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日本初の魚肉ソーセージを当時のレシピで復刻。スモークが香る「元祖魚肉ソーセージ」

2024/02/22

レトロなパッケージに包まれた「元祖魚肉ソーセージ」は、昭和に作られた日本初の魚肉ソーセージを復刻したものです。当時を知る方には懐かしく、初めて食べる方には新しい。今回、編集長アッキーが気になったのはそんな魚肉ソーセージを手がけている、愛媛県八幡浜市に本社を置く西南開発株式会社です。代表取締役社長の袋瀬洋氏に商品開発のエピソードや思いなどを伺いました。

西南開発株式会社 代表取締役社長 袋瀬洋氏
西南開発株式会社 代表取締役社長の袋瀬洋氏

―沿革を教えてください。

袋瀬 1949年に西南開発株式会社の前身となる西南開発協同組合が発足し、1951年に西南開発株式会社としてスタートしました。初代社長は地元の名士。その人のもとに、製造に長けた人や仕入れ販売に長けた人、開発に長けた人など、いわゆる実働部隊が集まり、大学のサークルのような雰囲気でスタートしました。このようにして始まった会社なので、私で6代目ですが、歴代社長との血縁関係はありません。

先達は戦後「日本の食事は欧米化していくだろう」と考えていました。そもそも会社のある愛媛県八幡浜市は海の近くの町。昔からかまぼこやじゃこ天などの練り製品が日常的にあります。そこで、日持ちがする、かつ洋食に合う練り製品を作ろうという話になり、日本で初めての魚肉ソーセージ「スモークミート」が誕生したのです。

当時から地元では「ミートの会社」と言えば西南開発株式会社だと伝わるほど、スモークミートの会社として親しまれていました。私が入社したきっかけのひとつも、このような親しみやすさでした。

―商品開発のきっかけを教えてください。

袋瀬 昭和20年代、八幡浜漁港はアジの水揚げ量がかなり多い港でした。悪い言い方かもしれませんが捨てるほど獲れた上、値段も安く、売れ残りは処分されるような時代だったのです。そこで捨てられてしまうのなら、それを使って魚肉ソーセージを作ってみようかという話になりました。それでアジを原料とし、後のスモークミートを開発することになったのです。これが今の「元祖魚肉ソーセージ」の原点です。

苦労話として先達から聞いているのは、魚肉ソーセージの両サイドをワイヤーで留める作業です。これがうまくいかなくて、中に空気が入ってしまうと、カビが生えて真っ黒になり、ダメになってしまいます。もちろん日持ちもしない。そこがもう一番の苦労だったと聞いています。ワイヤーで留める作業に成功して、製品化に至りました。

しかし時代の流れとともに、当時のスモークミートから少しずつ逸脱をしていきました。一部の食品添加物が使用禁止になり、保存料が使えなくなったため、製法の変更を余儀なくされたのです。材料もアジだけではなく、スケソウダラなどを使うようになっていきました。

こうなるとやはり、食感や味が変わってしまいます。最終的に「煙でいぶしていないのに、商品名にスモークと名づけてはいけない」という行政からの指導が入り、日本初の魚肉ソーセージであるスモークミートは姿を消してしまいました。

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日本初の魚肉ソーセージ「スモークミート」は時代の流れとともに姿を消してしまった。

―「元祖魚肉ソーセージ」が誕生した経緯をお聞かせください。

袋瀬 スモークミートが姿を消したあとも、当時のスモークミートを知っている方からは「昔のほうがおいしかった」という声がよく寄せられました。この町に住んでいるとそのように言われる機会がすごく多い。スモークミートが皆さんの生活に根付いていたのを感じます。

年に1回、全国から営業担当が集まっておこなう販売会議でも、スモークミートの復刻について話し合いました。しかし、当時のレシピがないので作れないと諦めていたのです。

そんな折、スモークミートの開発に携わっていた役員さんが家の大掃除をしました。そうしたら、当時のスモークミートの開発ノートが発見され、そこにレシピが残っていたのです、奇跡的に!

ここから地元の方々に愛され続けたスモークミートが「元祖魚肉ソーセージ」として復刻して誕生しました。これが平成10年代の後半のことです。

―「元祖魚肉ソーセージ」の特徴を教えていただけますか?

袋瀬 「元祖魚肉ソーセージ」もスモークミート時代と同様、いぶしてはいませんが、燻液を加えているので、燻製の風味が香るのが特徴です。そして100%国産アジを使用。本当は八幡浜で水揚げされたアジだけを使いたかったのですが、日本国内の別の地域からも仕入れて作っています。あとは、昭和の雰囲気が満載のレトロなパッケージもポイントです。

このように当時のスモークミートを復刻して作っているので、昔を知っている方、特に70歳以上の方々からは「おいしい」と。ちょっと言い方をかえると、癖がある味かもしれませんが「そこがいいんだよ」とおっしゃっていただきます。

歯ごたえのある仕上がりも特徴です。企業秘密ですが、練り物として水加減などさまざまな工夫をして仕上げています。

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レトロなデザインのパッケージに包まれた魚肉ソーセージ。開封した瞬間、アジと燻製の香りが広がる。

―おすすめの食べ方を教えてください。

袋瀬 おすすめの食べ方は、外袋から出して、沸騰したお湯で2~3分湯せんするというやり方です。お湯から取り出す際やフィルムを剥く際は、トングなどを使い、火傷をしないようにお気をつけください。

湯気が立つような、ほかほかの状態で食べていただくのが一番おいしいです。マヨネーズやケチャップもお好みでかけていただいて。

常温で150日持つので、ポケットの中に入れてお腹がすいたら常温で食べるっていうのももちろんいいのですが、ちょっと湯せんで温めていただくとより一層おいしく食べられます。

―印象的なお客様の反響を教えてください。

袋瀬 鹿児島県のご高齢の方から電話がかかってきたことがありまして。用事で松山空港に立ち寄った際に「元祖魚肉ソーセージ」を買ってみたと。その後、帰宅して常温のまま食べたら、ものすごくおいしかった、こんなおいしい魚肉ソーセージは食べたことがない、とおっしゃるんです。何度も「おいしかったよ」と連発される上、ケース買いしたいとまで言ってくださいまして。

実は昔、鹿児島県は営業担当を置くほど、スモークミートは流通していました。なので、この方も昔食べていて、舌が覚えていたのかもしれません。私がたまたま電話を取って、直接お聞きして、とても嬉しくなった記憶があります。

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湯せんをするだけで、できたての「元祖魚肉ソーセージ」を再現したかのような味わいを楽しめる。

―どのような人に「元祖魚肉ソーセージ」を手に取っていただきたいと思いますか?

袋瀬 当時のスモークミートの風味を覚えているご年配の方に、もう一度食べていただきたいと思います。そして新しい世代の方。「元祖魚肉ソーセージ」は一風変わった食感と味付けになっていますので、近年にはあまりない新しい魚肉ソーセージとして食べていただきたいです。

―最後に会社の今後の展望をお聞かせください。

袋瀬 最近は、西南開発株式会社の名義ではなく、別の販売者が販売するプライベートブランドの開発にも携わっています。そこで身体を鍛えている方にぴったりな高タンパクの魚肉ソーセージや、登山などのお供に栄養補給できるもの、酒粕入りのものなどを開発しました。ケースバイケースで、このような魚肉ソーセージを広めたいですね。

そしてこれからは道の駅やプライベートブランドなど、今まで以上にきめ細かい営業をして、販売に繋げていきたいと考えています。

やはり魚肉ソーセージの元祖を生み出した企業として、これからも存続していける企業体質にしていく必要があります。そうして1人でも多くのお客様に、「元祖魚肉ソーセージ」を食べていただきたいと思っています。

―貴重なお話をありがとうございました。

「元祖魚肉ソーセージ」(75g×20本)

「元祖魚肉ソーセージ」(75g×20本)
価格:¥3,000(税込、送料込)
店名:楽天市場 こーてみんかや
電話:0894-36-0653(平日9:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/seinankaihatsu/10000047
オンラインショップ:https://www.rakuten.ne.jp/gold/seinankaihatsu/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
袋瀬洋(西南開発株式会社 代表取締役社長)

1963年 愛媛県生まれ
福岡大学卒業後、1986年に西南開発株式会社へ入社。
2020年 同社代表取締役社長に就任。

<文・撮影/西村初音 MC/木村彩織 画像協力/西南開発>

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