
牛肉の新しいおいしさを発見!「マザービーフサーロインステーキセット」
2025/04/17
今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは、これまでの概念を覆す新しいジャンルの牛肉。以前なら敬遠されがちだった「経産牛」に新しいおいしさを見出した株式会社米澤佐藤畜産 代表取締役社長の佐藤秀仁氏に、取材陣がお話を伺いました。

株式会社米澤佐藤畜産 代表取締役社長の佐藤秀仁氏
―創業からの歩みをお聞かせください。
佐藤 1924年に曾祖父が、当時「馬喰(ばくろう)」と呼ばれていた家畜商として創業しました。牧場を立ち上げ、3代目である父が1976年に株式化。そのころから食肉加工や販売業へと移行しました。2002年に加工工場を立ち上げ、2015年には飲食店「お食事処 牛の恩返し 鷹山公」をオープン。現在は北海道に繁殖牧場を、米沢市に肥育牧場と加工センターを持ち、繁殖から販売まで一連の流れを一貫して管理し、安全でおいしい米沢牛をお届けできるよう、精進しています。
-繁殖から販売までを一貫して行われているのは?
佐藤 米沢市は、生産と販売が分業化されていることがほとんどです。生産者は、牛を育てながら米も育てて、米の藁を牛さんに食べさせるという循環型を採用して、その肉を、肉屋さんが間に入って消費者に販売するという具合に。そうなると、肉屋さんが、精肉のことはわかるけど牛自体のことがわからないという状況になるのです。
牛は、見た目だけではなく、血統や肥育環境などによって変わってきます。精肉はパッと見ただけですべてがわかるというものでもないので、究極の牛肉を提供したいとなれば、自分で牛を飼うしかないですよね。

数頭から始まった自社牧場も今や2,000頭規模に。
-肥育に関しての特徴やこだわりをお聞かせください。
佐藤 血統はとても大切で、何をどう食べさせるかという飼料も大事なのは大前提。そのうえで、肥育環境として、米沢は適した気候ではないでしょうか。夏は暑くて冬が寒いという寒暖差がある方が良いのです。それからうちが大事にしているのが出荷月齢です。今、全国的に短期肥育が推奨されていて、できるだけ早くお肉をつけて出荷しコストを抑えましょうと言われています。ですが、牛さんは、長期肥育ほどおいしくなるんですよね。全国平均がだいたい28か月くらいですが、弊社では34か月で出荷しています。おかげさまで、米沢品質向上運動の中から生まれる顕彰制度「米沢品質AWARD」の初回となる「米沢品質AWARD2019」に、弊社の「自社牧場産米沢牛」を選んでいただきました。

徹底した品質管理の元、おいしさと安全を両立した米沢牛が生まれる。
-オンラインで入手できる「マザービーフ」についてお聞かせください。
佐藤 弊社は北海道に繁殖牧場「北乃ファーム」を持っています。そこで子牛を産んだお母さん牛の中で、特に品質に優れて旨味の強い肉をマザービーフと呼んでいます。一般的には「経産牛」と言われ、市場では安価であまりおいしくないとされてきました。なぜなら、未経産は穀物など濃厚飼料をたくさん与えて健康的に太らせますが、子牛を産む牛は、放牧して牧場の草を食べさせていますから、見栄えがあまり良くないのです。しかし、ストレスフリーな環境下で適度に運動し、ミネラルたっぷりな青草を食べることによって、脂の甘みが増して上質な脂質と食べ応えのある赤身肉となります。
弊社では、まず、形や血統など様々なポイントで高品質な経産牛を厳選し、栄養たっぷりな飼料でのびのびと肥育。脂の質と色、赤身の色、サシの入り具合などから選定した枝肉を実際に検食し、基準を満たした牛肉のみを「マザービーフ」としています。

自社牧場産や仕入れてきた経産牛を健康的に育て「マザービーフ」へと肥育。
-肩ロース、リブロースなど様々な部位がある中、サーロインのおいしい食べ方は?
佐藤 やはりステーキでしょうね。シンプルにフライパンで焼いて、よく焼きが好みの場合は、最後アルミ箔で包んで余熱で火を入れてください。赤身の味わいを感じていただけると思います。


難しく考えず、シンプルに好みの焼き具合で食べるのがおすすめ。
マザービーフは霜降りを追い求めないため、赤身本来のおいしさを堪能できます。それでいてリーズナブル。ぜひご家族で食べていただきたいです。
-今後の展望をお聞かせください。
佐藤 もっともっとおいしいお肉を生産していかなくては、と感じています。今34か月での出荷ですが、今後は36か月、3年かけてじっくり肥育したお肉にしていきたいと思っています。肥育期間を長くするには、リスクもコストも格段に上がります。牛さんは、寒さには強いのですが、暑さには弱いのです。寒くて死んでしまうことはほとんどありませんが、熱中症で死んでしまうことはあります。うちの牧場でも、夏は温度調節をしたり風を送ったり打ち水をしたりなどの対策をしています。そういう意味でも、肥育期間の延長は簡単ではありませんが、日本中にあふれている和牛の中で、米沢牛というブランドを確固たるものにするためには必要なこととして、前向きに取り組んでいきます。
-「牛さん」の呼び名に愛情を感じる素晴らしいお話をありがとうございました!

「マザービーフサーロインステーキセット 160g×2枚」
価格:¥2,500(税込)
店名:米澤佐藤畜産 公式オンラインショップ
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://satochiku.com/?pid=158370193
オンラインショップ:https://satochiku.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
佐藤秀仁(株式会社米澤佐藤畜産 代表取締役社長)
1990年、山形県米沢市に生まれる。曽祖父・佐藤角彌が牛を扱う馬喰業を始め、昨年で創業100年を迎えた。幼少期から牛に親しみ、先代である父とともに牛の市場に足を運ぶなど、牛を身近に感じながら育つ。大学卒業後は修行に出る予定だったが、東日本大震災の発生により断念。その後、株式会社米澤佐藤畜産に入社し、牧場、営業、精肉加工など各部門を経験。2024年に代表取締役社長に就任する。
常に「美味しい牛肉とは何か」を探求し続けている。
<文/植松由紀子 MC/田中香花 画像協力/米澤佐藤畜産>