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スタイリッシュな琉球泡盛「ZANPA TAKASHIHO(ザンパ タカシホ)」。ワイン感覚で楽しめる、食中酒にぴったりの飲みやすさ!

2025/06/17

沖縄県の伝統的な蒸留酒、泡盛。独特な風味と香りをもつ米焼酎の一種で、沖縄旅行で飲んだり、沖縄土産としていただいた経験のある人も多いのではないでしょうか。

アルコール度数が高く、飲み慣れない初心者には少しハードルが高いイメージでしたが、今回アッキーこと坂口明子編集長は、そのイメージをくつがえすとても飲みやすい泡盛を発見!料理と一緒に食中に飲むことを前提に造られた、「ZANPA TAKASHIHO(ザンパ タカシホ)」です。飲みやすさや親しみやすさの秘密を、製造・販売元である有限会社比嘉酒造 代表取締役の比嘉兼作氏に、取材スタッフが伺いました。

有限会社比嘉酒造 代表取締役の比嘉兼作氏

有限会社比嘉酒造 代表取締役の比嘉兼作氏

―これまでの泡盛のイメージにはない、おしゃれな名前とロゴが新鮮ですね!

比嘉 ありがとうございます。「ZANPA(ザンパ)」の名は、弊社にもともとある「残波」という、地元の岬の名前からつけた銘柄に由来していまして、琉球泡盛を次世代に向けてアプローチすべく、2020年に大々的にリブランディングしたものです。新ロゴやパッケージに泡盛のイメージを一新するようなスタイリッシュなデザインを採用し、年に一度の新作発表会や料理とのマリアージュを提案する会、ファンイベントの開催など、これまでの泡盛にはあまりなかった試みにもチャレンジしています。

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ブランドコンセプトは「SMILE BE WAVES」。
「ZANPA」を取り巻くシーンで、笑顔が波のように広がってほしい、
との願いが込められている。

―「ZANPA」は泡盛の新ブランドということなのですね。

比嘉 泡盛は、沖縄の気候に合った黒麹を使用して麹だけで造る全麹仕込みの蒸留酒で、沖縄の文化と歴史に大きくかかわってきました。沖縄特産品としての利点を生かしつつ、ワインのようにもっと多くの人に飲んでもらいたい。「残波」を「ZANPA」として現代のライフスタイルに合わせた新しい表現でブランド展開することで、世界中の人と人とが集まり時間を共有する場面に欠かせないお酒に育ってくれれば…そんな思いです。

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「ZANPA」ブランドは、古酒やプレミア酒を使った高級ラインの「ZANPA DROPS」と、
既存のレギュラーラインが属する「SANPACHI WAVE」の2シリーズ展開。

ではまず、御社の創業ヒストリーから教えてください。

比嘉 太平洋戦争の終戦直後、私の祖父にあたる比嘉寅吉(ひがとらきち)という人物が、沖縄本島中部にある読谷村の高志保(よみたんそんのたかしほ)というところで泡盛造りを始めたのがそもそものスタートになります。

戦後の沖縄は文字通り焼け野原で、贅沢な嗜好品であるお酒はなかなか手に入るものではなく、危険を承知でメチルアルコールを飲んで命を落とす人も少なくなかったそうです。教師だった祖父母はそんな沖縄の状況に心を痛め、退職して7人の仲間たちと共に「安心・安全な酒を造る」という理念を掲げて泡盛造りを始めました。

―泡盛造りのご経験はあったのでしょうか。

比嘉 いいえ。まったくの未知の世界だったようです。でも「一刻も早くきちんとしたお酒を造って届けなければ、沖縄が大変なことになる」と、日夜邁進しました。当時は酒をドラム缶に入れてリアカーに乗せ、量り売り。最初は当然おいしくなくてあまり売れなかったみたいで、酒造りで出るお湯を使ってお風呂屋さんを営んだり、蒸留時に出る酒粕で養豚をやったり、今でいうSGDsにも取り組みながら徐々に腕を磨いていきました。

アメリカ民政府から民間移管され、南部酒造組合として法人化したのが終戦から3年後の1948年。1953年に比嘉酒造と改名して祖父が初代社長に就任し、念願の酒造免許を取得して、晴れて酒造メーカーとして泡盛販売を開始しました。

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創業者・比嘉寅吉の「安心・安全な酒を造る」という企業理念は、
現在までしっかりと受け継がれている。

―その頃の主要銘柄が「残波」ですか?

比嘉 弊社の第一号泡盛は「マルタカ」といって、地元・高志保にちなんだ〇(まる)の中に高と書く銘柄をしばらく販売していました。ところが1972年に沖縄県が本土復帰することになり、〇に高のマークは本土の某老舗デパートと商標が被るということで、使えなくなってしまったのです。復帰の混乱で一部沖縄だけ使わせてもらったりしましたが、やはり法律上、本土では売れないということで、1980年に先ほどお話した「残波」が誕生することとなりました。

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地元の残波岬から命名した「残波」は、沖縄県の飲食店で定番の人気酒。

売れ行きはいかがでしたか?

比嘉 1994年に祖父が会長に退き、父が跡を継いだ頃にはかなり売れていたようです。といいますのも、当初35度と高めのアルコール度数で販売していた「残波」ですが、あまり酒が強くない父が、もっと飲みやすい泡盛を、といろいろ改良を重ねてそれが功を奏したからなのです。

当時、泡盛は男性が飲むものというイメージが強かったのですが、父は女性や泡盛が苦手な方にも飲んでもらいたいと、試行錯誤。メカには相当強かったようで、オリジナルの滅圧蒸留器を開発して、香りの高いバナナのようなフレーバーの泡盛を造り上げました。度数も25度と30度以下にして、飲みやすくなったことで回転数が上がり、売り上げも右肩上がりでした。

―2代目社長であるお父さまが、あまりお酒が得意でなかった…。

比嘉 そうなんです。大酒飲みだったらその機械の導入はなかったでしょうね。父は酒を飲めなくて、開発に必死だったそうですから(笑)。

あれよあれよという間に爆発的なヒットとなり、工場はフル回転。1995年には沖縄民謡歌手の方を起用してテレビCMを打ったこともありました。1997年頃、いよいよ忙しくて人手が足りないから加勢しろと、当時大学生だった私は実家に呼び戻されたのです。

―大学を辞めて入社されたのですか?

比嘉 東京農業大学の農学部醸造学科に通っていたのですが、卒業する前に帰って来いといわれてしまいました。実は7年間通っていて、8年計画の最後の年だったのですが(笑)、もう十分遊んだだろう、学んだ醸造の知識を生かす時だと。あと1年待ってくれと頼んでもダメでした。

―もともと家業を継ごうと思っていたのでしょうか。

比嘉 はい。小学校6年生くらいには私が3代目として跡を継ぐということを兄弟で話していましたし、祖父や父の仕事ぶりを見て酒造りに興味があったので、醸造の勉強をするために大学を選んだのです。ただ正直、私は父と違って勉強より飲む方が好きみたいですが…(笑)。

1991年の入学時点では、祖父母、両親、叔父叔母、近所の顔見知りの方々など12名ほどが働くほぼ家族経営だった弊社ですが、戻った頃には従業員が20名に増えて、それでも手が回らなくなっていました。

当時、開業地の高志保に工場があったのですが、現在の長浜に増設したのもこの頃です。研究のため父と九州の焼酎メーカーさんを中心に工場見学して回り、2001年に新設移転しました。この拡大により、週に1万本くらいしか造れなかった酒が1日2万本詰められるほどにまで生産効率が上がり、今では50名を超える従業員の方に働いていただいています。

―オンライン販売を始めたのはいつ頃ですか?

比嘉 2012年頃です。2009年に父が会長になり、私が代表に就任してからも、必要性は感じながらもインターネット系が不得意なばかりになかなか着手できずにいて…。まずはお問い合わせをいただく方や観光のお客さまなどに弊社について知っていただくためのホームページをつくる会社を立ち上げ、そこから少しずつ取り組み始めて、自社サイトからオンラインショップ化したという経緯があります。

―「ZANPA」のおしゃれな動画付きサイトなどを拝見したので、意外ですね。

比嘉 お恥ずかしい話なのですが、ネットは不得意で(笑)。工場を移転したこともあり、同じ時期に直売所も設けたんです。やっぱりリアルのショップも欲しいと思い、工場内に自社ショップをつくればお客さまと直接お話しできるねなどと社員と話していました。2018年には創業70周年を迎えたので、記念事業の一環で、せっかくだから工場見学も企画して大々的に蔵開きをしようなどと、どちらかといえばリアルショップに意識がいっていました。

ところが、2020年にコロナ禍に突入して、お客さまとの対話はおろか、直接販売できるのはネットだけとなってしまいました。少しずつながらオンライン販売を始めていて本当によかったと思ったものです。インターネットが得意な若者が社員にいてくれたので、サイトリニューアルをしたりSNSでの発信を始めたり。社外クリエイターの力も借りて、現在のような動画付きのサイトへと様変わりさせることができました。

―「ZANPA」のリブランディングも同様の時期でしょうか。

比嘉 本格的にイメージ一新したのは先ほどお話したように2020年ですが、じつはその前からいろいろ仕掛けておりました。例えば2000年代前半くらいにハイボールブームが起きたので、「残波ハイボール」を販売したんです。缶チューハイみたいにすぐ飲める、いわゆるRTD(Ready To Drink)の缶飲料です。ところが時期が早すぎたのか、全く売れなくて…。新工場設立に伴い、大量生産した原酒をタンクに貯めていたので、さあどうしようと思いました。

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「残波」のフルーティーさを最大限に生かして炭酸割りにした、
缶入り「残波ハイボール」。

貯めていた原酒をどうされたのですか?

比嘉 熟成させました。泡盛は、3年以上貯蔵すると古酒(クース)となります。長い年月をかけ熟成させるほどに芳醇になり、舌触りもなめらかになって飲みやすくなるのです。古酒の華やかなコクと味わい深さはどこかウイスキーやブランデーにも似ていて珍重され、高価になる傾向があります。今回ご紹介する「ZANPA TAKASHIHO」は、20年以上熟成させたプレミアムな古酒を原酒とし、現代にマッチするよう改良を重ねた、新ブランド「ZANPA」の記念すべき1本目に当たるもの。まさに新時代の泡盛の第一歩となるお酒といえます。

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日数や温度による劣化が少ない泡盛は、
3年以上の歳月をかけ熟成させることで古酒となり、
奥深いコクとまろやかな風味を醸し出す。

「ZANPA TAKASHIHO」、どのようなお酒か教えてください。

比嘉 「ZANPA」ブランドのなかでも高級ラインの「ZANPA DROPS」に属する、とにかくすっきりとした飲みやすさにこだわって造った泡盛です。創業地である高志保の名を冠したことからも分かる通り、ブランドリニューアルに至った想いの原点ともいえる商品です。

―確かに泡盛のイメージをくつがえすような、すっきりとしたのど越しでした。

比嘉 従来のアルコール度数の高いものと違って、日本酒やワインより少しだけ高い17度に度数を設定し、泡盛を飲み慣れない方でも飲みやすいように仕上げてあります。

もともと泡盛は、水割り、オンザロック、お湯割りなど、好みに合わせてアルコールの強さを調節して飲むお酒ですが、こちらはストレートで楽しむタイプ。ほんのり香る泡盛の風味を感じ取ることができると思います。

―ほんのり香る…というところが新しいですね!

比嘉 若者を筆頭に日本人がお酒を飲む機会自体、非常に減少している昨今ですが、炭酸水代わりに食中に飲む微発砲の日本酒に人気が集まったり、和食が世界無形文化遺産に登録されてワインと和食といった飲み方が定着したり、かしこまらず自由にお酒のあるテーブルを囲むシーンはむしろ増えているのではないでしょうか。沖縄の郷土酒だから沖縄料理と…などと決めつけず、ワイン感覚でさまざまな料理とのマリアージュを楽しめるのが「ZANPA TAKASHIHO」なのです。

果実の香りと甘味を併せもつとっておきの2002年謹製古酒を、味わいは軽やかに、しかし質はキープしてととのえ、白ワインのように楽しんでいただけるよう、ワインセラーに入るボトルの形状にもこだわりました。冷やしてストレートやロックで飲む新しいタイプの泡盛として、親しんでいただけると思います。

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ロゴマークのデザインは、波の雫・酒の雫がモチーフ。
密かに「ZANPA」の「Z」も隠れているのだとか。

食中酒として楽しめるということですね。

比嘉 はい。料理と合わせておいしくなるよう、仕上げてあります。

実は「残波ハイボール」が売れなくて苦心した数年後、某メーカー発の唐揚げとハイボールの組み合わせを提案したCMをきっかけに、スーパーやコンビニに缶入りハイボールがズラリと並ぶほど人気が爆発したんです。弊社は完全に乗り遅れて、すごく悔しい思いをしました。早すぎて、遅かった。そして飲み方の提案というのがとても大事なんだということも悟りました。ですから、なんとしても泡盛の食中酒を世に広めなければ、という悲願の気持ちを「ZANPA TAKASHIHO」の開発に込めた、という裏話もあるのです。

―合わせるのにおすすめのお料理は?

比嘉 色々な料理と相性が良いのですが、強いていえば魚介類に合うと思います。例えばよく冷やしたTAKASHIHOには白身魚のお刺し身やカルパッチョ。少し温度を上げてあげると焼き魚やムニエルなどと相性が良いです。繊細な料理にもしっかりと寄り添いながら邪魔しないのがいいところ。主張しすぎず、ちゃんと味わい深い。ぜひそのまま冷やしワイングラスに注いで味わってみてください。

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料理と一緒に口の中に含んでも、料理の存在感を消さずに味わえる。

―おしゃれなテーブルコーディネートにもひと役買ってくれそうです。

比嘉 ハイクラスなホテルや星付きのレストランなどでも扱えるクオリティとスタイリッシュなデザインを目指しましたので、これ1本でテーブルの雰囲気をグレードアップしてくれるはずです。

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シンプルなパッケージは、
おしゃれな友人へのギフトやセンスが問われる手土産にもぴったり。

―それでは、最後に今後の展望をお聞かせください。

比嘉 コロナも明けてずいぶんたちますし、そろそろ皆さんまたコミュニケーションが大事になってくるというか、人と会ってお酒を楽しむ機会が増えてくる頃なのじゃないかと思われます。そんな時には、焼酎や日本酒など、地域ごとに面白いお酒が日本にはたくさんありますから、ぜひ地方のお酒もチェックして、沖縄の泡盛にも目を留めていただきたいと思います。弊社としましても、お客さまの流れを見逃さずにキャッチして、苦手なインターネットも駆使しながら(笑)しっかり情報収集して、乗り遅れないよう早すぎないよう、常に提案を続けていきたいと考えております。弊社の今後の発信にもぜひ、ご注目ください!

―飲みやすい泡盛が、もっと広まるといいですね!本日はありがとうございました。

ZANPA TAKASHIHO 17度

「ZANPA TAKASHIHO 17度」
(内容量720ml アルコール分17度)
価格:¥2,838(税込)
店名:比嘉酒造
電話:098-958-2205(9:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://zanpa.okinawa/?pid=173499680
オンラインショップ:https://zanpa.okinawa/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

比嘉兼作(有限会社比嘉酒造 代表取締役)
1972年沖縄県生まれ。1948年創業の比嘉酒造の3代目。2009年に同社代表取締役社長に就任。2022年よりラグジュアリーラインである「ZANPA DROPS」とカジュアルラインの「SANPACHI WAVE」を立ち上げた。現在は、ブランドコンセプトである「SMILE BE WAVES」をモットーに商品開発やイベントなど様々な取り組みを行っている。

<文/亀田由美子 MC/田中香花 画像協力/比嘉酒造>

 

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