
素麺の常識をおいしく裏切る。「むぎくらの麺」でもちもち、つるつる、一年中楽しむ新習慣。
2025/10/16
奈良・三輪の地で創業から約150年。小麦を知り尽くした「粉のプロ」が、伝統の素麺作りの先に、新たな麺の世界を切り拓きました。今回、編集長のアッキーが注目したのは「むぎくらの麺」です。もちもち、つるつる、ちゅるちゅる、とその日の気分で選べる3つの食感が一年中あなたの食卓を豊かにします。多くの人がまだ知らない「本物の麺のおいしさ」とは。その魅力のすべてを、取材スタッフが巽製粉株式会社 代表取締役社長の三宅泰德氏に伺いました。

巽製粉株式会社 代表取締役社長の三宅泰德氏
―まずは、御社のルーツについてお聞かせください。
三宅 創業は1877年(明治10年)です。奈良県桜井市を流れる初瀬川(はせがわ)の水力を利用した水車小屋での製粉業から始まりました。以来、約150年にわたり小麦と向き合い続け、「粉屋」として深い知見を培ってきました。「小麦のおいしさをもっと直接お客様に届けたい」という思いから事業を拡大。1973年(昭和48年)に素麺とパンの製造を始めました。その中で、伝統的な三輪素麺のブランドとして「麦坐(むぎくら)」が生まれました。この「三輪素麺」は国が品質を認めるGIマークにも登録されており、その伝統を今に受け継いでいます。


素麺発祥の地・三輪山の麓で、伝統の味を守り続ける。
―三宅社長は多彩なご経歴をお持ちだそうですね。
三宅 2019年に縁あってこの会社に入社しました。印刷会社に9年、パンの業界 で25年勤めた後、食品スーパー業界で5年間、韓国で仕事をするなど、さまざまな食の現場を経験してきました。入社して初めて、うちの三輪素麺を食べた時の「衝撃」が私の素麺屋としての原点です。正直、それまでは「素麺なんてどれも同じだろう」と思っていました。しかし、ひと手間をかけるだけで、麺のなめらかさや喉ごし、コシが全く違います。この「本物の麺のおいしさ」を、まだ知らない多くの人に伝えたいという思いが、今の私の原動力になっています。
―新しい挑戦である「むぎくらの麺」はどのようにして生まれたのでしょうか?
三宅 先ほどお話しした「三輪素麺」は、伝統を守るため 原材料や麺の太さなどの規格が、厳密に決められています。そのため、自由な太さや形状の麺を「三輪素麺」として作ることはできません。しかし、「この素晴らしい手延べの技術を使えば、もっと多様なおいしさを届けられるはずだ」という強い思いが社内にあり、そんな伝統のジレンマから生まれたのが、この「むぎくらの麺」です。「素麺」という言葉のイメージに縛られず、手延べ麺の可能性そのものを広げたい。その決意表明として、伝統のブランド名である漢字の「麦坐」とは区別し、あえてひらがなで「むぎくらの麺」と名付けられました。


全12工程の伝統製法で職人の手によって作られる、「素麺」でも「うどん」でもない、新しい手延べ麺。
―「むぎくらの麺」のこだわりについて教えてください。
三宅 約150年培ってきた粉屋としての知見を活かし、手延べ麺に合う、弊社が求める食感に麺が仕上がる小麦粉を求め何度も試作しました。結果、小麦の中心部分に近い部分を贅沢に使用した小麦粉を使用しています。茹で上がった麺が美しく輝くのはそのためです。また、主役である小麦の風味を最大限に引き出すため、小麦以外の素材にもこだわりました。海藻のうまみが凝縮したまろやかな「藻塩」。そして、酸化しにくくクセのない「国産こめ油」が、小麦本来の甘みと香りを静かに引き立てます。


麺に使う小麦粉、塩、油も厳選。
茹でるとつやつや輝き小麦が香るのは、こだわりの素材があってこそ。
―3種類の麺のそれぞれの特徴と、おすすめの楽しみ方を教えていただけますか?
三宅 その日の気分や料理に合わせて選べる、3つの個性豊かな食感をご用意しました。まず、断面が丸い「丸麺」はひやむぎくらいの太さで、もちっとした弾力が魅力です。温かい釜揚げにしても伸びにくいので、肌寒い日にもぴったりです。こだわりの麺幅と厚さの「平麺」は、つるっとした最高の喉ごしが楽しめます。夏のランチに、キリッと冷やして存分に味わっていただくのがおすすめです。そして、素麺を少し平たくしたような「細平麺」は、ちゅるちゅると軽やかにいただけます。1年を通して、さまざまなシーンで手延べ麺との新しい付き合い方を提案できればと思っています。



もちもちの「丸麺」(上)、つるつるの「平麺」(中央)、ちゅるちゅるの「細平麺」(下)。
食感の違いをお楽しみあれ。
―一方で、伝統の「麦坐 三輪素麺」も進化させていらっしゃいますね。
三宅 はい。「むぎくらの麺」が“革新”であれば、こちらは“深化”です。「安心して食べていただける、本当においしいものを」。その思いから、「麦坐 三輪素麺 国産原料限定使用」は生まれました。国産原料100%にこだわっています。主役の小麦だけでなく、塩、そして油に至るまで、すべて日本の大地が育んだ恵みを使用しています。

日本の恵みと受け継がれる技の結晶「麦坐 三輪素麺」。
―本当のおいしさを引き出す、一番のコツは何でしょうか?
三宅 これは私が声を大にして伝えたいことなのですが、「表示通りに時間を計って茹でること」、「流水でしっかりともみ洗いし、冷水できっちりと麺を締めること」です。規定通りに「ひと手間」をかけることで麺の表面のぬめりが取れ、麺が引き締まります。これが、驚くほどのコシと喉ごしを生み出すのです。ぜひ面倒くさがらずひと手間をかけて、ご家庭で本物の麺のおいしさを体験していただきたいです。
―最後に、今後の展望についてお聞かせください。
三宅 私たちは単に商品を売るだけではありません。「手延べ麺」という日本の素晴らしい食文化そのものを、未来に繋いでいきたいと考えています。まずは創業の地である奈良で、地域の人々の食卓に笑顔を届け、地元に愛され続ける企業でありたい。この一杯が、私たちの思いと共に、日本の食文化を応援する一歩になれば、これほど嬉しいことはありません。
―素晴らしいお話をありがとうございました!

「むぎくらの麺(丸麺・平麺・細平麺ギフト6袋セット)」
価格:¥3,402(税込)
店名:巽製粉株式会社
電話:0744-43-5788(9:00~17:00 ※土日祝・年末年始・夏季休業日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop.miwa-tatumi.co.jp/product/むぎくらの麺-丸麺-平麺-細平麺-ギフト6袋セット%E3%80%80tc-a/
オンラインショップ:https://shop.miwa-tatumi.co.jp/

「麦坐 三輪素麺(国産原料限定使用)」(50g×16束)
価格:¥3,240(税込)
店名:巽製粉株式会社
電話:0744-43-5788(9:00~17:00 ※土日祝・年末年始・夏季休業日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop.miwa-tatumi.co.jp/product/麦坐-三輪素麺国産原料限定使用-50gx16束%E3%80%80msk-30/
オンラインショップ:https://shop.miwa-tatumi.co.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
三宅泰德(巽製粉株式会社 代表取締役社長)
1955年東京生まれ。印刷会社に勤務の後、食品業界へ。大手製パン会社で25年、食品スーパーの業界で韓国に5年などを経て2019年3月に巽製粉株式会社入社。同年12月より現職。趣味はマラソン。奈良マラソン完走後に三輪素麺組合のブースで食べるカレーにゅうめんが最高という。手延べ麺の良さを全国に広げたいと画策中。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/藤井ちあき 画像協力/巽製粉>




























