第19回 御菓子所 川上屋『さゝめさゝ栗』と安藤雅信さんの豆皿

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは、飛田和緒です。今回ご紹介するのは栗きんとん発祥の地、岐阜県中津川の老舗、川上屋さんの『さゝめさゝ栗』です。秋の風物詩で季節限定が多いの栗きんとんですが、このお菓子は一年中、いただけるとのことで取り寄せてみました。

江戸時代、中山道の宿場町として栄えた中津川宿は、栗の産地でも有名。栗きんとんには、甘露煮がありますが、中津川が発祥の栗きんとんは、茹で栗や蒸し栗に砂糖をまぜたもの。秋になると町全体が栗きんとんで盛り上がり、観光バスが並ぶほど人気です。そのなかでも川上屋さんは、1864年創業の老舗中の老舗で、遠方から訪れるファンもたくさん。ひとつひとつを丁寧に手づくりしているため、上品な味わいの和菓子がそろっているお店です。
「秋はこれを食べないと」という方の多く、もちろん私もその一人。ですが、川上屋さんは、栗の収穫期に新鮮な栗を使うことにこだわっているため、季節限定です。そこで、栗きんとんが一年を通して味わえる『さゝめさゝ栗』に注目しました。
川上屋さんの栗きんとんは、蒸した栗に少し粒を残しつつ砂糖を加えて炊き上げるため、自然な淡黄色がきれいで、栗本来の豊かな風味が楽しめます。『さゝめさゝ栗』は、その栗きんとんを蒸し羊羹で包んでいるため、“中津川の栗きんとん”をしっかりと味わえる、とても手の込んだ和菓子。栗きんとんのしっとり感と蒸し羊羹らしいもっちり感、ふたつの異なる食感がおいしさを高めています。また、栗きんとんは素材を活かしたあっさりとした甘さ、羊羹はしっかりと甘め、そのバランスも絶妙です。竹皮で包まれた風情にも惹かれますね。自分用はもちろん、贈り物にも喜ばれる一品です。

器は、同じ岐阜県で工房を構える人気陶芸家、安藤雅信さんの豆皿です。大好きな作家さんなので、大小様々な作品を使っていますが、持っている中でも直径10.5cmと小さいタイプ。10年以上前、個展を訪れた際に6枚購入しました。残念ながら震災で1枚割れてしまったので、いまは5枚。普段は、お菓子やおつまみを入れたり、醤油皿にしたり、薬味を入れたり、使い勝手よく活躍しています。安藤さんらしい、やわらかな質感とすっきりとした白がいいですね。

さて、我が家の食卓を少しご紹介。
10月の前半は何といっても新米です。我が家では長野からお米が届き、炊き立てのご飯が毎日のごちそう! になります。お米がおいしいので、家族からは味噌汁と漬物だけでいいと言われ、おかずを何も作らない日が何日もありますよ。よく食べるのは、大根のハリハリ漬けや、キュウリの古漬。古漬けは長野の母の手作りです。夏に収穫したキュウリをしっかりと塩漬けしたもので、水分が出るのでほっそりした漬物。塩を抜いていただきます。塩抜きしたものを酸っぱい醤油汁で煮て佃煮のようにすると、1年ほど食べられる保存食にもなります。新米の季節に、漬物は欠かせないごはんのおともです。

<気になる和菓子>

さゝめさゝ栗

価格:
3,300円/2本入り(税別・送料別)
賞味期限:

5~7日(発送日含む、夏季は5日)

店名:
御菓子所 川上屋
住所:
岐阜県中津川市本町3丁目1−8
電話:
0573-65-2072
営業時間:
8:00~19:30
定休日:
水曜

紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報になります。

<撮影/山川修一(扶桑社)、取材・文/田中ゆう子(扶桑社)>

飛田 和緒

飛田 和緒

料理家

家庭料理や保存食などを中心に、日々の食卓で楽しめる料理をつくり続けている。テレビ、雑誌での活躍するほか、年間数冊の書籍を上梓。第1回料理本大賞受賞の『常備菜』(主婦と生活社刊)のほか、ロングセラーの『[新版』私の保存食手帖』(扶桑社刊)など、著書はおよそ100冊に上る、ほか共著も多数。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

料理家 飛田和緒の気になる和菓子、大好きな器。新着記事

おすすめ記事