「かまぼこ」といえば昔ながらのおかずのイメージですが、福島県の老舗かまぼこメーカーのブランド「美味一膳」は、ひと味違うプレミアムな商品展開で注目を集めています。今回、編集長アッキーが気になったのは、魚介を乗せた手まり寿司型の「こてまり」と、かまぼこのイメージを覆すジャンクなおいしさの「はまドッグ」。株式会社夕月 代表取締役社長の清水淳子氏と専務取締役の奥野高士氏に、商品の魅力やおすすめの食べ方を取材陣が伺いました。
これ、本当にかまぼこ?手まり寿司のような「こてまり」と、ジャンクなおいしさが新しい「はまドッグ」
2024/06/28
株式会社夕月 代表取締役社長の清水淳子氏
―清水社長が株式会社夕月へ入社された経緯をお聞かせ下さい。
清水 弊社は1951年に、私の父の「どこよりもおいしいかまぼこを作りたい」という強い希望により創業した会社です。私は幼い頃「かまぼこ屋さん」の家業に少しコンプレックスがあり、また4人兄弟の末っ子で兄が2人いたので、自分が会社を継ぐ考えは全くなく東京で就職しました。
しかし、あるとき父に創業の頃の話をじっくり聞いたところ、母と一緒にリアカーを引いたエピソードなどに引き込まれ「この業界に入って一緒に仕事をしてみたい」と思ったのです。
1951年に創業し、リアカー1台から商売を始める。
和気あいあいとした会社であることは先代からの変わらぬ理念。
―入社されてどんなご苦労がありましたか?
清水 私が社長の身内であるがゆえに、周りの人の本音に触れられないことは困難のひとつでした。しかし、かまぼこの製造に取り組むという私の思いが強まったことや、専務の奥野が助けになってくれたこともあり、そういった垣根のある状況を打開できました。
従業員がやりがいを持ち、家族のように笑顔で働ける会社にしていくという両親の理念は、私や奥野も共通の土台として持っています。
―今回紹介する商品のブランド「美味一膳」シリーズについて伺えますか?
清水 もともと夕月には、板かまぼこなどメジャーな商品のプレミアムラインとして「美味一膳」ブランドがあったのですが、そこに今回紹介する「こてまり」のような、ひと手間掛けた手作り感のある商品も採用し、改めてブランドとして完成させたのが現在の「美味一膳」シリーズです。
―「こてまり」の開発やこだわりについてお聞かせ下さい。
清水 「美味一膳」には、本ずわい蟹やほたてを乗せた「珍味かまぼこ」という商品があり、40~50代の女性が顧客層となっていました。そこで、さらに女性に好んでいただける商品として開発したのが、6種類の魚介をそれぞれに乗せた、手まり寿司型のかまぼこ「こてまり」です。可愛らしい形に加えずわい蟹や海老、鮭を使って彩りを良くし、華やかさを演出できるようこだわりました。
丸型のかまぼこに、のどぐろやずわい蟹、
ほたてなどの贅沢な具材を乗せた「こてまり」。
―「こてまり」のおすすめの食べ方を教えて下さい。
清水 和風に食べるのはもちろんですが、オリーブオイルにとても合いますので、フランスパンにオリーブオイルをたらして「こてまり」を乗せ、カナッペのように食べるのもおすすめです。また、きゅうりなどを間に挟んでピンチョスにすると、ワインに合い、パーティなどのおもてなしメニューにもなります。ワイングラスなどに和出汁のジュレを入れ、カットした「こてまり」を入れると華やかな料理になるので、ぜひ試していただきたいです。
野菜などと一緒にピンチョスにすると華やかなパーティーメニューに!
ひと口で食べる場合は「こてまり」を半分にカットするのがおすすめ。
ワイングラスを器にジュレ仕立てにしてもおしゃれ。
和出汁ベースのジュレとかまぼこは味わいの相性が抜群。
―奥野専務、もう一つの商品「はまドッグ」について、目指した味わいやこだわりをお聞かせ下さい。
奥野 「はまドッグ」は、魚のすり身にチーズやベーコンを加え、薄い食パンで包んで揚げた商品です。既存の練り物から脱することをコンセプトに、どこでもワンハンドの片手で食べられるボリュームある商品を目指して作りました。かまぼことパンを合わせた商品は他社にもありますが、チーズやベーコンを合わせているのは弊社独特の取り組みです。
ただ、パンを使ったために新たに菓子製造業許可が必要になり、保健所からストップがかかるなど、販売できるまで時間がかかった商品でもあります。そういった「脱・練り物」に挑戦する際の思わぬ苦労も含め、様々な思いを込めた商品となりました。
外はカリッとジューシー、
中はチーズの風味豊かでおやつやおかず、ビールのおつまみにもおすすめ。
かまぼこのイメージが変わるちょっとジャンクなおいしさ。
―「はまドッグ」はどんな人やシーンにおすすめの商品ですか?
清水 油で揚げており、チーズも入ってボリュームがあるので、若い方をターゲットにしています。小腹がすいたときやおかずの一つとして気軽に食べてほしいです。現在は高速道路のサービスエリアでも販売しており、いままでの商品とは違う販売展開をしたいと思っています。
すり身にチーズやベーコンも加えているのがこだわり。
手で持って気軽に食べることもでき、ボリューム感もばっちり!
―幅広い年代におすすめしたい大人気商品もあるとか?
清水 「チーズ大好きおさかな家族」というお魚型のかまぼこで、ムラサキ芋など5種類の国産野菜パウダーですり身を色付けし、柔らかなチーズを包みました。カラフルで可愛らしく、お土産やお弁当のおかずにも喜ばれます。「練り物」は年配の方向けのイメージがあるので、こういった商品もSNSやホームページで知っていただき、幅広い年代の方に手に取ってほしいです。
彩り豊かで可愛らしく、子どもも喜ぶ「おさかな家族」。
着色には100%国産の野菜を使用している。
―御社の今後の展望についてお聞かせ下さい。
清水 現在の弊社の柱は「かまぼこ」なのですが、そのほかにもう一つ柱となる商品を展開し、拡大していく夢を持っています。ただ投資できる範囲には限りがあるため、現在の工場で作れるなかで、違った魅力のある商品を考える姿勢が必要です。新しく、かつおいしい商品をお客様に提供し、リピートに繋げていきたいと思っています。
―締素晴らしいお話をありがとうございました。
「こてまり」(180g)
価格:¥1,134(税込)
店名:美味一膳
電話:0246-75-0501(9:30~17:00 水曜除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://bimi-ichizen.com/shop/3102006-2/
オンラインショップ:https://bimi-ichizen.com/
「はまドッグ」(5本入)
価格:¥1,350(税込)
店名:美味一膳
電話:0246-75-0501(9:30~17:00 水曜除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://bimi-ichizen.com/shop/7101006-2/
オンラインショップ:https://bimi-ichizen.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
清水淳子(株式会社夕月 代表取締役社長)
1962年福島県いわき市生まれ。東海大学卒業後、セゾングループに入社し、10年の社会経験を経て1993年に株式会社夕月に入社。2018年に同社代表取締役社長に就任。いわき信用組合理事、商工会議所工業部会副理事も務める。
<文・撮影/ふるとりあやめ MC/髙橋美羽 画像協力/夕月>