
キラリと光って揺れる、ありそうでなかったデザイン。ハッピーな気持ちになれるとっておきジュエリー
2025/06/19
今回編集長アッキーが注目したのは、ジュエリー。お店でじっくり吟味して選ぶのも楽しいのですが、インターネットの画面を見て「一目惚れ」してしまうことも意外に多いのでは?そんなジュエリーブランドのひとつが、ほかにはない個性で実店舗でもオンラインでも人気のe.m.です。運営するイー・エム・ボックス有限会社 共同代表取締役の仲谷英二郎氏と飛田眞義氏に、ブランド設立の経緯や商品について、取材スタッフがお聞きしました。

イー・エム・ボックス有限会社 代表取締役の仲谷英二郎氏(左)と飛田眞義氏(右)
―共同代表であるお二人は、どこで知り合われたのですか?
飛田 私たちは大阪出身で、地元の高校の同級生なんです。二人ともサッカー部で、高校1年生の時にチームメイトになりました。
仲谷 卒業後、私は東京のジュエリーの専門学校に進んだのでひと足早く上京し、飛田は専門学校卒業後に勤務先の関係で東京に出てくることになりました。
飛田 会社は違いましたが、週末によく一緒に遊びに行きました。その遊びの中で、せっかく東京にいるのだから、何かチャレンジしてみたいなという話になって。地元よりも東京だと、何かできそうという気になれたのです。
―何かチャレンジする、その何かはどのように生まれたのですか?
飛田 仲谷は職人の会社で働いていて、ジュエリーの知識や技術を持っていました。また私は当時版画作品を販売する会社に就職し、展示会の設営の仕事をしていました。それでものづくりやインテリア、家具づくりにも興味を持ち、家具で何かおもしろいことができるんじゃないかと思いつきました。全面タイル貼りの家具を作って、そこにジュエリーを並べて売ってみようということになったのです。
デザインフェスタというクリエイターが集まるイベントに出展し、それがきっかけでブランドをスタートすることになりました。1996年のデザインフェスタがイー・エムとしての始まりです。5年ほど個人事業として続け、2001年にイー・エム・デザイン有限会社として法人化、2003年にイー・エム・ボックス有限会社を設立し、白金に1号店として「e.m.box」をオープンしました。

心引かれる個性的なデザイン。気持ちが華やぐe.m.のジュエリー。
―白金を選ばれたのは?
飛田 最初は駒沢に一軒家を借りて工房兼住居としていました。工房の音が迷惑にならないよう移転を考えていた時、白金を紹介され、また一軒家を借りて工房兼住居としました。白金はより都心で利便性が高い一方で、小さい町工場があり、下町らしさもある土地だったので私たちにぴったりでした。白金で製造を続けて、2003年に大改装し、その場所を店舗にしました。
―空間づくりも並行して行ったのですね。商品のデザインは仲谷さんが?
仲谷 デザインは二人で考えています。デザインが決まった後に実際に商品の形を作っていくのは私なんですが、そこからまた二人で相談をして、商品に仕上げています。
―すべて手作りで製造されているのですか?
仲谷 すべてが手作りということではないのですけれど、最初のサンプルなんかは結構手で作ることが多いですね。いまどきはコンピュータでデザインすることもありますが。
―現在は複数のブランドを展開されていますね。それぞれのコンセプトは?
飛田 まず一つめのe.m.は、シルバージュエリーのみのブランドとして始まり、その後K18ゴールドも展開するようになりました。コンセプトは「みんながよろこぶモノづくり ありそでなさそなモノづくり」で、人とはどこか違う、着ければハッピーになるジュエリーを目指しています。
little emblemは、ゴールド素材をメインにしたブランド。ボリューム感のあるe.m.とはまた異なり、繊細な装飾や細かな職人技の装飾がポイントのアイテムが揃います。しあわせを連れてくる赤いルビーが必ずセッティングされているのが、一番の特徴です。

代表ブランド、e.m.の代表的なリング。

繊細な美しさのlittle emblem。
―それぞれ個性がありますね。
飛田 LOVE BY e.m.は、一貫したコンセプトを持ち続けるのではなく、その時々にデザイナーが「LOVE=好き、良い」と感じたものや気になるトピックをジュエリーに落とし込んでいます。そのため幅広いデザインが特徴で、フルーツやリボンをモチーフにしたものなどもあります。モチーフを表現するのに適した素材をセレクトするため、真鍮やレジンなど様々な素材で作られたジュエリーが揃います。
e.m.MARIAGEはブライダルライン。多彩なデザインをご用意しているほか、オリジナルのリングが作れるセレクトオーダーやセミオーダーもあります。一生に一度の大切なリングなので、オーダーメイドで一からご注文いただいてお一つお一つ丁寧にお作りしてお渡ししています。

幅広いテーマで展開されるブランド、LOVE BY e.m.。

他にはない二人のお気に入りをずっとそばに。
ブライダルラインのe.m.MARIAGE。
―今回の商品についてお教えください。キュービックジルコニアとパールが付いたこちらの商品はいつごろからあるのですか?
飛田 リング(0001-R008)は、ブランドの初期1999年に生まれました。ダイヤモンドではなく、キュービックジルコニアという人工石を使用しています。最初はもっと大きなキュービックジルコニアが1つセッティングされたリングを「ダイヤモンドがこんなに大きかったらおもしろいでしょう」という気持ちで、ちょっと驚いてもらえるようなものをイメージしてデザインしました(0001-R011)。それでみんなが喜んでくれるわけです。大きくてキラキラするところも気に入ってもらえたようで、手を華やかに見せてくれると。そこからさらにセッティングしたキュービックジルコニアが揺れるものにバージョンアップすると、また揺れることに喜んでもらえたり…(0001-R012)。

ブランド初期の頃から人気のリング「0001-R008」。
ボリューム感や揺れる表情は気持ちを上げてくれる。

リング「0001-R008」。

リング「0001-R011」。

リング「0001-R012」。
―さらに広がっていくのですね。
飛田 その次に、石自体をちょっと小ぶりにして2つセッティングしたものが生まれました。それが今回ご紹介したR008です。最初に作った大きなものはゴロっと揺れる感じだったのですが、こちらは少し軽やかな揺れ方になりました。2つの素材が揺れるときのコロコロとした音の響きもよかったと思います。キュービックジルコニアにパールを合わせると可愛いかもとなり、初めてパールを使いました。それまではハードな雰囲気のジュエリーをメインに作っていたので、キュービックジルコニアやパールを使い始めたのも新しい展開でした。
―男女とも着けられそうですね。
飛田 今はパールを好んで着けられる男性も増えてきましたね。もともとボリューム感やシルバーの表面の自然な凹凸の雰囲気を気に入ってくださる方は男女問わずブランド初期からいらっしゃいました。一般的には、石は立たせてセッティングするのがセオリーですが、それが揺れる。また、キュービックジルコニアがキラッとしたり優しい雰囲気のパールが付いていたりする一方で、無骨なシルバーのデザインでもある。テイストに縛られず、ちょっと人とは違う面白味があるところが男性にも女性にも気に入っていただけているのかなと思います。
―ロングセラー商品ですね。
飛田 来年30周年を迎えますが、このデザインは30年近く愛されてきたもので、ここから入ってブランドのファンになっていただく方も多いです。
―サイズ展開は?
仲谷 基本的には9号から19号、ものによっては23号あたりまであります。オーダーでお好みのサイズを作ることも一部可能です。
―新作はどのくらいの頻度でお作りですか?
仲谷 展示会があるタイミングで新作を出しています。それがないと、なかなかできない(笑)。展示会は春夏1回、秋冬1回、あとクリスマスで、年に3回が基本です。
―オンラインショップはいつごろから?
飛田 2007年からです。それまでは白金の1号店をはじめ、2006年以降表参道や新宿にも店舗をオープンし実際に店頭でお手に取っていただく形がメインでした。オンラインショップも始まり、名古屋、大阪などにも店舗を開いて現在は9店舗あり、より多くのお客さまに見ていただく機会が増えました。
―今後の展望をお聞かせください。
仲谷 来年は30周年。そこまで続けられているので、そのままさらに長く続けばいいなということが一番です。毎回少しずつ前進しながら進めていきたいと思います。
飛田 同じく長く続けていけたらいいなと思います。時代の波というか、ファッションを引っ張っていく世代も変わっていくなかで、いろいろな世代に認めてもらって続いていけばいいなと。20代前半や中盤の人たちにもブランドを認知していただいて、引き継がれていけるような、そんなふうになっていければと思います。
―「ありそでなさそな」ジュエリーの世界を、もっと拝見したくなりました。貴重なお話をありがとうございました。

「リング(0001-R008)」
価格:¥42,900(税込)
店名:e.m.
電話:03-3449-3927(9:00~17:00 土日・祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.em-grp.com/products/0001-r008
オンラインショップ:https://www.em-grp.com
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
仲谷英二郎(イー・エム・ボックス有限会社 代表取締役)
1972年1月大阪生まれ。
飛田眞義(イー・エム・ボックス有限会社 代表取締役)
1972年3月大阪生まれ。
1996年アクセサリー・インテリアのブランドe.m.を立ち上げ、セレクトショップを顧客に卸売業開始。2001年イー・エム・デザイン株式会社設立。2003年イー・エム・ボックス有限会社設立、第一号店である「e.m.box」を東京都港区白金にオープン。
<文/大喜多明子 MC/田中香花 画像協力/e.m.>