無地の黒、白、ベージュ…靴下って、ついつい無難なものばかり買ってしまいませんか?せっかくおしゃれをしてもいまいち足元がピンとこない、コーディネートに合う靴下がない、ソックスは地味でも仕方ないかな、などとあきらめがち。
そこで、今回アッキーこと坂口明子編集が注目したのは、「Homie(ホミー)」の「コットンバイカラー(配色)ソックス」です。「Homie」は、一度履くとまた履きたくなる不思議な魅力をもつソックスを扱うブランドとして、知る人ぞ知る存在。手がけている株式会社ディライトワークスの内門社長に、取材スタッフがお話を伺いました。
他にはないポップな配色と、さらりとした履き心地でリピートしたくなる!「コットンバイカラーソックス」
2024/07/18
株式会社ディライトワークス 代表取締役 内門隆(ウチカドタカシ)氏
―まず貴社とブランドのことを教えていただけますか。
内門 2007年に創業したレディースアパレルメーカーで、小売り販売はネットでのみ扱っています。レディースウエアを中心に、バッグなどのアパレル雑貨も含む5つのブランドを展開していて、「Homie」はそのうちのひとつです。英語で「相棒」という意味のフレンドリーな表現で、ソックスの他、アームカバーとレギンスもあります。
ソックスのスリーブに、おしゃれな「Homie」のブランドロゴが。
―靴下専門のメーカーさんではないんですね!
内門 ソックスの比率は10%くらいですが、かなりこだわってつくっています。洋服を扱うメーカーだからこそ、洋服に合う丈感や色展開、コーディネート提案など、着用するシーンやスタイルを想定してアイテムを揃えることができるのが強みだと感じています。
シンプルなボトムスと引き立てあう足元コーディネート。
―起業のきっかけを教えてください。
内門 私はもともと某アパレル会社で古着やインポートアイテムのバイヤーをしていました。そこではかなりハードな働き方が当たり前で、家族との時間もままならないような仕事中心の生活で…。もう少しマイペースに働けるところはないものか、と思い、自ら会社をつくって独立しました。
世の中的にもちょうどニューファミリーという言葉が定着し始めた頃で、仕事に愛着をもちつつライフスタイルにも納得できる働き方が求められていたと思います。自分自身も子どもが小学校に上がるくらいのタイミングだったので、イクメンじゃないですけど、家族や私生活とちゃんと向き合って働きたかったのです。
―それが、ディライトワークスという会社ですね。
内門 はい、ディライトは“喜び”という意味です。“喜びをつくる”――お客さまの喜びや楽しみをつくります、という気持ちを込めた社名にしました。何を売りたいか、にこだわらず、お客さまが喜ぶものを提供したい…。極端な話、売るものはタコ焼きとかでもよかったんです(笑)。出身分野がたまたまアパレルということだけでスタートしました。
当初は実店舗を持って商品を仕入れる小売り業中心にスタートしましたが、だんだんとメーカー卸売としての比重が高くなって、実店舗はたたみ、今は卸売メインで販売はオンラインのみ。日常に寄り添って生活をサポートできるような、ナチュラルな製品づくりを心がけています。
おしゃれな外観のディライトワークス。倉庫だった建物を建て替えたのだとか。
―小売りから製造業に転換したきっかけは?
内門 レディースアパレルの仕入れをしているうちに、改善ポイントなど感じるところがたくさんあって、製品づくりから丁寧に対応したいと思ったのがきっかけです。具体的には、お客さまの声への誠実な応対、たとえばアフターケアです。洋服を購入後に、ほつれたり色落ちしたり、といったトラブルがあってもお客さまは泣き寝入りしがちですよね。でもメーカーであれば、補修することも可能です。せっかくうちの製品を選んで購入してくださったのですから、愛着をもって長く着てほしいです。ミシンの踏める社員もいますので、購入店からのフィードバックを大切に、対応したいと考えています。
―靴下へのフィードバックはどんな感じですか。
内門 ソックス関しては、できるだけお客さまの希望や悩みを製品づくりに反映する努力を大切にしています。「コットンバイカラーソックス」は、「もっと洋服に合う色のソックスがほしい」「むくみがひどくて靴下がつらい」などの声を拾ったアイテム。「配色ソックス」「爪先の部分がツートン」みたいな細かいアイデアも、良いと思えば取り入れました。
爪先の部分だけ大胆に配色を切り替えた、ツートンのデザイン。
―ポップで大胆な色展開もお客さまの意見ですか?
内門 これは、「足元に差し色が欲しい」という声から生まれました。2015年に「Homie」を立ち上げたあと、2年後くらいに「コットンバイカラーソックス」をスタートさせたのですが、当初からあるのがブルー(爪先ブラウン)、レッド(爪先ピンク)、イエロー(爪先グレー)の原色3色です。常に売り上げランキング上位にいる不動のベストカラーたちで、意外かもしれませんが、どんなウエアにも合わせやすいです。ウエアは派手にせずナチュラルに抑え、足元にだけ差し色を使うコーディネートができる、とリピートする方も多く、新色が出るたび注目を集めるヒットアイテムになりました。
これに新色のオフ白と黒を加えた全10色展開。全色持っているスタッフもいるそう。
―爪先部分だけ色を変えたツートンにはどんな意図が?
内門 これは、シューズを脱いだ時のかわいいサプライズを意識しています。スニーカーなどでカジュアルに履かれる方が多いようですが、天竺のフラットな質感のソックスですから、革靴に合わせてもOKです。訪問先で靴を脱いだ時に、ちょっとした会話の糸口としても使えるように考えました。
アウトドア系のサンダルに合わせて爪先をのぞかせてもおしゃれ。
―しばらく履いてもゴム跡がつかないのも驚きです。
内門 「靴下の締めつけが、むくんだ足にはつらい」というお客さまがとても多く、その悩みになんとか応えたいと、考えました。履き口にゴム糸を入れていないので、締めつけ感が少ないと思います。人によって足まわりの幅は様々ですから、できるだけ多くの方に快適なフィット感を感じていただけるよう、何年もかけて調整しました。むくみを気にされる女性のあいだで、口コミで評判が広がっているそうで、とても嬉しく感じています。
取材スタッフのひとりが数時間履いても、履き口にゴム跡がつかなくて、びっくり!
―春夏と秋冬で素材は変わりますか?
内門 このアイテムに限り変えておりません。シーズンレスで履いていただけるよう、薄すぎず、厚すぎず、ほどよい素材感を追い求めて調整しました。オールシーズン、シーンを選ばず履きたいからリピートして何色も手に入れています、というお客さまの声を聞くと、がんばってよかったなと思います。ちなみに新色のオフ白(爪先グレー)とブラック(爪先イエロー)は、「靴を脱がなければ、少しかしこまった場にも使える色が欲しい」との要望があり追加しました。
―すべて国内生産にこだわっているそうですね。
内門 靴下生産量全国1位の奈良県にある広陵町の工場でつくっています。最初に靴下を生産しようとなった時に工場開拓で何度も足を運んだのですが、町全体で靴下をつくっているような地域です。編み機で糸を編むのはここ、組み立てるのはここ、爪先を縫う、ひっくり返す、袋に入れる…と、工程ごとに分業制になっているのがとても興味深かったです。長年かけて培われた専門性の高い職人技によって仕上がるのは、さらりとした独特の風合いをもつ高品質の1足。その履き心地は、一度履いたらやみつきになります。強度も高く、指先に穴があきにくい仕様になっていますので大事にしていただければ長く愛用できます。正直1,200円という価格では追いつかないくらいですが、この国産ソックスにこだわり続けたいと考えています。
後継者不足に悩む工場を存続させるためにも、「国産の靴下づくりにこだわって盛り立てていきたい」と、内門さん。
―上手なお手入れ方法を教えてください。
内門 洗濯機でガシガシ洗って大丈夫ですが、たたんでネットに入れて洗うと引っぱられたり伸びたりしにくく、サイズ感が変わらず長く履けます。干す時は、履き口側をピンチで挟んで吊るした方が、乾きが早くていいですよ。
―どんな方に購入していただきたいですか。
内門 全国の雑貨ショップで販売していただくことも多く、雑貨感覚のソックスというイメージを大事にしています。なので、バッグや服飾小物同様、ネットも含むショップでパッと目についたら購入してもらって、まずは履き心地の良さを体感してください。むくみが気にならなくなったり、おしゃれが加速したりしたなら、色を増やしていってお気に入りとして長く愛用していただきたい。そして、その良さを他の方にもぜひお勧めいただけると嬉しいです。ちょっとしたギフトとしてもぴったりなアイテムだと思います。
小袋などにキュッと入れて、さりげない贈り物に。
―では最後に、今後のビジョンや展望をお願いします。
内門 特に目標は持たず、欲をかかずに「コットンバイカラーソックス」を気に入ってくれたお客さまが、自然にその良さを広げていって、またフィードバックもしてくださるような、そんな関係性がキープできる状況がありがたいと思っています。会社全体としても、誠実な対応ができなくなるような売れ方は望みません。社員のみんなにも、製品に愛情をもって接することができるような働き方をしてほしい、そう思います。
―本日は、すてきなお話をありがとうございました!
「【Homie(ホミー)】コットンバイカラーソックス」(サイズ:フリー(約23~25㎝、履き口からかかとまで約18㎝) カラー展開:ブラック(爪先イエロー)、ブルー(爪先ブラウン)、グリーン(爪先ブラウン)、オフ白(爪先グレー)、オレンジ(爪先ピンク)、ピンク(爪先ブラック)、パープル(爪先ピンク)、レッド(爪先オレンジ)、ターコイズ(爪先グレー)、イエロー(爪先グレー))
価格:¥1,210(税込)
店名:HEAVENLY オンラインストア
電話:075-874-2227(9:00~18:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://heavenly2011.com/collections/homie/products/h-020
オンラインショップ:https://heavenly2011.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
内門隆(ウチカドタカシ)(株式会社ディライトワークス 代表取締役)
1971年生まれ。京都のアパレル某社にて古着&インポートバイヤー、事業部長、販促プロモーション等、幅広い経験を経て2007年に独立創業。
<文・撮影/亀田由美子 MC/木村沙織 画像協力/ディライトワークス>