ねっとり濃厚な胡麻豆腐に柚子みそが上品なおいしさ。おうちが料亭になる、「赤坂松葉屋」の胡麻豆腐

2025/06/09

今回、アッキーこと坂口明子編集長が注目したのは、松茸と飛騨牛で有名な料亭「赤坂松葉屋」の詰め合わせ。料亭ならではの逸品は、メディア主催の手土産セレクションでもたびたび入選しています。今回は、特に人気があるという「胡麻豆腐」のお話を中心に、代表取締役の宮南 譲氏に取材陣が伺いました。

松葉屋株式会社 代表取締役の宮南 譲氏

―御社の成り立ちを教えてください。

宮南 松葉屋(まつばや)は、江戸時代後期から大阪で味噌屋を営んでいた「天満屋(てんまや)」が前身です。船上貿易が盛んだった大阪で、親戚の貿易商が「絹を輸入したはずが、届いたのは松茸だった」と相談してきたことがきっかけでした。その松茸を佃煮にして販売したところ評判を呼び、味噌屋から「松葉屋」へと業態を変えることになりました。その後、名古屋や東京の百貨店でも松茸の佃煮を販売するようになり、1976年に赤坂へ拠点を移しました。

江戸時代後期から営まれていた味噌屋「天満屋」が前身。関西ならではの白味噌「天満みそ」が看板商品だった。

―宮南氏の代表取締役ご就任の経緯は?

宮南 大学卒業後、パイロットを目指していましたが、結婚を機に妻の実家である松葉屋に関わることになりました。はじめは経営に携わる予定はなかったのですが、アメリカで経営学を学び、その後入社しました。製造部門と営業部門で経験を積んだのち、まったく異業種のIT企業にも挑戦しました。しかし、先代の逝去を受けて松葉屋に戻ることを決意。松葉屋としては4代目、前身の天満屋から数えれば11代目となります。

現在の「赤坂松葉屋」本店。ショップ内では各種詰合わせなどが購入できるほか、予約制で松茸と飛騨牛のお食事ができる。

―「松葉屋」といえば、松茸とすき焼きですね。

宮南 およそ20年前、松茸が豊富に採れる長野県などでは「地鶏と松茸のすき焼き」が定番だという話を聞き、これをヒントにメニューを考案しました。鶏肉の代わりに、家としてもご縁の深い、私にとって義曾祖母と義母の出身地である、岐阜県の飛騨牛を使うことにしました。きめ細かく柔らかい肉質が、昆布だしベースの特製割下と絶妙に合い、ご好評をいただいています。

自慢の松茸と飛騨牛を⁠楽しめる「松茸と飛騨牛のすき焼き」⁠。ネットショップでも販売中。

―今回ご紹介いただくのは、胡麻豆腐ですね。

宮南 もともとは料亭で前菜としてお出ししていたのですが、世の中にあまり出回っていなかったこともあり、商品化しました。いまでは定番商品になっています。胡麻は金胡麻を含む3種類をブレンドし、3度挽きと裏ごしを重ねた、なめらかでコク深い“練り胡麻”を使います。そこに昆布だしと吉野葛を合わせて熱を加え、練り上げることで胡麻豆腐ができるのですが、練り不足だと分離し、練りすぎると固くなってしまうため、ちょうど良い加減を見つけるのが難しいです。特に厨房ではうまくできても、工場では何回も失敗を繰り返しました。練り上げる際の温度、練り具合の“黄金バランス”を見つけ、ようやく商品化にこぎつけました。丁寧に練り上げることで生まれる、なめらかさと同時に、もっちりとした食感が「松葉屋」ならではの魅力です。

胡麻豆腐4種(白・黒・金・かぼちゃ)、柚子味噌つき。高品質の胡麻の風味と柚子味噌が絶妙にマッチ。
見た目も上品で、おうちに料亭がやってきたよう。

―柚子みそをかけるのですね?

宮南 一般的にはだし醤油をかけることが多いですが、当社は味噌屋のルーツがありますので、味噌には特にこだわっています。柚子みそは白味噌をベースに、たっぷりの柚子を加えた自信作です。そのままでも美味しいとご好評いただいており、「柚子みそだけ欲しい」というお声も多いため、現在は単品販売も検討中です。

―どんな方がよく購入されていますか?

宮南 贈答用としてお買い求めいただくことが多いですが、ご年配の方から「食欲がない時でもこれなら食べられる」とご自身用にご購入いただくこともあります。食べやすく、量もちょうどよいのが理由だと思います。また、ビーガンや添加物を避けたいという健康志向の方がお求めになることも増えています。

季節ごとの限定品も。夏にはとうもろこしや枝豆、秋には栗やさつまいもを使った胡麻豆腐が登場。
すべて、宮南氏自らが開発を担当しているそう。お中元などの贈答にもぴったり。

―バリエーションも豊富で楽しいです。

宮南 最近は、チョコレートの胡麻豆腐を開発しました。チョコレートは油分が多く、配合の塩梅がとても難しかったです。入れすぎると胡麻の風味が負けてしまうし、少なすぎるとチョコ感が出ない。そのバランスを探りながら開発しました。バレンタインやホワイトデー限定のデザート感覚の商品です。

チョコレートと3種類の胡麻をブレンドした練り胡麻を、吉野葛で仕上げている。
和と洋が織りなす、もっちり食感の甘さ控えめのスイーツ。

―今後についてお聞かせください。

宮南 創業から50年を迎えましたが、胡麻豆腐をはじめとする既存の商品だけで事業を続けていけるとは考えていません。松茸や飛騨牛など、料亭としての軸となる商品にも力を入れています。時代に合わせて進化する一方、日本文化を守り、さらに海外に発信していくことも重要だと考えています。たとえば、黒毛和牛の味噌漬けや、味噌を隠し味に使ったビーフシチューなど、“残したい文化”を融合させた新しい挑戦を続けていきたいと思います。

白味噌のコクを活かした料亭仕立てのビーフシチュー。「松葉屋」ならではの厳選された黒毛和牛はとろけるようなおいしさ。

―手土産セレクションで殿堂入りしているおいしさの秘密がわかりました。この度は、貴重なお話をありがとうございました!

「胡麻豆腐 4種入」(胡麻豆腐 43g×4(白・黒・金・かぼちゃ)、柚子みそ 7g×4)
価格:¥1,296(税込)
店名:赤坂松葉屋
電話:0120-04-9595(10:00~17:00 土・日・祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.akasaka-matsubaya.com/SHOP/BAS543.html
オンラインショップ: https://www.akasaka-matsubaya.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

宮南 譲(松葉屋株式会社 代表取締役)
1971年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、渡米して経営学を学ぶ。IT企業での仕事を経験したのち、2006年に松葉屋株式会社に入社。商品開発や店舗運営に携わり、2014年に代表取締役就任。「素材や味にこだわるのは専門店の看板を守るためには当然」と、産地や工場へ自ら足を運ぶことも厭わない。趣味はディンギーセーリング。

<文/尾崎真佐子 MC/田中香花 画像協力/赤坂松葉屋>

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