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口当たりがなめらかで、脂の甘みがまろやか。 ハーブで育った「花悠(かしゅう)」の豚肉を使った、パクチーウインナーとポークジャーキー。

2022/11/15

独特の爽やかな香りが特徴のパクチー。好き嫌いが分かれる食材ですが、女性に嬉しい効果が期待できる栄養もたっぷり含まれているといいます。
今回、編集長のアッキーが気になったのは、このパクチーを練り込んだ珍しいウインナー。しかも使用している豚肉は、ハーブを食べてすくすくと育った豚のお肉なのだとか。代表の松ヶ谷裕氏に、取材陣がお話をお聞きしました。

株式会社ma’amPig代表取締役の松ヶ谷裕氏
株式会社ma’am Pig代表取締役の松ヶ谷裕氏

―高校生のときから、ご自身で豚を育てていらしたそうですね。

松ヶ谷 実家が養豚をしていたので、豚は私にとって生まれたときからなじみのある動物でした。
高校生になったとき、自宅のすぐ脇にある施設を借りて、自分で養豚に挑戦することにしました。農協の「預託」という制度を利用して、子豚を16頭仕入れて育てました。それが、自分で養豚場を経営した初めての経験です。まだ若くて知識も経験もなかったので、豚舎に泊まり込みながら24時間豚を観察し、「どうしたら良い豚が育つのか」試行錯誤を続けました。大変でしたが、それ以上に楽しくて仕方のない時間でした。得るものが多い貴重な経験でしたね。
生物学的な知識の必要性を感じ、その後は東京農業大学に進学しました。育種と繁殖の研究室に籍をおき、豚舎の設計なども行いました。本格的に農家養豚の経営をスタートしたのは、卒業後です。
土地は親が用意してくれていたのですが、2年間かけて山を切り開き、農場を作りました。
家業を継いだというより、豚が好きだったから、自分のやりたい道に進んだという感じです。

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8種類のハーブ原料を、日齢別に配合を変えて与える。
子豚の時期は、整腸作用を重視した配合、
成長後は肉質の風味・甘みの増強を重視した配合にしている。

―体に「安心、安全な豚肉」にこだわっていらっしゃいますね。

松ヶ谷 私が養豚を始めたころは、地域の名前をつけたブランド肉が出始めていた時期でした。
でも私はそれよりも、体にやさしい豚肉、食べて健康になるような機能性が備わった豚肉ができないものかと、常に考えていました。当時はそういうコンセプトの豚肉はあまりなかったんです。
最初は、飼料にハーブやあまに油を取り入れた「オメガバランス豚」というものを育ててみました。α-リノレン酸が多く含まれた豚肉ということで、飼料のコストが高く、生産が大変でしたが、需要があり、大手のスーパーで取り扱っていただくことができ、手応えを感じました。
10年以上前から千葉大学と合同研究に取り組み、千葉大学が開発した好熱性複合微生物(好熱菌)と水産系高温発酵物の抽出液を飲水に添加し与えることで豚の腸内フローラの改善が見られ、食べる人の体にもやさしい豚肉が出来上がりました。
それに加え、飼料を植物性原料主体にして、乳酸菌群やオリゴ糖、ハーブを混合し、それぞれ成長過程に合わせた最適な配合飼料を与えることで脂肪酸組成のバランスにすぐれた豚を育てることに成功しております。
そういった経験を経て、試行錯誤を繰り返しながら“花悠”が生まれました。

こちらはロースブロック。きめ細やかな肉質で、口あたりしっとり。

―「花悠」というブランド名は、お菓子のようで可愛いですね。どんな意味を込められたのでしょうか。

松ヶ谷 豚の銘柄は、「●●豚」というふうに、豚という言葉が非常に多く使われます。あるいは地域名を使って●●産の豚とか。でもそんな名前ではなく、豚肉が食卓の真ん中にあって、「おいしいね」とみんなに笑顔になってほしいという願いを込めた名前にしたいと思いました。
食卓に笑顔の「花」を咲かせたいという思いと、「のびのびと健やかに豚を育てたい」「末永く続くブランドでありたい」という気持ちからで「悠」という字を組み合わせて、「花悠」と。
このネーミングは、今でも大変気に入っています。
ちなみに、販売元の社名の「ma’am Pig」というのは、ma’am→マダムからきています。
母が子を産んで成長し、お肉となる。または、母となる。その繰り返しでいのちが成り立っているので、全ての元である母豚への尊敬と感謝の気持ちを込めて、つけた名前です。
また、生産元の方の「Pig Fertilize 松ヶ谷」という社名のFertilizeには、肥沃にする、育てるという意味があります。

―なるほど、どれも素敵なお名前です。花悠の豚肉は、ビタミンB1が豊富だそうですね。

松ヶ谷 千葉大学との合同研究の中で定期的にさまざまな分析もしていて、弊社の豚はビタミンB1の平均値が一般的な豚肉の約2倍、過酸化脂質(中性脂肪の原因になる)は1割減、アミノ酸のバランスがよく、腸内に善玉菌が多いこと明らかになっています。

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一般的な豚舎よりも1頭1頭のスペースを広くしたストレスフリーな養豚場で、
ていねいにのびのびと育てている。

―安心、安全な飼育をするために、ご苦労もあると思いますが。

松ヶ谷 豚は皆さんが思われている以上に繊細な生き物ですし、豚にもいろいろな流行性の疾病があります。弊社では、繁殖農場と、肥育農場を完全に分ける「2サイトシステム」でリスクを抑えています。
さらに、豚舎別にすべての豚を空にし、徹底的に洗浄・消毒するという「オールインオールアウト方式」を導入しています。
「健康に勝るおいしさはない」というのが重要なコンセプトなので、原則的に薬剤には頼らず、自然に近い「スロー飼育」で育てています。健康で、ストレスなく、スローに育った豚には、標準以上のものが期待できると思っています。

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「パクチーウインナー」には、千葉県産のオーガニックパクチーを使用している。

―「パクチーウインナー」はどのように開発されたのですか。

松ヶ谷 健康志向の高まりを受けて、「機能性のある商品をつくろう」と考えたのがきっかけです。
パクチーは人によって好き嫌いのあるハーブですが、非常に多くの栄養素が詰まっています。
豚肉とコラボはできないのかなということでいろいろ調べているうちに、パクチーは、良質なたんぱく質や脂質と一緒に摂ることで、お互いのよさをうまく引き出し合い、栄養を効率的に吸収できるといわれていることがわかり、じゃあウインナーを作ってみようと。千葉県産のオーガニックパクチーと出会って、2020年に商品化できたのです。
パクチーウインナーには、花悠の腕の部分のみを使用していて、さらに上質な花悠の背脂を混ぜ込んでいます。腕はよく動いている部位なので質が良く、味も濃厚で、よくウインナーなどに使われます。
しかし、味の濃さやパクチーらしさを出すバランスが難しくて、試作を繰り返しました。おかげさまで好評で、パクチーが苦手な方も、このウインナーだったらおいしく食べられるとおっしゃいます。

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スモークした豚肉の豊かな香りが魅力のポークジャーキー。

―「やさしいポークジャーキー」の開発のきっかけは。

松ヶ谷 豚肉の中でも、もも肉は残ってしまうことが多いんです。でも豚の中でもビタミンB1が多い部位なんですよ。それをうまく活用した商品ができないか、というのが始まりです。
みなさん、ポークジャーキーはビーフジャーキーほどなじみがないかもしれませんが、やさしいポークジャーキーは、しっとりとしていてソフトな食感が、軽いおつまみとしておすすめですよ。厚さと適度な歯ごたえもあるので、料理の材料にとお求めいただく方も多いのです。

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パクチーウインナーは、ホットドックにするのもおすすめ。

―おすすめの食べ方はありますか。

松ヶ谷 パクチーウインナーは、少量のお湯でゆでて、蒸発したら最後に焦げ目をつける「ゆで焼き」がおすすめです。表面がパリッと仕上がって、中はジューシーです。
食べ応えを意識して、挽き目も粗くしてあるので、ホットドックにしてもおいしいし、サラミの代わりにピザトーストにしてもいいですよ。
ポークジャーキーも、ピザの上にのせたり、ちぎってパスタの具にしたり、生野菜サラダのトッピングにしたり。そのままでも、加熱しても食べられるので便利です。燻製のすごくいい香りで、リッチな感じになります。

―社長にとっていい豚肉とは。

松ヶ谷 いろいろ議論はあろうかと思いますが、私は結局、みんなで「おいしいね」と食べられる豚肉だと思います。とくに、子どもが肉嫌いにならないようなお肉であってほしいです。豚肉は、加熱したときに本来の姿が出ます。つまり、香り、焼いているときの肉臭が原因で、子どもが「豚肉が苦手」になることが多いんです。肉嫌いの子どもをなくすためには、そういう嫌な臭いが漂わない肉をつくることが必要です。

―今後のビジョンについてお聞かせください。

松ヶ谷 私どもの商品をよく知っていただくための努力に、もっと力を入れなければと思っています。
とくに子どもたちに食べてもらえるきっかけをつくりたいですね。
そのひとつとして、「食育」に力を入れています。今年から、旭市の小中学校の給食に、年2回花悠の豚肉を無償提供しています。
豚肉の栄養やおいしさ、この地域でこうやって生産しているんだよ、身の回りにこんなにいいものがあるんだよと知ってもらって、生産者と消費者の共存につなげていけたらと思っています。
大人の方々はもちろん、子どもたちに安心してお腹いっぱい食べてもらえる豚肉を、これからもつくり続けていきます。ぜひ、ご家庭のテーブルに載せていただいて、笑顔になっていただきたいですね。

―今日は素晴らしいお話をありがとうございました!

パクチーウインナー(4本入り)

「パクチーウインナー」(4本入り)
価格:¥648(税込)
店名:ma’am Pig
電話:0479-55-1221(9:00~17:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://store.shopping.yahoo.co.jp/maampig/b02-04.html
オンラインショップ:https://store.shopping.yahoo.co.jp/maampig/

やさしいポークジャーキー」(90g)

「やさしいポークジャーキー」(90g)
価格:¥540(税込)
店名:ma’am Pig
電話:0479-55-1221(9:00~17:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://store.shopping.yahoo.co.jp/maampig/b04-01.html
オンラインショップ:https://store.shopping.yahoo.co.jp/maampig/

精肉もオンラインショップ(https://store.shopping.yahoo.co.jp/maampig/)で購入可能。

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
松ヶ谷裕(生産元:有限会社 Pig Fertilize 松ヶ谷/販売元:株式会社 ma’am Pig 代表取締役)

1959年千葉県旭市生まれ。10代で子豚を育て始め、東京農業大学で知識を深めた後本格的に養豚に参入。現在は、繁殖1,200頭、肥育12,000頭を飼養。2003年有限会社Pig Fertilize 松ヶ谷を設立。2006年ブランド豚「花悠」の農場直営店となる株式会社ma’am Pigをオープン。養豚に携わり、来年50周年を迎える。おいしさは勿論のこと、食べ盛りの子どもたちが安心してお腹いっぱい食べられる豚肉を作り続けていく。

<文・撮影/臼井美伸(ペンギン企画室) 画像協力/ma’am Pig>

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