモノを提案したのも父親です。僕は安っぽく見えるのではないかと乗り気ではなかったのですが、作って着てみたらすごくラクで安っぽさもなく、新しいマーケットができると思いました。ジャージは洗いっぱなしで干してもすぐ乾きますし、シワにもならないので、海外でお召しになりたい方にもおすすめです。

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ジャージキモノ。マシュマロカラーのイエローでゼブラ柄もかわいい。

―伝統を進化させる中で大事にしていることを教えてください。

斉藤 美意識と価値観は時代とともに変わります。ひと昔前はピンクの花柄がかわいいと言われていましたが、今の若い子たちは蛇もトカゲの柄もかわいいと言います。伝統工芸はベースに職人の技術があって成り立つものですが、技術は当たり前にあって、そこで何を作るか、何を提案するかが、次の時代に残れるかを決めると思います。変わりゆく美意識と価値観に照らし合わせたモノづくりができるかということです。
僕の場合はコレクションで新作を発表して、そのスタイルが最新であるかどうかを検証していますが、そういう土俵に商品を持っていかないとだめです。僕がキモノのファッションショーで伝えたいのは、昭和の時代の衣装ではなくて、令和でキモノを着ることが最新だというメッセージです。工房では過去に使用した配色や図案を使用しないと代々継承されていて、変わり続けることがテーマでもあります。

―今の時代にキモノを着る魅力はどこにありますでしょうか。

斉藤 キモノを着ると、歩幅も違ってきますし、ふだん歩いている道も違って見えます。裾を整えてからでないと座れませんし、袖をおさえてモノを取るといった仕草も必要です。それが日本人特有のセクシーさに繋がったりして、周りからの見られ方も違ってきます。オンとオフの切り替えができ、和を楽しむ、自分たちのルーツを感じられるキモノですが、着てみないことには洋服との違いはわかりません。キモノを着ることで新たな発見があると思います。

―デニムは「縞ボタン」、ジャージは「ゼブラ」のデザインが印象的です。

斉藤 「縞ボタン」は2004年に作って以来、評判が良く、進化・アレンジしながら、JOTAROのアイコン的なデザインになりました。「ゼブラ」はワイルドにならず、上品に見えるのも特徴です。どちらも初心者のエントリーアイテムを目指したわけではなく、キモノ好きな人たちにとっておしゃれで面白いものを作ろうと考えたものです。遊び心がある商品でも、ブランドとして高級感が必須なのは、海外のハイブランドも同じですよね。

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グレーのラインやボタンも特徴。

―今後の展望をお聞かせください。

斉藤 最近はホテルやレストランのデザインにも関わっています。西陣織の生地を壁装材として壁一面に貼るのはアートとしてではなく構造物となり、プロダクトとしてのレギュレーションが必要です。そのレギュレーションをクリアし、且つ西陣織の工芸品として美しさを提供したのは三才が初めてです。工芸品は新しい形で次の時代に生かしていかなければなりせん。また、来年9月に新店舗ができますので、新しいキモノの世界に身近に触れていただければと思います。

―貴重なお話をありがとうございました。

三才_商品1

「レディースジャージ ゼブラ(イエロー×グレー)F」
価格:¥79,200(税込)
店名: JOTARO SAITO
電話:075-256-2011(10:00~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.jotaro.net/fs/kimono/w-jersey-kimono/W-JK0081
オンラインショップ: https://www.jotaro.net

三才_商品2

「レディースデニム6.5OZ 三角・縞ボタン(濃BU×金茶)F」
価格:¥118,800(税込)
店名: JOTARO SAITO
電話:075-256-2011(10:00~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.jotaro.net/fs/kimono/W-DK062
オンラインショップ: https://www.jotaro.net

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
直営店 JOTARO SAITO GINZA SIX店では、正絹などそのほかのお着物もお取り扱いしております。

<Guest’s profile>
斉藤上太郎(株式会社三才 代表取締役社長)
京都府出身。祖父に染色作家の故斉藤才三郎、父に現代キモノ作家・斉藤三才を持ち、近代染色作家の礎を築いてきた家系に生まれる。27歳の最年少でキモノ作家としてデビュー以来、現代空間にマッチするファッションとしてのキモノを追求。TVや雑誌などメディアにも頻繁に紹介され、日本を代表するキモノデザイナーとして活躍中。「和を楽しむライフスタイル」を提唱し、また、テキスタイル・アーティストとして、インテリアの制作まで多方面に才能を発揮している。

<取材/垣内栄 MC/石井みなみ 画像協力/三才>

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