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懐かしい味わいがパワーアップ!ヒロタの「100周年シュークリーム3箱セット」

2023/12/11

食べやすい小ぶりなサイズが4個入った絶妙なお値ごろ感。関西や関東を中心に人気を誇る「ヒロタのシュークリーム」は、2024年で誕生から100周年です。今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になった株式会社洋菓子のヒロタ代表取締役社長伊佐山佳郎氏に、取材陣が伺いました。

株式会社洋菓子のヒロタ 代表取締役社長伊佐山佳郎氏
株式会社洋菓子のヒロタ 代表取締役社長伊佐山佳郎氏

―100周年おめでとうございます!100年の歩みをお聞かせください。

伊佐山 1924年に廣田定一が自宅を改装して大阪市上福島で洋菓子製造を始めたことがスタートです。創業者は千葉県の出身で、横浜へ菓子修業に出ました。その後神戸に移って修業を重ねた後に、自分の店を出しました。

第二次世界大戦中は物資統制などがあり休業していましたが、戦後再開。GHQの仕事をしながら、マッカーサー元帥に誕生ケーキをプレゼントしたと記録に残っています。

1948年、神戸の元町通に出した洋菓子の製造・販売&喫茶の店が、「洋菓子のヒロタ」としての1号店になります。どうしても創業の地である大阪に出店したいという強い気持ちがあり、1951年、大阪難波に大阪1号店として戎橋店を出しました。

関西一円に展開しながら、1969年には東京へ進出。1973年にはパリに、和菓子を中心とした日本のお菓子のショップをオープンしました。

―創業者は洋菓子の腕だけでなく経営能力にも長けていたのですね。

伊佐山 すべて自分で作って自分で考えて行動してきたのでしょうね。シュークリームの自動販売機を設置したり、郊外のベッドタウンに向けて移動販売車を出したりと、当時とても珍しい販売方法も採用していました。
シュークリーム生産ラインの自動化を業界で初めて実現したのも創業者。1985年に逝去するまで、晩年は会長職で経営に携わっていたようです。

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小ぶりなシュークリーム4個入りがヒロタのスタイル。

―その後は?

伊佐山 1980年代後半から1990年代前半までのバブル期は、百貨店やショッピングセンターが郊外にもどんどんできた時代。テナントとして声がかかるので、ヒロタの店舗も、文字通り倍増しました。しかしバブルがはじけて縮小傾向となり、さらには1995年の阪神淡路大震災で、尼崎にあった本社工場が被災して閉鎖に追い込まれました。最盛期は3つあった工場が1か所になり、現在に至ります。

2001年に民事再生法を申請し、2002年から投資持株会社の傘下として再スタート。それを機に、百貨店から駅構内の売店へと出店方針を変更し、直営店も絞ってきました。さらに2019年、令和元年台風第19号で千葉の工場が大きな被害を受けて3週間操業がストップ。ほどなくコロナ禍に突入し直営店の売り上げが激減と、苦しい状況が続き、大阪の直営店5つのすべてを閉めました。

お家時間が増えたせいか、かろうじて卸売の方は順調でしたし、コロナ禍も落ち着きを見せ始め、100周年を迎えられることに感謝をして、気持ちを新たに取り組んでいます。

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核家族化が進み4人家族が多かった昭和の時代に、
創業者は「家族全員が1個ずつ食べられるように」とサイズを小さくし価格を落とした。

―シュークリームの変遷は?

伊佐山 一般的な洋菓子店でしたが、シュークリームの実演販売をしたり、高価だったシュークリームを、小さくすることで単価を下げたりと、他にはない販売方法を取るうちに、ヒロタの看板商品となっていきました。当時一般の人々にはまだなじみの薄かった洋菓子文化を、シュークリームを通じて身近な存在にできたのはないでしょうか。

創業当初はおそらく、常温に置いておけるものだったと思います。昔のケーキはバタークリームが主流だったように。それが冷蔵で流通するものになりましたが、ずっと大切にしているのは卵感です。皮は薄くしっとり、カスタードクリームとバラバラにならずマッチする柔らかさ。半分に割って1口ずつで食べ終わる2口サイズも好評です。

初めからある「カスタード」、生クリームの人気が高まる1980年代に誕生した、カスタードとホイップクリームを入れた「ツインフレッシュ」と、「チョコレート」の3種がベーシックです。「チョコレート」も、以前はカスタードにチョココーディングしたタイプでしたが、輸入品を含むチョコの人気が高まったことを受けて中もチョコクリームになりました。

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たっぷり入ったクリームはカスタード、チョコレート、ツインフレッシュの3種。
2つに割って1口ずつどうぞ。

―もう一つの看板商品、シューアイスの誕生は?

伊佐山 シュークリームは、夏場になるとどうしても売り上げが下がる。そこでアイスクリームをシュー皮で挟んでみたところ非常に好評だったことから誕生しました。1964年ですから60年になりますが、ヒロタの看板商品として定着しています。

―創業100周年の取り組みと想いをお聞かせください。

伊佐山 山あり谷ありでしたが、2024年10月1日に満100歳を迎えられること、支えてくださった皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。2023年10月から2024年12月末までの14か月を100周年キャンペーン期間として様々な取り組みで恩返しをします。

まずは2023年10月1日、東京・東銀座と大阪・戎橋に旗艦店をオープンすることができました。創業の地でありながらすべて閉店せざるを得なかっただけに、大阪に復活できたことは本当にうれしかったです。内覧会では、多くの方が来てくださったりテレビ局の中継が入ったりと、地元の「お帰り!」「帰って来たね!」の気持ちが伝わってきました。

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創業の地、大阪に再オープン。
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東京・東銀座にもオープンした旗艦店。

商品に関しては、「懐かしくて新しいヒロタ」をコンセプトにリブランディング。パッケージデザインはリニューアルし、味わいについてもすべてブラッシュアップして100周年仕様に仕上げました。

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ブランドモチーフ、ロゴ、パッケージはすべてリニューアルし、
「懐かしくて新しいヒロタ」を象徴するデザインに。

例えば4個入りシュークリームに関しては、詰めるクリームを種類に応じて14~24%増量しています。ずっと愛し支えていただいたお客様に、味を変えるのは失礼じゃないかと考えてクリームを増量しました。薄く柔らかい皮が破れる限界まで、これでもかとたっぷり詰めました。

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クリームがギリギリまでたっぷり詰まって、小ぶりながらどっしり。

―クリーム増量、100周年記念キャンペーン終了後は?

伊佐山 そのときに考えようと思っています(笑)。まずは、今まで支えていただいたお客様に感謝の気持ちを伝えるのに最もわかりやすく、より美味しくなった商品をお届けすることが最優先。すべての商品に付加価値をつけて提供しています。

―その他の商品は?

伊佐山 シューアイスは、乳脂肪分の高さは十分なので、視点を変えて、沖縄のきび糖「本和香糖」を使い、よりコクが出るように仕上げました。

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2024年で60歳、コクが増したヒロタのシューアイス。

ヒロタ初の冷凍シュークリームも完成しました。シュークリーム、特にカスタードクリームは、解凍すると離水してボソボソになってしまうので冷凍が非常に難しい。実は5年以上前から研究を重ね、ようやく解凍後に同じ水分状態を保つことに成功しました。チルドのシュークリームは、千葉の工場で作って4日で消費期限を迎えるので、遠方に届けるのが難しかったのですが、冷凍シュークリームが完成したことで、好きなタイミングで解凍してお召し上がりいただけるようになりました。

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冷凍は「こだわりカスタード」「福岡あまおういちご」「京抹茶」「九州和栗」の4種。

―100周年同士のコラボ企画も?

伊佐山 ヒロタは2011年以降、様々な企業とコラボレーションをしてきました。イタリアのファッションブランドや同業であるシュークリーム専門店、大阪の芸能プロダクションが制作するテレビ番組など、驚かれる企画もたくさんありました。

実は、日本将棋連盟や阪神甲子園球場が、ヒロタと同じく2024年で100周年を迎えられ、阪神甲子園球場とのコラボ商品は2023年夏から発売になっています。せっかくの100周年、他の企業さんを一緒に盛り上がれればという想いです。

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100周年同士のコラボ商品。

―社長ご自身は、100周年をどのような気持ちで迎えられますか?

伊佐山 私が入社したのは1985年。最初の仕事は、企業が福利厚生として社内に置いているシュークリーム自販機の補充と集金でした。バブル景気が始まり、赤坂や銀座の料亭やクラブなどにシュークリームの配達に行き、ゴージャスな世界に驚いた記憶もあります。

100周年を見据え2019年に社長就任。直後から令和元年台風やコロナ禍など大きな問題が立ちはだかり、大阪の直営店を閉店に追い込んだ責任も感じていましたから、100周年キャンペーンが良い形でスタートできてほっとしています。戎橋の旗艦店オープンを、社内のだれより喜んでいるのはきっと私でしょう。

―今後の展望をお聞かせください。

伊佐山 100周年はゴールではありません。これからまた100年残すための準備をしていかねばなりません。そのためには、伝統は伝統として継承しつつ、時代に合わせ、新しい層にリーチできる販路の開拓や味づくりをしなくてはと考えています。

工場も古くなってきましたから、これからもっともっと新しい商品開発ができるような環境と、後輩たちがどんどんチャレンジできる土壌を作っていきます。苦楽を共にしてきた仲間たちは、愛社精神がとても強いと思います。それが、100年受け継いできた社風かもしれません。

ヒロタのシュークリームは、家族団らんの場で愛されてきた商品だと思っています。時代と共に家庭のあり方は変わっていますが、現代の家庭にも、夢と希望と幸せを感じられるシュークリームを提供していきたいですね。

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ヒロタのシュークリームが、家族の会話が弾むきっかけになるような存在に。

―素晴らしいお話をありがとうございました!

100周年シュークリーム 3箱セット

「100周年シュークリーム 3箱セット」(カスタード、チョコレート、ツインフレッシュ各1箱4個入)
価格:¥2,300(税込)
店名:洋菓子のヒロタ オンラインショップ本店
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.the-hirota.co.jp/shopdetail/000000000229
オンラインショップ:https://www.the-hirota.co.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
伊佐山佳郎(株式会社洋菓子のヒロタ 代表取締役社長)

1962年埼玉県生まれ。1985年に入社し新橋駅前店配属となる。店長、営業担当を経て2019年に同社代表取締役社長に就任。100周年記念事業と新規展開に注力をしている。趣味はスキーと庭いじり。

<取材・文・撮影/植松由紀子 画像協力/洋菓子のヒロタ>

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