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日本酒鑑評会で最優秀賞受賞!福島会津の歴史的酒蔵が生んだ珠玉の代表作「大吟醸 玄宰」

2024/09/18

今回は国内有数の酒どころ会津若松市の「大吟醸 玄宰」に、編集長のアッキ―こと坂口明子が注目しました。華やかな香りと奥深い味わいを持つ大吟醸は、昭和の発売当初から日本酒コンテスト金賞の常連。昨年は代表的な鑑評会「International Sake Challenge2023」でも最優秀大吟醸・吟醸賞を獲得しています。
会津ですぐに思い浮かぶ野口英世氏とも親類関係だったという創業家。末廣酒造株式会社・代表取締役社長の新城大輝氏に、商品やお酒造りについて取材陣がインタビューしました。

末廣酒造株式会社 代表取締役社長の新城大輝氏
末廣酒造株式会社 代表取締役社長の新城大輝氏

―創業は江戸時代、御社の歴史を教えてください。

新城 幕末の1850年にこの地で初代の新城猪之吉が酒造りを始めたのが起源です。明治時代に入って3代目はそれまで家族で行っていた酒造りを、神戸の灘や京都の伏見から専門の杜氏を招いて行いました。これは当時の会津では初めてだったそうです。
4代目は近隣の同業者に先駆けてエンゲルベルク精米機を導入し、自社精米に着手しました。また研修や試験醸造を繰り返し、人を集めて人材の交流を深めていくなど会津全体の酒質向上のために尽力したと聞いています。
現在にかけても当時から数々の技術革新を経て育んだ伝統的な醸造技術を尊重し、そして新しい挑戦を試みながら酒造りに取り組んでいます。

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創業時から続く伝統の嘉永蔵。見学コースもあり、地元の方をはじめ観光客にも大人気。

―嘉永蔵は有形文化財だとお聞きしました。

新城 明治時代に建てられた嘉永蔵は2018年に登録有形文化財に指定されました。現在は醸造だけでなく、海外を含めた観光客の方に見学していただける施設としても開放しています。数々の修復を施してきた創業地の歴史ある蔵ですから、ここでの伝統を噛み締めながらしっかり酒造りをして外に展開していくことが重要だと認識しています。

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1996年に完成した博士蔵。博士山の伏流水を使用し、最終工程まですべてここで完結する。

―社長になられた経緯をお聞かせください。

新城 東京の大学を出て修業として2年ほどスーパーマーケットに勤めました。酒販店と同じようにスーパーもお酒に多く関わる業態ですから、最前線の現場でどんなふうに商品が売られ買われるかを見たのはとても貴重な経験だったと思います。
大学は酒造とは関係ない普通の学部だったので、広島の酒類総合研究所というお酒の研究機関で勉強のために半年ほど研修を受けました。そのあと当蔵へ入社し、昨年春に社長に就任しています。

―社長に就任されていかがですか?

新城 プレッシャーはもちろん感じてはいますが、日本酒業界は福島県内外ともに若い人が先頭に立ってあとを継ぐ流れがどんどん増えています。自分だけが若いわけではなく、同志もたくさんいると思うと気楽に取り組めた部分もあります。

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桐箱に包まれた大吟醸。おのずと中身への期待が膨らむ。

―今回ご紹介の「大吟醸 玄宰」の特徴は?

新城 このお酒は昭和の時代に誕生した当蔵を代表する大吟醸酒です。江戸時代に会津の地域発展のために尽力された、会津藩の名家老・田中玄宰という方に感謝と敬意を表してお名前を命名させていただいています。
特徴の1つは兵庫県産山田錦を使用し、35%まで磨き上げたその高い精米歩合です。米を磨くことでお米の周辺の雑味成分を取り除き、ピュアなお酒になっていきますが、その分デリケートな扱いが要求されます。35%まで磨くと些細なミスで出てほしくない香りが出るケースもあります。そのため細心の注意を払い、長所だけが前に出るよう独自の製造技術で仕上げているのが大きな特徴です。

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色合いは透明より。ひと口目から甘くて上品なコクが口いっぱいに広がる。

―味わいの特徴は?

新城 容器に注ぐと最初にフルーティーな香りがふわっと広がる立ち上がります。それからお米の旨みが口の中に広がって、両者が組み合わさっていくイメージです。大吟醸なので香りが華やかですから、ワイングラスを飲んでいただくと注いだ瞬間に立つ香りがより楽しめると思います。
日本酒ソムリエの方に「菩提樹の白い花を思わせる香り」と表現していただいたように、どちらかといえば食前酒もしくはお酒単体で楽しんでほしいタイプといえます。冷やして飲んでいただくのがオススメです。

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香りを一緒に楽しむためにワイングラスを使うのもオススメ。単体でも十分堪能できる。

―今後の目標をお聞かせください。

新城 当蔵を広く知っていただくためにもECショップの拡充は欠かせませんので、古くなったページのフォーマットをリニューアルする予定です。
ラインナップの一押しは新発売の日本酒入門者向け「シンプルシリーズ(500ml)」。これをはじめとしてニーズをとらえた新商品を随時発売していきます。また海外への輸出にも力を入れ、現在はアメリカに大吟醸の「剣」を出荷しています。昨年に大きな賞をいただいたばかりのタイミングですから、今後はそれ以外の世界市場に向けても徐々に輸出を増やしていきたいです。

―本日はありがとうございました。

大吟醸 玄宰(720ml、1.8Ⅼ)

「大吟醸 玄宰」(720ml、1.8Ⅼ)
価格:720ml¥5,500(税込)
1.8Ⅼ¥11,000(税込)
店名:末廣酒造
電話:0242-27-0002(9:00~17:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://sake-suehiro.jp/collections/all-item/products/%E5%A4%A7%E5%90%9F%E9%86%B8-%E7%8E%84%E5%AE%B0?variant=41485509230661
オンラインショップ:https://sake-suehiro.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
新城大輝(末廣酒造株式会社 代表取締役社長)

1989年生まれ。大学卒業後、スーパーマーケットに入社。その後、酒類総合研究所での研修を経て、2017年末廣酒造に入社。2023年より同社代表取締役社長就任。

<文・撮影/田中省二 MC/三好彩子 画像協力/末廣酒造>

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