今回アッキーこと坂口明子編集長が気になったのは、秋田の老舗ホテルの焼き菓子「ドライパイ」。開業当時から変わらないレシピを守り続け、地元の秋田だけではなく、全国からお取り寄せする人も多い人気商品です。こだわりの製法やモノづくりへの想いについて、株式会社秋田キャッスルホテル 代表取締役社長 岸本洋喜氏に取材陣が伺いました。
表面はカリッとクリスピー。バター香るほろほろ食感も楽しめる「秋田キャッスルホテルのドライパイ」
2024/06/19
株式会社秋田キャッスルホテル 代表取締役社長の岸本洋喜氏
―秋田キャッスルホテルの沿革をお聞かせください。
岸本 1970年7月7日に、国内外の賓客を受け入れる秋田のおもてなし空間として誕生し、今年で開業54年目を迎えます。当ホテルは宿泊や宴会、婚礼だけでなく、レストラン、バー、デリカショップも運営しており、さまざまなシーンでお客様にご利用いただいております。ここ数年はインバウンド需要も増え、国内外問わず、秋田に来られる際の宿泊先としてお選びいただけるようになりました。私はグループ会社の代表取締役社長を経て、2023年3月に代表取締役社長に就任しました。
JR秋田駅から歩いて約7分と、出張や観光に便利な立地。
―ホテルとしては珍しいメディカル事業を手がけていらっしゃいます。
岸本 2001年より、“ホテル品質を病院・福祉の現場に”をコンセプトに、メディカル事業を始めました。ホテルで培った食材調達や調理技術のノウハウを活かして、病院の入院患者さん、福祉施設の入所者さんにお食事を提供する取り組みです。秋田は高齢化が進んでおり、病院や福祉施設を利用される方が増えてきています。ホテルとして何か地元に貢献できないかと考え、給食事業に着目しました。秋田ならではの郷土料理を取り入れるなど、地元の味をお楽しみいただけるよう工夫し、大変ご好評いただいております。
―今回紹介する「ドライパイ」の特徴を教えてください。
岸本 開業当時、初代製菓長がオリジナル商品として考案したもので、当ホテル人気ナンバーワンの焼き菓子です。フランス生まれのハート型のパイ菓子「パルミエ」をアレンジして作っています。ひと口目はカリッとクリスピーな歯ざわりで、そのあとにほろほろとパイ生地がくずれてバターの香りが口の中に広がります。
刻んだアーモンドを加えて焼き上げた風味豊かな「アーモンド」、
ごまの香ばしさを感じる「セサミ」の2種がセットに。
―こだわっていることは?
岸本 50年以上、変わらないレシピで作り続けています。バターや小麦粉などシンプルな材料を使い、パイ生地の基本製法に従って、職人がひとつひとつ丁寧に作っています。特にこだわっているのは、パイ生地を折り重ねる作業です。一般的なパイ生地よりも折り込む回数を増やし、最終的には2,000層以上も重なる繊細なパイ生地になります。生地にグラニュー糖を敷き詰めることで、焼き上げたときに砂糖が溶けて固まり、独特のカリカリした食感が生まれます。
ひと口目はカリッとした食感。
口の中でほろほろとくずれ、バターの風味が広がるリッチな味わい。
―簡単に作れるお菓子ですか?
岸本 いいえ、ドライパイの仕込みには3日間かかります。1日目はパイ生地作り、2日目はドライパイ生地に加工する作業、3日目に成形と焼き上げです。工程ごとに生地を休ませることで厚さが均一になり、層と層の間にしっかりとバターが折り込まれた状態になります。また、オーブンで焼く際も、焼きムラができないよう位置を工夫しています。安定してご提供できるよう工程を分け、1日に約400枚のドライパイを焼いています。
―「ドライパイ」の人気が広まった理由は?
岸本 贈答品としてご利用いただくうちに、少しずつファンが増えていきました。宴会のお土産や、贈り物にもらったお客様の口コミで広まったのだと思います。半世紀以上、変わらない味を守り続けてきましたので、親子3世代でご愛顧いただいたり、地元秋田を離れた方が、故郷の味を求めてオンラインショップでお取り寄せしてくださったりすることも。ホテル伝統のドライパイをお客様に広めていただきましたこと、大変感謝しております。
2014年にオンラインショップを開設。
自慢のスイーツはもちろん、きりたんぽ鍋セットや稲庭うどんなど、
ホテルメイドの秋田名物をお取り寄せできる。
―50年続くロングセラーの秘訣を教えてください。
岸本 ドライパイは、当ホテルの職人たちに受け継がれてきた心を象徴する商品です。“基本に忠実に作る”をモットーに、伝統を守りながら作り続けてまいりました。一定の品質をもって変わらない味を作るのは大変なことですが、高い技術をもつ職人がその日の気温や湿度などを考慮しながら丁寧に製造しています。何事にも真摯に向き合い、実直に続けてきた結果、ご評価いただいているのだと思います。
―今後の展望をお聞かせください。
岸本 お客様の期待と信頼に応えるべく、これからも質の高い商品を作り続けていきます。また、レストランの料理や宴会時の食事メニューなども工夫し、よりお客様に喜んでいただけるようなサービスを提供していきたいと考えております。当ホテルのレストランでは、秋田の名物を味わっていただけるのも特徴です。ご出張などで観光に行く時間がない場合でも、地元の味を堪能していただけますので、ぜひご利用いただきたいと思います。今後も地元の情報発信拠点として、秋田の魅力を全国に伝えられるよう努めてまいります。
―素晴らしいお話をありがとうございました!
「ドライパイ(箱入り・18枚/27枚/36枚)」
内容量:18枚入り(アーモンド9枚、セサミ9枚)・27枚入り(アーモンド18枚、セサミ9枚)・36枚入り(アーモンド18枚、セサミ18枚)
価格:18枚/箱入り¥2,300(税込)・27枚/箱入り¥3,400(税込)・36枚/箱入り¥4,500(税込)
店名:秋田キャッスルホテル オンラインショップ
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.castledelica.jp/SHOP/HOO-16.html
オンラインショップ:https://www.castledelica.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
岸本洋喜(株式会社秋田キャッスルホテル 代表取締役社長)
2023年3月 株式会社秋田キャッスルホテル代表取締役社長に就任。秋田を代表するホテルとして、地域に寄り添った経営を目指している。
<文/香川けいこ MC/三好彩子 画像協力/秋田キャッスルホテル>