今回、編集長のアッキーが気になったのは、3種の魚を合わせた贅沢なうまみの削り節「エラさん家のあわせぶし」と、汁物やちょい足しにサッと使える人気商品「エラさん家の顆粒だし」です。魚を数種使うことで甘みや香りのバランスが絶妙になるという「合わせ節」の魅力について、製造を行う株式会社江良水産 代表取締役の江良浩氏に取材陣がお話を伺いました。
3種の魚のうまみが生む絶妙なおだし。「エラさん家のあわせぶし」と「エラさん家の顆粒だし」
2024/10/16
株式会社江良水産 代表取締役の江良浩氏
―江良社長の代表就任の経緯や、御社の理念についてお聞かせください。
江良 私は5年前に弊社の4代目として代表就任したのですが、その前は理学療法士として、全く別の業界の仕事をしていました。先代である父が、息子には家業を継がせるよりも手に職を付けさせたいと希望したからです。しかし私が33歳のとき、父が仕事を畳もうとしているのを知り、自分が継ぐと決意しました。
弊社の理念は、何が良い商品かを私たちだけで解釈せずにお客様の声を聞き、お客様にとって一番良い商品を作ることです。お客様のお悩みに沿った商品を販売しているので、お買い物のリピート率が高く、商品の噂を聞いた新しいお客様も増えています。
―今回紹介する、合わせ削り節の「エラさん家のあわせぶし 天草牛深うまみぶし」や「エラさん家の顆粒だし」を開発したきっかけは?
江良 始めに合わせ削り節を作ったのは、2016年の熊本地震で友人が被災したことがきっかけです。「お米はあるけどおかずがない」という話を聞いたので、数種の魚の節を持参し、現地で削り節にして800人分ほどを配布しました。それを「おいしい、ありがたい」と喜んでくださる光景を見て、地元でも流通させたいと思い商品開発に取り組みました。
完成した削り節は、まぶしたり混ぜ込んだりなど食べ物としては人気が出たのですが、時代の変化もあり、だしを取るために使う方は多くないようでした。お客様からも「もっと簡単においしいだしを取りたい」との要望があったので、続けて開発したのが「エラさん家の顆粒だし」です。
料理の具材としても大人気の「エラさん家のあわせぶし」と、サッとおだしが取れる「エラさん家の顆粒だし」。
―商品に使われている「合わせ節」について詳しく教えてください。
江良 合わせ節とは数種の魚の節を混合したもので、関西地方でよく使われます。「エラさん家のあわせぶし 天草牛深うまみぶし」にはサバ、イワシ、アジの混合節が使われており、「エラさん家の顆粒だし」はサバ、イワシ、ソウダガツオの混合だしとなっています。
数種の魚を合わせるメリットは、香りやうまみが豊かになることです。例えば鰹節は燻製を何度も重ねるので香りが良く、イノシン酸の多いイワシはうまみが強く、サバはうまみ成分の甘みを多く持っています。合わせ節はそれぞれの魚の持ち味が活きているので、絶妙な香りやうまみ、甘みを感じられるのです。
―魚の生臭みを出さない特別な作り方があるとか?
江良 弊社では温度管理や製造方法を工夫して魚の生臭みが出ないようにしています。例えば、炊いた魚を乾燥させるときに温度が30℃を超えると生臭くなってしまうので、オーダーメイドの冷却機械を造り、魚をじっくり低温で乾かせるようにしました。
普通は60~70℃の高温で一晩乾かすのですが、弊社では120~150時間をかけて低温で乾かします。さらに、良い香りが立つよう高温で焼煎(焼き入れ)するなどの手間ひまもかけ、香りやうまみが全く違う商品に仕上げています。
炊いた魚はじっくり低温で乾燥させ、手間ひまをかけて魚特有の生臭みを抑える。
―魚を真水ではなく海水で炊くのも特徴的ですね。
江良 魚を海水で炊くのは天草地域での江戸時代からの手法で、全国的にも珍しいものです。この天草・牛深の海が綺麗で、かつ真水が貴重であったことが関係しています。魚を海水で炊くことは雑菌の繁殖を抑えて保存性を高め、生臭みを低減しうまみを増やすメリットもあります。
海水炊きの節から取っただしの塩分濃度は、真水炊きと比べると0.07~0.08%しか変わりません。しかしこれは、人間の舌が塩味を感じるギリギリのパーセンテージだそうです。つまり、塩辛くはないけれどわずかに感じる塩加減があり、それがだしをよりおいしく感じさせてくれるのです。
―「エラさん家のあわせぶし 天草牛深うまみぶし」のおすすめの食べ方は?
江良 だしを取るのも良いですが、やはり「食べる」使い方もおすすめです。塩けと甘みがあるので、胡麻と一緒にご飯に混ぜ込んでおにぎりにするとそれだけで味が決まります。
また、鶏の唐揚げの衣がわりにするとサクッと揚がって香りが良く、とてもおいしいです。冷めても食感が良いので、我が家の子ども達もこの唐揚げをお弁当のおかずにすると喜びます。
「エラさん家のあわせぶし」をおにぎりに混ぜ込むと、噛むたびにうまみが広がる奥深いおいしさに!
「エラさん家のあわせぶし」を衣にした唐揚げは、パリパリ感と香りがたまらない!
―「エラさん家の顆粒だし」のおすすめの使い方も教えてください。
江良 「エラさん家の顆粒だし」をお湯に溶かして具材と味噌を入れるだけで、簡単においしいお味噌汁になります。また、「エラさん家の顆粒だし」と味噌を混ぜて「味噌玉」を作っておくと、お湯を注ぐだけで味噌汁ができとても便利です。天然由来の素材を厳選して使っているので、体にも優しいと思います。
「エラさん家の顆粒だし」と具材を混ぜ込んだ「味噌玉」なら、優しいうまみの味噌汁がいつでも楽しめる。
―「エラさん家の顆粒だし」をどんな方に使ってほしいですか?
江良 一番には、お忙しい主婦の方や一人暮らしの方に使ってほしいと思います。カップラーメンやカレーに少し「エラさん家の顆粒だし」を入れるだけでも香りやうまみが豊かになりますので、普段のメニューにちょい足しして、さらにおいしく食べてほしいです。
―最後に、今後の展望についても教えてください。
江良 お客様からいろいろな要望がありますので、1年に1~2品は新商品を作りたいと思っています。インスタントやレトルトのような、便利でおいしく、かつ安心安全な商品に力を入れていきたいです。「自分が食べたいものを作る」が開発のコンセプトですので、採算にこだわらず、おいしい商品を妥協せず作っていきます。
現在は、だしと塩を混ぜた「だし塩」を開発しています。これは焼鳥屋さんから、「塩味とだしのうまみを一度に付けられる調味料が欲しい」という要望があり開発したものです。ちょうどサンプルができた段階なので、ぜひ皆様に楽しみにしていただきたいです。
―貴重なお話をありがとうございました。
「エラさん家のあわせぶし 天草牛深うまみぶし」(70g)
価格:¥698(税込)
店名:ヨドバシ.com
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.yodobashi.com/product/100000001005544017/
オンラインショップ:https://www.yodobashi.com/
「エラさん家の顆粒だし」(100g)
価格:¥626(税込)
店名:ヨドバシ.com
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.yodobashi.com/product/100000001007633549/
オンラインショップ:https://www.yodobashi.com/
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変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
江良浩(株式会社江良水産 代表取締役)
1979年生まれ。医療福祉専門学校緑生館卒業。順和長尾病院、中村博整形外科医院での勤務を経て株式会社江良水産へ入社。理学療法士時代の考え方を元に、お客様の欲するものを情報収集し、課題(価格、納期、品質など)を解決するべく問題点を抽出し、最適なモノに仕上がるよう日々分析、評価いたします。また、経過とともに修正をおこない、より求められているものに近づき、今現在が一番良くなることを目指しております。おいしいものを味わう時が一番の幸せです。そのお手伝いをいたします。
<文・撮影/ふるとりあやめ MC/髙橋美羽 画像協力/江良水産>