
やさしい想いが詰まった北海道発のナチュラルシリアルで朝食をもっと豊かに
2025/07/03
朝食に登場すると嬉しいシリアル。近年はコーンフレークをはじめ、オートミールやグラノーラなど、さまざまなシリアルが市場に登場しています。今回、編集長アッキーこと坂口明子が気になったのは、美しいパッケージが目を引く北海道発のブランド「Feel&Green」の「からだ想う 大麦と五穀のグラノーラ」。北海道産の大麦をベースに、オーツ麦や玄米などの五穀がブレンドされた、栄養たっぷりの1品です。こだわりの商品作りについて、製造元の日本食品製造合資会社 代表社員の戸部謙ルイス氏に取材陣がお話を伺いました。

日本食品製造合資会社 代表社員の戸部謙ルイス氏
―御社の創業は1918年。日本で初めてシリアルを製造されました!
戸部 もともと北海道は米が育ちにくい土地です。そしてクラーク博士が来日されて以降、欧米文化が入り、米に代わる北海道特有の農産物を生み出していこうというムードが漂いました。会社の創業者である私の祖父は、1918年に会社を立ち上げた後、農産物をどう加工し、貯蔵、流通すればよいかを学ぶため、1925年にアメリカのデルモンテに向かいます。そして現地でスイートコーンの缶詰について学ぶのですが、そこでケロッグのコーンフレークが健康食品としてブームになっていることを知ったそうです。
北海道でも牛の飼料としてトウモロコシをどんどん栽培していたので、祖父は帰国後、スイートコーン缶詰とコーンフレーク、さらに発見したオートミールの3つを作ることにしました。ポテトチップスなど他にも興味深い発見があったようですが、祖父はヘルシーで日本の食生活に合うものを、と思ったようです。

欧米の食料品について研究を行っていた創業者の戸部佶(ただし)氏。

1929年に建てられた日本食品製造合資会社の工場。
―代表はメキシコ生まれなのですね。
戸部 はい。日本食品製造合資会社をスタートさせたのは父方で、母方の祖父母は長野からメキシコに移住しており、そこで母が生まれ、私が生まれました。血は日本人ですが、ルーツは日系メキシコ人です。母方の家族はアメリカ大陸に初めて醤油や梅干しを伝え、メキシコに梅干し文化を広めました。
私は会社を継ぐことについては、全く考えていませんでした。デザイン関係の仕事に就いてずっとフランスに住んでいましたし、祖父も父も、「継ぐ、継がないは自由」という考えを持っていました。それでも自分の意思で後を継ぐことにしたのは、100年以上前にコーンフレークやスイートコーン、ピクルス、トマトソースなどを作った会社は、今で言うベンチャー企業だと気づいたからです。今も弊社には、スタートアップ企業のような考え方でものづくりをしよう、という思いがあります。京都には京都の良さがあるように、北海道にも北海道らしい素晴らしいものがある。そのことを発信できる仕事に引かれました。そして2005年にMBA(経営学修士)を取得して日本に戻り、会社に関わるようになりました。
―「Feel&Green」はどのようにして生まれたブランドなのですか?
戸部 弊社ではお子さま向けのオーガニックコーンフレークを製造しており、「食べていただくことで、世の中の環境がよい方向に動きますように」という思いを込めていました。なぜなら海外では、よいもの=環境に優しいものこそという考え方が一般的だからです。ところが日本では、よいもの=添加物が少ないもの、との認識が一般的で、環境をメインに謳った商品にはあまり反応がありませんでした。そこで、何か別の形で“よいもの”を作りたいと考え、生まれたブランドが「Feel&Green」です。不要なものを使用せず、原材料は北海道産や国産がメイン、そして環境にもやさしいオーガニックであること。大切な人に食べていただくために自分も安心できるよいものであることにこだわりました。現在、とうもろこしのシリアルで5商品、玄米のシリアルで2商品、オートミールのシリアルで2商品、素材を合わせたシリアルで3商品の、計12商品を展開しています。

雄大な北海道の自然の恵みをそのまま詰め込んだブランドが「Feel&Green」。
戸部 シリアルというと、レーダーチャートなどで栄養バランスを表示するなど、機能性を押し出すことが多い商品の印象があるかと思いますが、弊社では違う価値を提供したいと考えました。シリアルは、自分のためというよりも、パートナーや子供など、誰かのことを考えて購入されることが多い商品です。そこで「どんな基準で選んでいるのか」「なぜ自分の大切な人に食べて欲しいのか」、というところを突き詰め、商品に反映しました。
例えば、キャンペーン1つとっても「Feel&Green」らしさを大切にしました。一般的にキャンペーンというと、応募すると自分に商品が届くものが多いように思いますが、「Feel&Green」のキャンペーンでは、子供や単身赴任中のご主人、遠距離恋愛中のパートナーなど、“誰か”に当たるキャンペーンを打ち出しています。
―世界観が統一されたパッケージのデザインも素敵です。
戸部 ありがとうございます。シリアルは、“食卓に置かれるアイテム”です。なので、目に入った時に美しいと思っていただけるパッケージを意識しました。

食卓に乗せたくなる美しいパッケージ。
写真の商品は「やさしいコーンフレーク プレーン」
(¥1,550、120g×4個)
戸部 また「Feel&Green」の公式ホームページを開いていただくと、時間によって「ちゃんと眠れた?」や、「天気はどう?」、「よく眠れるといいね」といったメッセージが表示され、画像もシーズンや時間によって変わるように設定されています。弊社が考える朝食のコンセプトは、“簡単で早く、栄養をたくさん取ること”ではなく、“20分早起きをして、いい朝食の時間を過ごすこと”です。その思いを、サイトやパッケージでも表現しました。

豊かな朝食のひとときに寄り添う「Feel&Green」のシリアル。
―今回、「Feel&Green」の中でも気になりましたのが、「からだ想う 大麦と五穀のグラノーラ しっかり食感」です。
戸部 こちらは北海道産の大麦を主役に、オーツ麦、玄米、小麦、大豆、とうもろこしなどの五穀、さらにクランベリーやグリーンレーズン、ココナッツなどをブレンドしたグラノーラです。北海道産のてんさい糖で甘みを加え、1口いただくと、穀物の香ばしさ、甘さを感じながら味わっていただけます。また、おいしいだけでなく、たんぱく質や食物繊維、鉄やカルシウムといった栄養成分も摂れるところも魅力です。

「からだ想う 大麦と五穀のグラノーラ しっかり食感」も、
清々しい緑の風景が望めるパッケージ。

様々な素材が1つになって、多様な味わい、食感を楽しませてくれる。
―戸部社長は商品開発にも関わっておられるのですか?
戸部 関わっています。弊社は大手様と比べると、狙っている数字の規模も立ち位置も違います。逆に弊社には、他社様ができないことに挑戦できる自由な土壌がある。そこを大切にしたいと考えています。
―近年は、オートミールの人気も高まっていますね。
戸部 オートミールの市場は、コロナ禍でグンと拡大しました。中にはオートミールに初めて挑戦された方もおられ、「牛乳をかけてすぐ食べてみたところ味がしなかった」というお声をいただいたこともあります。ヨーグルトと一緒に味わうとか、お粥のようにして食べるなど、工夫していただくとおいしく味わうことができますので、弊社としてはそこもきちんと啓蒙していかなくてはと思います。
また弊社には、さまざまな方がお持ちの課題やお悩みを、ナチュラルな食べ物で解決していきたい、という考えがあります。オートミールには、便秘の解消、肌荒れの改善、免疫力の強化など、よいとされていることがたくさんありますので、そこもお伝えしていきたいです。
弊社商品で売れ行きが好調なものに、離乳食用のオートミールがありますが、こちらは「赤ちゃんにはいいものを食べてほしい」というニーズに、原材料をオーガニックオーツ麦100%にすることでお応えしました。今後もお悩みを解決できる食品、健康寿命に寄与できるようなものを積極的に開発していきたいと考えています。

「日食オーガニック オートミールのおかゆ」
(¥1,406、120g×4個)。
―商品はインターネット以外でも購入できるのですか?
戸部 スーパー様や百貨店様の地下、ちょっと変わったところで言うと、北海道の書店様でも取り扱っていただいています。弊社は自社製品のほか、プライベートブランド、外食用の商品、工業用など様々なものを製造していますが、2019年からは商品を消費者の方に直接お届けしたいという思いから、ECにも力を注いでいます。
ただインターネット販売には1つ弱点がありまして、例えば1袋300円程度のものを1点だけ購入する、ということがなかなかできません。1,000円くらいの単位がないと、送料が捻出できないからです。それゆえ数個単位での購入をお願いしているのですが、現在、Amazon様で販売している4個セットは好評です。そこからリピーターになってくださる方も増えています。
―SNSにも注力されていますね。
戸部 広告部の専任者と、広告代理店の方に監修していただきながら進めていますが、消費者の方のリアルな声をお届けできるように、会社側から発信するだけでなく、インフルエンサー様の力もお借りしています。例えば冬場、オートミールは温かくして食べていただくと非常においしいのですが、そういった発信も、オートミールのファンの皆さま、インフルエンサー様の力を借りてアピールさせていただきました。

まるでお粥のようにも楽しめるオートミール。
レシピはぜひ、日本食品製造・オートミールのHPをチェック。
―課題はありますか?
戸部 シリアルの魅力を、もっと高齢者の方々にも知っていただけたらと思っています。高齢者の方々は、カルシウム摂取のために牛乳を摂られる機会が多いと思うのですが、コーンフレークやオートミールといったシリアルこそマッチします。栄養素もバランスよく摂ることができますので、力を入れていきたいと思っています。
ある大学教授が行った、「青森県の高齢者が朝食を食べる理由」についての調査で、1位はお薬を飲むためでした。さらに朝食で何を食べているかを調べると、1位はなんとインスタントラーメンだったのです。寒い地域なので塩気のあるものが好まれるのかなと思ったのですが、この結果を前に、我々は本気で頑張らなければならないと思いました。その先には「お薬がいらない日常を作る」というゴールも見据えています。
―最後に今後の展望についても教えてください。
戸部 「おいしいので食べてみてください」というより、「何かお悩みを解決したいときに選んでください」と言えるものを提供していきたいと考えています。売り上げを伸ばすことも大事ですが、100年続いている会社として、一方的にものを作って販売するのではなく、お客様とWin-Winの関係性が構築できるようなものを生み出していけたら嬉しいです。
―貴重なお話をありがとうございました。

「からだ想う 大麦と五穀のグラノーラ しっかり食感」(200g×4個)
価格:¥1,935(税込)
店名:Amazon「Feel&Green」ストア
ご注文:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.nihonshokuhin.co.jp/feelandgreen/
オンラインショップ:
Amazon「Feel&Green」ストア
楽天市場
ヨドバシ
お問い合わせ:日本食品製造 お客様センター
電話:0120-249-714(祝祭日を除く月曜日~金曜日 9:00~12:00 / 13:00~17:00)
フォーム:https://www.nihonshokuhin.co.jp/inquiry/?site=nb
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
戸部謙ルイス(日本食品製造合資会社 代表社員)
1971年、メキシコ生まれ。デザイナーとしてパリを拠点に活躍したのち、創業者である戸部佶(ただし)の孫として幼少期から家業に深く関わった経緯から、2003年に日本食品製造合資会社(日食)に入社。2005年に代表に就任。現在は、在札幌フィリピン共和国の名誉領事を務めるほか、北海道ユネスコの常任理事、札幌ユネスコの副会長・理事、北海道缶詰協会の監事なども兼任している。
<文/鹿田吏子 MC/藤井ちあき 画像協力/日本食品製造>