最近、アッキーこと坂口明子編集長が魅せられている「尾瀬の雫」というトマトジュースは甘くて飲み口スッキリ。添加物がいっさい加えられていない自然の味が楽しめます。リコピンたっぷりでアンチエイジング効果も抜群。あまり知られていないとっておきのトマトジュースのおいしさの理由を、株式会社沼田魚菜市場仲卸 代表の柳信男氏に取材スタッフが伺いました。
群馬県の高原育ち。糖度10度超のトマト「尾瀬の雫」をそのまま絞ったおいしいジュース
2023/09/11
株式会社沼田魚菜市場仲卸 代表 柳信男氏
—御社は1984年の設立と伺いました。
柳 元々、私の父が食品小売業を創業したのが最初です。私は21歳のときから父と一緒に働いていました。仕事を始めてしばらくすると、近くに大手のスーパーマーケットが次々に開店するようになりました。それを見て、将来的に小売業は大丈夫なんだろうかと不安に感じました。
そこで3年ほど勉強して、小売りではなく卸売業に参入しようと思い、1984年8月に今の会社を創業したのです。
―今はどんな業態で経営なさっているのでしょうか。
柳 主体は業務用食品卸です。「沼田魚菜市場仲卸」として群馬県内の旅館、ホテル、結婚式場、幼稚園・保育園、食堂に食材を納めています。そのうちに大きな納入先とは別に、小規模な食堂などからも要望が出てきまして、全部に納品するのは難しいので、業務用の食品スーパーマーケット「ユースフル」を1998年に開店して皆さまに利用していただいています。
また、2005年には惣菜お弁当食品加工の「四季彩」部門を作りました。最近、両親がともに働いているご家庭が増え、スーパーマーケットでお弁当を買う機会が多くなっていますね。子どもたちが健康で育つには添加物が入っていない健康にこだわった食材を使ったお弁当が必要だと考えて設立しました。
真っ赤に熟れた「尾瀬の雫」。糖度、酸味、うま味のバランスがとれたトマトとして人気が高い。
―御社の多岐にわたるお仕事の中に「利根健康土作りの会」やトマトジュース「尾瀬の雫」の開発があるのですね。
柳 そうです。沼田市には老神温泉という温泉があり、多くの観光客の方でにぎわっています。ここでは4月から11月中旬まで朝市が開かれ、名物になっています。宿泊のお客様が地元の野菜、山菜、自家製の漬け物などをお土産に購入なさって大変喜ばれているのですが、野菜がたくさんの量が出て捌けなくなったのでなんとかしてもらえないかという依頼を旅館組合からいただきました。そこで当社と農家さんとで契約栽培をすることになりました。
農家さんたちの畑は奥利根の標高500~900mの高原にあります。土は榛名系火山灰土で表土は30~50㎝の軽石混じりの黒土、その下に1mほどの軽石の層がありこのお陰で水はけがよく、夏の干ばつにも強い土壌で、20種類ぐらいの高原野菜が収獲できる珍しい土地柄です。有機肥料を使い、酷暑の時期に限って害虫対策として農薬を最小限だけ使う栽培で、大変おいしい野菜ができます。生産が拡大していってその中で最も拡大したのがトマトでした。糖度が高く大変おいしいトマトができました。
甘味が感じられるのはもちろん、その後からじんわりとうま味が感じられるのが特徴。口当たりもさっぱり爽やか。
―1年中作っているのだそうですね。
柳 はい。トマトはまず、牛の堆肥と有機肥料を混ぜる土作りから始めます。夏のトマトは4月に苗を植え、7月中旬に出荷します。栽培にあたっては水を与える量をなるべく少なくし、果実の肥大を抑えることで糖度のあるおいしいトマトができます。同じように秋のトマトは7月から10月まで栽培しています。従来は夏と秋のトマトだけでしたが、1年通してトマトが食べたいという要望が多くなりました。
沼田は標高が高いので冬に栽培するのは難しいのですが、そこで、群馬県伊勢崎市におられるトマト栽培の名人にお願いして、12月から6月までトマトを作ってもらい、これでちょうど1年通してトマトの生産ができるようになりました。
―トマトジュースを開発したのは?
柳 おいしいトマトですが、どうしても形やサイズで市場に出せないものが出てきます。それを処分してしまうのはもったいないので、これを生かしたいという思いでジュースを作ることになりました。
最初、糖度が最も高い冬のトマトを絞って作ってみたのですが、味は最高においしかったですが、どろどろしていて喉ごしがよくありません。そこで研究を繰り返した結果、夏と冬のトマトを一度冷凍してブレンドしてみました。夏と冬のトマトの混合比率も難しかったのですがこれも試行錯誤して、絶妙の比率でブレンドでき、やっと完成したのが、「尾瀬の雫」というわけです。
添加物、塩などの調味料も加えていない。絞ったままのストレートジュースのおいしさが味わえる。
―今、トマトジュースはちょっとしたブームになっていますね。
柳 そうですね。その中でも「尾瀬の雫」の味には自信があります。まず糖度が9~12度と極めて高く甘みがあります。それに加え、爽やかな酸味と、グルタミン酸がたっぷり含まれるうま味成分のバランスがよいのも特徴です。添加物は一切使っていない自然のおいしさがあり、小さなお子さんでも安心して飲んでいただけます。
トマトは抗酸化物質リコピンが豊富な野菜ですが、「尾瀬の雫」にはリコピンが普通のトマトの約2倍含まれていることがわかっています。アンチエイジングや生活習慣病予防にも役立つのでぜひ、試していただきたいですね。
ギンガムチェックの布を施したギフト用。(1ℓ入 1本2,200円)
―甘くて喉ごしがさっぱりしたおいしいトマトジュースですね。
柳 残念なことが1つあって、それは私たちがアピール下手だということなのです(笑)。このジュースをどうやったら皆さんにもっと飲んでいただけるかがわからず、発信がなかなかできず、メディアへ発信するのは、今回のこの『日本全国お取り寄せ手帖』さんの取材が初めてです。
今はオンラインで販売していますが、一度注文してくださったお客様は必ずと言っていいほどリピートしてくださる本当においしいトマトジュースです。健康にもいいので幅広く支持されて愛されるジュースになればいいと思います。
抗酸化効果のあるリコピンが豊富に含まれ、アンチエイジング効果が期待できる。
—今後なさりたいことは?
柳 今後もよりいっそうおいしいトマトができるように農家さんと一緒に生産していきたいと思います。
また、当社は2022年にグループ会社として「CAS-KEI-FOODS」を設立しました。細胞を壊さずに冷凍できるCASというシステムがあり、医療分野にも応用されているこれから有望な技術です。これを使って、いろいろな食材を急速冷凍して食材を販売したいと思っています。現在は「尾瀬の雫」は賞味期限が1年で大量に製造できず年に数回に分けて製造していますが、この冷凍技術を使って急速冷凍できれば賞味期限が延長でき、また運搬配送が簡単になり、日本全国、場合によっては世界中に販売できるのではないかと夢見ています。
—夢が広がるお話ですね。本日はありがとうございました。
「【尾瀬の雫】トマトジュース」
価格:1本(1ℓ入)¥1,800(税込)
店名:沼田魚菜市場仲卸 プロの食材ユースフル
電話:0278-20-1611(8:30~19:00 ※1/1~1/2は休み)定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:http://www.nakaoroshi.co.jp/useful.html
オンラインショップ:http://www.nakaoroshi.co.jp/useful.html
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
柳信男(株式会社沼田魚菜市場仲卸 代表)
1952年群馬県沼田市生まれ。県立沼田高校卒業後、父が経営する八百徳商店に入社。1984年株式会社沼田魚菜市場仲卸を創業。沼田中央ロータリークラブ会長、沼田商工会議所副会頭、ぬまた市ブランド農産物認定委員会委員、コミュニティ放送 沼田エフエム放送株式会社FM OZE代表取締役社長を歴任。
<文・撮影/今津朋子 MC/吉田茉代 画像協力/沼田魚菜市場仲卸>