今回、編集長アッキーが気になったのは、ロマンチックなフリルのカーテンです。商品を製造・販売しているサンコロナ小田株式会社・代表取締役社長の小田外喜夫氏に商品の魅力について取材陣が伺いました。

サンコロナ小田株式会社・代表取締役社長の小田外喜夫氏

―創業の経緯をお聞かせください。

小田　1970年に兄が経営していた小田合繊工業に入社しましたが、赤字部門であったインテリア事業を自分の事業として引き受け独立しました。山あり谷ありでしたが、今年で創業50年が経ち、現在はインテリア、ファッション、炭素繊維複合材の3つの事業をやっています。なかでも主軸のインテリアカーテンの国内シェアはトップクラスです。⼤⼿有名ショップのカーテンは、ほとんどが弊社の製品です。

経営理念は「イキイキハートのイキイキ経営」です。国内300人、海外300人と600人の社員がいますが、全員が夢やビジョンを持って、それを自己実現し、イキイキと輝いた自分になれる会社を目指しています。私自身は80歳になりましたが、ありがたいことに、イキイキと輝いています。

たっぷりとふわふわなフリルを縫い付けたフリルカーテン。

―ファッション、炭素繊維複合材の事業を具体的に教えてください。

小田　日本のウエディングドレスのオーガンジー素材の7割ぐらいは弊社が供給しています。昨年亡くなられたデザイナーの桂由美先生は、展示会をすると必ず朝一番で弊社ブースに来てくださいました。一方で結婚式自体が少なくなってきているため、新しい挑戦として、ファッション業界に8年ほど前から進出しました。昨年「ヴィーナスオーガンザ」というブランドを立ち上げ、唯一無二の加工技術でスパッタリングという、キラキラした超極薄のオーガンジー生地を開発しました。また積極的にイタリアのミラノウニカ、フランスのプルミエールビジョンといった展示会に出展し、世界に向けて発信をし続けています。

弊社が開発した炭素繊維複合材「フレックスカーボン」は2020年にJEC Awardsのスポーツ＆ヘルスケア部門で世界最高峰の賞をアシックス社と共同受賞しました。現在もアシックスと陸上シューズを共同開発し、事業を拡大しています。もともとは石川県を炭素繊維の町にしようと元総理大臣の森喜朗氏が推進し、約100社が国から補助金を受け、炭素繊維の開発を行いました。弊社も石川県の本店工場で開発にチャレンジし新事業として成功しましたが、成功の秘訣は「野生的発想」で、既存の常識にとらわれない想像力だと考えています。

―カーテン専門のECショップ「VENIRC（ベニーク）」を立ち上げられています。

小田　2023年1月からスタートしました。自社でデザインから縫製まで行っているため、コストも抑えられ、魅力的なカーテンのサイトを自社で立ち上げようと考えました。主に25歳から35歳の女性をターゲットに、トレンド発信と独自性のある商品提案を行っています。

ECサイトでは最終ユーザーと直接 接点を持って、お客様が本当に欲しいものを提供することができるのも魅力です。発売した商品がユーザーに支持されるかどうか実験的な販売を通じて、自社商品を評価できるのも自社のECサイトの醍醐味です。VENIRC(ベニーク)は価格競争ではなく付加価値とトレンド要素で勝負していきます。

— 今回取り上げさせていただく「フルフリル」についてお聞かせください。

小田　ベトナムの自社工場で作っているフリルのついたフェミニンなカーテンです。一窓あたり3万円前後で、オーダーカーテンの価格帯では少し高めですが、ECサイト「VENIRC(ベニーク)」の主力商品となっております。受注生産で、日本の高品質を維持しつつ、コストを抑えています。洗濯も可能です。

お部屋の主役インテリアになれるカーテン。

ドレスのようにフリルがたっぷりでロマンティックな雰囲気に。

―今後の抱負をお聞かせください。

小田　広告施策を強化し、さらにブランド力を高めていきたいと考えています。顧客層の声や利用状況をデータ化し、商品改善・新商品開発も進めていきます。SNSを活用したプロモーションも強化し、Instagramのフォロワー1万人達成が次の目標です。

弊社にはインテリアとファッション、炭素繊維複合材と3つの分野があります。いずれもお客様にとって「そうそうこれが欲しかった」と思われるものを具現化して形に表せば、事業は必ず成功すると確信しています。時代をもう一歩前へ、インテリアをもう一歩前へ、そういう生活を豊かにできるライフスタイルを提供できる会社として、イノベーションを起こしていけると会社でありたいと思います。

―貴重なお話をありがとうございました。

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞

小田外喜夫（サンコロナ小田株式会社 代表取締役社長）
1945年石川県生まれ。日本大学生産工学部管理工学科を卒業後、1970年に小田合繊工業株式会社に入社、1975年株式会社サンコロナを設立し代表取締役に就任。2013年株式会社サンコロナ・株式会社小田ゴウセンの合併に伴い、現 サンコロナ小田株式会社代表取締役社長に就任。「禅と経営」の融合を図る経営哲学を追求し「イキイキハートのイキイキ経営」の実践を開始し現在に至る

＜文／垣内栄　MC／藤井ちあき　画像協力／サンコロナ小田＞