第2回 「地産地消の輝き てっぱん秀とぶどうの丘」

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前回中国のSNSであるWEIBOのフォロワーが現在236万人いて、アイドル並の接待を受けることが多いということをお伝えしました。
僕が中華圏に行くと、写真一緒に撮って欲しいというリクエストがあとを絶たず、
まるでミッキーマウスの様な状態になることがあります。
これはWEIBOの僕のフォロワーが載せた写真です。

こんな状態が毎日ずっと続きます。
どちらかというとこの人気は、「新しいことやるエッチなおじさん」とキャラクター化した結果だと自分では分析しています。
そして、その人気を利用して日本や中国に向かって、情報やイベント等、
いろいろなことを仕掛けるのが、最近の僕の仕事になっているのです。
吉祥航空という中国の航空会社の機内誌の編集長もやっています。

そんな僕なのでいろいろな地方から「もっと○○を広めて下さい!」と声がかかります。

中国人の持っている性格のひとつに「知らないものに対してはまったく興味を示さない」というものがあります。
これは日本みたいに「アメリカでバカウケの商品」というコピーは通用しない、ということを意味します。
だから中国で成功をおさめるためには、何よりもまず知ってもらうことが必要なのです。
そのためには中国人の知っているものを利用して、そこからプロモーションするという方法が重要になってきます。

もちろん僕のことは知ってるから僕が紹介することにはまず耳を傾けます。
耳を傾けますが、紹介したものは知らないわけだから、知ってもらうまで何度も情報を流す必要がある。
何度も流さなければいけないから、僕が中途ハンパに紹介しても、その中途ハンパさ加減は必ずバレる。

だから僕が紹介するものは、ちゃんと検証してきちんと自分が好き、って言えるものだけなのです。

ということで前置きが長くなりましたが、
僕は、昨年から行きだした山梨にどっぷりはまっている、ということを言いたかったのです。

山梨に行くと(って山梨だけには限りませんが)、僕は気持ちを中国人に変えて、街並みを見直します。
中国人的な感覚から「興味が湧くもの」を探すようにするのです。

美味しい空気。美味しい水。そして澄んだ空。
住んでいると忘れがちだけど、これはもっとも観光に重要な要素となります。

昨年の夏に山梨に行った時、
「シャキシャキの桃を食べたことがありますか?」
と僕を案内していただいている方から聞かれたことがあります。
もちろん食べたことがないので、
「ない」と答えたら
「この時期は採れたばかりの桃はすぐ食べると梨やリンゴみたいな歯ごたえなんですよ」
と、桃農園に直行。
初めてのシャキシャキ桃体験をしたことがあります。

地元の自然が育んだまんまの食材がまずいわけがない。
この話をみんなにすると誰もがそのシャキシャキ桃を食べたくなる。
このあたりの認識は日本人も、中国人も同じです。

さて、お待たせしました。
「てっぱん秀」の紹介です。
「中国人は美味しいお肉が好き」というリクエストを出して連れて行ってもらった
甲府の中央にあるレストラン。

メニューに書いてあった
「黒毛和牛100%使用の肉汁溢れる絶品ハンバーグ&ステーキ」
という言葉に最初から魅かれまくりです。

お店の一番奥には地元甲州のワインを自分で選べて好きな分量だけつぐことのできる機械があります。
その横には中国人が好きそうな日本のウイスキーの保管庫が。

中国ではだいぶ前から富裕層を中心にワインブーム。
ただしなぜか赤ワインだけで白ワインはあまり飲まれていません。
本来ワインを意味するはずの白酒が、
中国では50度以上のアルコール度数を誇る蒸留酒を意味することもその原因なのかな、と思います。

あと日本のウイスキーは大ブームすぎて
山崎の30年ものはもう製造中止もあり、中国での流通は一本百万円単位。
これまではあまり飲まれることのなかった日本酒も
都市部の若者を中心にかなりブームになってきてる。

こんな情報を知ってるだけでも、
メニューにそれを反映できるのではないでしょうか。

もちろん、日本人がうまい、と思ってないものを中国人は頼んだりしません。
日本人である私たちがいいと思うもの、
それこそ、インバウンド成功の鉄則なのです。

お通しの地元野菜の自家製ピクルス
15種野菜のバーニャカウダ
焼きロメインレタスのシーザーサラダ
魚介のシャンパン蒸し
(粉を一切使わない)長芋ステーキ
黒毛和牛100%レアハンバーグ
甲州牛ヒレステーキ(左)&サーロインステーキ(右)
チーズパン (ステーキの下敷きパンのリメイク)
自家製プリンシャーベット
チーズリゾット (シャンパン蒸しの汁のリメイク)

もちろん料理が美味しいことが前提ですが、
素材全部が地元で採れたものであるというグローバリズムの対極にある姿勢、
これこそが海外からのお客さんを呼ぶのにもっとも重要なポイントです。

今回のお邪魔した
「てっぱん秀」の料理で改めてその言葉の説得力を噛み締めました。

どこからも見える富士山が地元の人には当たり前の日常であっても、
そこを訪れる観光客にはそれは奇跡に近い存在だったりもする。

インバウンド成功の鍵は、
慣れ親しんでいる僕たちの日本をもう一度見つめなおすところから始まります。
てっぱん秀
所在地:山梨県甲府市中央1-1-14
055-227-9030
てっぱん秀Facebookページ

山梨県勝沼市の葡萄畑をあがって行ったところの勝沼ぶどうの丘にはすばらしいワインカーブがある。何が素晴らしいって甲州市推奨の約200銘柄のワインがどれでも試飲できるのだ。(専用試飲容器タートヴァンの購入\1100が必要)
赤、白、ロゼ、辛口から甘口までありとあらゆるワインがそろっている。どれもそれぞれの個性を主張している。ああ、日本のワインもここまで来ているんだ、と感慨深い。そこでポルトワインのような極甘のデザートワインが目についた。名を『周五郎のヴァン』という。試してみると馥郁とした香りと深い味わいが広がりなんとも言えない。
買って帰ったものの、あっという間に飲み干してお取り寄せする次第となった。

『周五郎のヴァン』
http://www.grace-wine.jp/our_wines/shugorou/index.html
ぶどうの丘
所在地:〒409-1302 山梨県甲州市勝沼町菱山5093
http://budounooka.com/

米原 康正

米原 康正

フォトグラファー

世界で唯⼀チェキをメイン機材とするアーティストとして、雑誌、CD ジャケット、ファッションカタログ等で幅広く活躍。中華圏での人気が⾼く、中国版 Twitterである「新浪微博(weibo)」でのフォロワーが236 万人を越し、weiboの日本人男性フォロワー数が稲盛和夫、福山雅治、中田英寿に次ぐ第4位である。シューティングと DJ をセットにしたイベントでアジアを賑わせている。また、過去には『egg』『smart girls』といったストリート系雑誌の創刊に関わり、渋谷や原宿のアウトサイダーな⼥⼦文化の発信に⼒を⼊れてきた。現在は地方自治体などを中心にインバウンドマーケティングのプロデュースを得手とする。(平成28年熊本地震の復興⽀援を目的とした、日本政府復興事業“One Kyushu Project”の特別審査委員も務める。)

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