
暑い夏にこそ味わいたい!鹿児島・桜島の小みかんを使ったジン
2025/06/19
アルコールの中でも、ここ数年グンと人気が高まっているのがジン。ソーダやトニックで割ると、自宅でも本格的なカクテルが楽しめます。今回、編集長アッキーこと坂口明子が気になったのは、鹿児島県で約140年の歴史を持つ焼酎蔵が手がけた「KOMASA GIN -桜島小みかん-」。地元ならではの素材である桜島小みかんを使用したジンで、豊かなみかんの香りが広がります。商品作りのこだわりについて、製造元である小正醸造株式会社 代表取締役社長の小正倫久氏に取材陣がお話を伺いました。

小正醸造株式会社 代表取締役社長の小正倫久氏
―小正社長はいつ入社されたのですか?
小正 2006年に入社しました。入社を考えたのは大学時代、就職活動中です。もともと小正家には、会社は長男が継ぎ、次男以降は別の分野で活躍するべし、という方針がありました。私は次男ですので、それまで弊社に就職するという考えはなかったのですが、いざ就職活動を始めてみると、今の自分があるのは、やはり小正醸造という会社があるからであり、社員のみなさんが支えてくれたからこそ。そこで、まずは両親に思いを伝え、兄にも相談し、入社させていただきました。
入社後は、日置の蔵で営業に必要な焼酎製造の知識を身につけ、東京で約10年間営業を担当し、2017年7月に経営戦略本部の部長として再び鹿児島に戻ってきました。その後、ウイスキー事業部を分社化して兄がそちらの社長を務めることになり、私には焼酎部門を見て欲しいということで、2021年に社長に就任いたしました。
―御社の創業のきっかけについても伺えますでしょうか。
小正 弊社は1883年に会社を設立していますが、それまでずっと地元にある八幡神社の御神酒造りを担当させていただいていました。一般的に御神酒と聞くと、日本酒をイメージされるかもしれませんが、鹿児島では焼酎で御神酒を作ります。2023年にはおかげさまで創業140周年を迎え、2024年に記念式典を執り行うことができました。
―オンラインショップはいつ始められたのですか。
小正 2005年、父が代表を務めていた頃です。商品を直接お客様にお届けできるBtoCの強化として始めました。
―それ以前は完全に卸がメインだったのですか?
小正 そうですね。昭和の頃は卸メインで、平成に入ってから酒販店様とも直接取引をするようになり、タイミングを見てオンラインも始めた、という流れです。
―それでは今回の商品についてご紹介ください。「KOMASA GIN -桜島小みかん-」はいつ販売を開始したのですか?
小正 2018年です。弊社はずっと焼酎を造ってきた会社ですが、ジンも焼酎と同じ蒸留酒である、ということで、知識と技術を活かすべくレーベルを立ち上げました。そして造るからには「鹿児島」に焦点を当てようということで、まずは桜島の小みかんを使った「KOMASA GIN -桜島小みかん-」を手掛けました。そもそもジンとは、ジュニパーベリーというスパイスを用い、さらに他のスパイス、フルーツの果皮などの素材(ボタニカル)を用いた蒸留酒を指します。「KOMASA GIN -桜島小みかん-」は、弊社の米焼酎をベースに、ジュニパーベリー、メインのボタニカルに桜島小みかん、さらにコリアンダーの3種類を取り入れ、ダイレクトに小みかんの香りが楽しめるジンに仕上げました。

ドライなジンの味わいに、みかんの優しい香りが広がる「KOMASA GIN -桜島小みかん-」。
―2024年に香港で開催をされたコンペティションで賞を受賞されていますが、こちらはどのような大会だったのですか?
小正 「Tasting Trendies Spirits Challenge 2024」は、バーテンダーなど、お酒を扱う方々が審査を行うコンペです。こちらでは、GIN(Below HK$500)部門で、「Best of Category」という賞を受賞しました。他にも2022年の「IWSC(インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション)」ではシルバー賞、2024年の女性が選ぶコンペ「フェミナリーズ世界ワインコンクール2024」では金賞を受賞するなど、高い評価をいただいています。
―ファミリーマートでも、「KOMASA GIN -桜島小みかん-」を使った缶入りジンソーダを拝見しました。
小正 「KOMASA GIN -桜島小みかん-」はボトルで3,000円を超える商品です。より手に取りやすく、お求めいただきやすい商品が作れないか、ということでチャレンジさせていただきました。おかげさまで評判が良く、第3弾まで展開いたしました。この試みで、より多くの方に「KOMASA GIN -桜島小みかん-」のことを知っていただけたのではないかと思います。
―お勧めの味わい方を教えてください。
小正 やはりソーダで割って飲んでいただくのがベストだと思います。この「KOMASA GIN -桜島小みかん-」は、桜島小みかんの皮を使っています。皮には油分が含まれており、ソーダと割ると少し濁るのですが、それが旨さを助長させてくるのです。

トニックウォーターで割ると、「小みかん ジントニック」が完成。

「吹上浜サンセット」と名付けられたカクテルは、
「KOMASA GIN -桜島小みかん-」をオレンジジュースで割り、
グレナデンシロップを加えたもの。
―桜島小みかんが描かれたパッケージも素敵です。
小正 発売時は、今ほどみかんのイラストは入っていなかったのですが、リニューアルをしてよりボタニカル感を感じていただけるものになりました。デザイン上、女性にも手に取っていただきやすくなったと思います。
―お客様からはどんな感想を寄せられていますか?
小正 「すごくおいしい」というお声が一番多いです。ちなみにイベントでは、店頭に並んだ空きボトルを見て「欲しい!」とおっしゃる方もいらっしゃいました。
―「KOMASA GIN」には別の味もあるのですね。
小正 第2弾として「ほうじ茶」を作りました。こちらは鹿児島県日置市にあるお茶屋さんから仕入れたほうじ茶を主役にしています。また第3弾では、同じく日置市のイチゴを使ったジンを作りました。

ほうじ茶にジュニパーベリー、そしてなんと「ヒノキ」を使った「KOMASA GIN-ほうじ茶-」。

「KOMASA GIN-苺-」にはラズベリーやバジルといったボタニカルを使用。
―現在開発進行中の商品もあるのでしょうか?
小正 実は今、「イチゴ」のカラーエディションというものを準備中です。スポット商品になるのですが、6月13日頃に発売予定となっています。
―今後のご展望についてもお聞かせください。
小正 一つ一つの商品をお客様にしっかりとお届けしていきたいです。酒販店様の協力のもと販売をさせていただいていますが、合わせてSNSなども活用し、弊社の思いをお客様にお届けできたらと思っています。
また弊社の日置醸造蔵では、蔵見学も行っています。遠路はるばる鹿児島まで足を運んでくださるお客様にしっかりとしたサービスを提供したい、ということで現在改修を行っており、2025年7月からは新たなコンテンツをお楽しみいただける予定です。午前の部、午後の部の予約制にして、弊社のことを深く知っていただける場にできたらと考えています。
弊社ではやはり焼酎が一番大きなウエイトを占めていますが、ウイスキーやジン、リキュールも造れるメーカーとして、今後も、若い世代の方が「飲みたい!」と感じてくださる商品をどんどん作っていきたいと思います。
―貴重なお話をありがとうございました!

「KOMASA GIN -桜島小みかん-」(500ml)
価格:¥3,630(税込)
店名:小正醸造 公式オンラインショップ
電話:099-292-3535(8:00~16:50)
定休日:土曜、日曜、祝日、インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.shop-komasa.jp/?pid=152663394
オンラインショップ:https://www.shop-komasa.jp
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
小正倫久(小正醸造株式会社 代表取締役社長)
1981年鹿児島生まれ。2006年、大学卒業と同時に家業である「小正醸造株式会社」に入社。日置蒸溜蔵にて焼酎製造に携わり、翌年より東京支店に営業職として赴任。2017年に鹿児島へ戻り、執行役員・経営戦略本部部長を経て、2021年に代表取締役社長に就任。
<文/鹿田吏子 MC/田中香花 画像協力/小正醸造>