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100年の技術と遊び心。兵庫・加古川の老舗が贈る靴下「Grider.rib」と「GARA SOCKS [RANRAN]」

2025/11/27

毎日履くものだからこそ、デザインにも履き心地にも妥協したくない。そんな本物志向の方の足元に、心からおすすめしたい靴下があります。今回、編集長のアッキーが注目したのは、「Grider.rib」と「GARA SOCKS [RANRAN]」です。100年の歴史で培った技術が詰まった、まるで素足のようなストレスフリーな履き心地。そして、地元の物語を織り込んだ遊び心あふれるデザインが特徴です。
これらは、兵庫県加古川市の老舗メーカー・田中繊維が手がけるファクトリーブランド「TANAKA SOKKEN」のもの。長年、大手ブランドのOEMを中心として高品質な靴下を支えてきた同社が、満を持して立ち上げた自社ブランドに込めた情熱とは。取材スタッフが、田中繊維株式会社の代表取締役社長、田中一成氏に話を伺いました。

田中繊維株式会社 代表取締役社長の田中 一成氏

田中繊維株式会社 代表取締役社長の田中 一成氏

―まずは、御社の歴史についてお聞かせください。

田中 1921年(大正10年)の創業です。驚かれるかもしれませんが、創業から100年以上、途中で業態を変えることなく「靴下オンリー」で事業を続けてきました。元々は紳士靴下がメインでしたね。拠点を置く兵庫県加古川市は、東京・奈良と並ぶ日本三大靴下産地の一つなんです。長年、私たちは国内大手アパレルブランドのOEM(相手先ブランドによる製造)として、その技術力で日本のものづくりを足元から支えてきました。

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100年以上にわたり、加古川の地で高品質な靴下を生み出し続けている。

―田中社長は6代目でいらっしゃると伺いました。幼い頃から家業を意識されていたのでしょうか?

田中 生まれは姫路市で、大阪の大学を卒業後すぐに入社しました。父もこの会社に勤めていたので、幼い頃から工場について行くなど、靴下作りは非常に身近な存在でしたね。入社した時点から「いずれは会社を継ぐだろう」という意識は持っていました。入社後は企画から営業まで、製造全般に携わり、2023年に代表取締役に就任しました。

―創業100周年を機に自社ブランド「TANAKA SOKKEN」を立ち上げられました。どのような背景があったのでしょうか?

田中 長年OEMを続ける中で、高い技術力がありながらも、うちの会社の名前が表に出ないというジレンマが常にありました。「こういう靴下が作りたい」「自分たちの名前で発信したい」という情熱は、ずっと持ち続けていたんです。

私が入社してからの時代は、いわゆる「失われた30年」で、輸入品の比率が90%以上にもなる厳しい時代でした。国内メーカーとして「どう生き残るか」を常に模索していましたね。
そんな中、創業100周年という節目に、県の中小企業団体中央会から「記念に何かやってみませんか」と声をかけられたことが最後のひと押しになりました。

まず手がけたのが、この「Grider.rib」です。この商品は、編み機の周りに144本の針を配置し、編み目が144個で構成される伝統的なリブソックスで、かつて加古川エリアで多く生産されていたものです。これを自社ブランドの第一弾として再構築しました。

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自らの名で発信する情熱の証「TANAKA SOKKEN」。

―「Grider.rib」は、デザインと技術の両面にこだわりが詰まっているそうですね。

田中 最大の特徴は、あえて効率を度外視した「左右非対称」の刺繍デザインです。モチーフは、会社の創業年と同じ1921年(大正10年)に、地元の高御位(たかみくら)山から自作のグライダーで飛び立った青年の実話なんです。左足に「高御位山」を、右足にそこから飛び立つ「グライダー」を刺繍し、ストーリー性を持たせています。

もう一つの核となるこだわりが、100年の技術の粋である「ハンドリンキング」です。通常の靴下にある、つま先の「ゴロつき」が全くない、フラットな仕上がりを実現する職人技です。手作業で一目一目拾ってはぎ合わせるため、継ぎ目がデコボコせず、最高の履き心地を生み出します。
その技術の証である「つま先の縫い糸」の色を、あえて「履き口」や「刺繍」の色と連動させ、見えない技術をデザインにしている点もポイントです。現在18色ある絶妙なカラーは、同じ加古川市内にある染色工場でオリジナルに染めてもらっています。まさに「産地の技術の結集」ですね。

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伝統的な手作業による縫合と、地元の実話から着想を得た遊び心ある意匠。
履き口とつま先の縫い糸の色がリンクしているのもこだわり。

―18色も展開されていると、選ぶ楽しみがありますね。

田中 ありがとうございます。ピスタチオ色やピーチ色など、一般的な靴下にはない色を意識して色付けをしています。18色もの豊富なカラー展開は、「朝、どの色を履こうか」と選ぶ楽しさを提供できると思っています。スニーカーやサンダルから、カラフルな履き口と、左右非対称のストーリーある刺繍を「ちらり」と見せるファッションを楽しんでほしいですね。

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18色ものカラーを展開。
他にはない、オリジナルの色合いを追求(ピスタチオ・左、ピーチ・右)。

―実際に履かれたお客様からの反響はいかがですか?

田中 おかげさまでご好評をいただいています。特に、つま先のゴロつきがない「ハンドリンキング」の特別感を説明すると、多くの方がその価値に共感し、興味を持っていただけますね。中には「一度履くと手放せない」と、リピーターになってくださる方もいらっしゃいます。最も印象的だったのは、「普段は家にいる時、裸足で過ごす」という“裸足派”のお客様から、「これなら靴下を履ける!」と喜んでいただけたことですね。まさにストレスフリーな履き心地の証だと嬉しく思いました。

―もう一つの柱である「GARA SOCKS [RANRAN]」は、誕生の経緯がまた異なると伺いました。

田中 はい。ブランドのもう一つの柱が、繊細な柄が特徴の「GARA SOCKS(柄ソックス)」です。この「RANRAN」は、デザイナーとのコラボレーションで生まれました。通常、靴下のデザインは「編み機の制約」の中で行われるのが常識です。しかし、この商品はその逆で、デザイナーが制約をあまり考えずに描いた自由なデザイン画を、我々の技術で靴下に落とし込んでみよう、という挑戦から生まれました。

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まるで絵画のような繊細な柄のディテール。
「デザイン」と「履き心地」を両立した商品。
カラーはブルー、ブラック、ライトブルーの3種。

―まさにアートのようですね。デザインと履き心地を両立させるために、どのような工夫をされたのでしょうか?

田中 「RANRAN」は、「Grider.rib」(144本)を遥かに凌ぐ「220本」のハイゲージ(高密度)で編まれています。これにより、絵画のような繊細な柄の表現を可能にしました。こだわりの核は、「デザイン」と「履き心地」の両立です。柄物の靴下を履くとき、裏側に渡っている糸が指や爪に引っかかってしまう、というストレスを多くの方が経験されていると思います。私たちは、柄の組み方や糸の種類を工夫することで、その「引っかかり」を最小限に抑えることに成功しました。柄だけではなく、履き心地にもこだわり、裏側には伸縮性のある糸を入れ、足を包み込むようなフィット感も実現しています。シンプルな服装のアクセントとして、裾から「ちらり」と見せるだけで、日常を少しだけ特別にしてくれる一足だと思います。

―プロからの評価も高いそうですね。

田中 はい。この「技術」と「デザイン」の両立は、プロの方々からも高く評価いただいています。「GARA SOCKS [RANRAN]」は、2023年の「第28回靴下求評展」にて、日本靴下工業組合連合会理事長賞を受賞しました。さらに、ファッションの専門学校関係者からも、高いデザイン性を評価いただいています。

―最後に、田中繊維の今後の展望をお聞かせください。

田中 日本の靴下の品質は、世界一だと強く自負しています。今後、自社ブランドのPRを強化し、一人でも多くの人に、本物の日本の靴下の「履き心地の良さ」を感じてほしいですね。その視線は自社だけでなく、産地全体にも向いています。自社ブランドに加え、「加古川靴下」全体のPRも同時に進めていきたいです

―本日は貴重なお話をありがとうございました!

Grider.rib /SMALL

「Grider.rib /SMALL」
価格:¥2,200(税込)
店名:TANAKA SOKKEN
電話:0794-32-2931(8:10~17:00 土日、祝日を除く)
商品URL:https://tanakasokken.com/items/65e80388d70f8c046805352f
オンラインショップ:https://tanakasokken.com/about

GARA SOCKS [RANRAN

「GARA SOCKS [RANRAN]」
価格:¥2,530(税込)
店名:TANAKA SOKKEN
電話:0794-32-2931(8:10~17:00 土日、祝日を除く)
商品URL:https://tanakasokken.com/items/65ea7f3b6b7c3d04c49a3cc6
オンラインショップ:https://tanakasokken.com/about

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

田中一成(田中繊維株式会社 代表取締役社長)
大学卒業後、田中繊維株式会社に入社。2023年に同社代表取締役に就任。創業100年を機に2021年に立ち上げたオリジナルブランド『TANAKA SOKKEN』のPR活動、地域団体商標『加古川靴下』の登録に向けた周知活動を積極的に行っています。靴下ソムリエ(靴下ソムリエ認定番号第17005)でもあります。

<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中 香花 画像協力/田中繊維>

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