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昆布、生姜あさり、一口ほたて、人気の佃煮を食卓に「江戸一王道セット」

2025/05/08

今回、編集長アッキーが気になったのは、築地で人気の佃煮です。商品を製造・販売する株式会社江戸一飯田 代表取締役社長の飯田一雅氏に商品の人気の秘密を取材陣がお話を伺いました。

株式会社江戸一飯田 代表取締役社長の飯田一雅氏

株式会社江戸一飯田 代表取締役社長の飯田一雅氏

創業の経緯をお聞かせください。

飯田 創業は1914年、私の祖父・飯田菊太郎が始めました。祖父は奈良出身でしたが、若いときから築地市場で働いていました。当時の市場には、余った食材を佃煮や漬物にして上手に無駄なく使う文化がありました。祖父は関東でいち早く佃煮の常備菜づくりを始めた一人だと聞いています。

築地市場は元々日本橋にありましたが、関東大震災で崩壊し、築地に移転してきた歴史があります。当社は日本橋の市場時代から続いており、今年でちょうど111年になります。

2代目である私の父は残念ながら私が高校2年生のときに他界しましたが、その後、母が会社を継ぎ、そして私へとバトンが渡されました。私で4代目となりますが、2018年に中央卸売市場は豊洲に移転しました。必然的に築地場外市場は、市場業務と文化を継承するとともに、新たなニーズを生み出す必要性を感じております。現在は業務用の商品を卸すだけではなく、一般の方々が買い物を楽しめるお店として、時代とともに変革を遂げています。

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築地にある江戸一本店。

会社を継がれてご苦労はございましたか。

飯田 大手広告代理店に勤めてから家業に入り、住んでいた時の築地と全く違う光景が見えました。前職では多くの仕事をチームで進められましたが、家業では企画から営業、販売、財務、経理まで、すべてに関わらなければなりません。最初は「自分に本当にできるのだろうか」と戸惑いもありましたが、小さいながらもチームを作り、息を合わせながら仕事を進めてきました。

佃煮や漬物は、以前は常備菜として、普段使いの中で当たり前にあったものです。時代とともに食べる機会が少なくなり、消費量も減っています。だからこそ選ばれる商品に変えていかなければならないと思っています。

私たちの中には「ご飯食」の文化が脈々と受け継がれていると思います。普段使いの中でご飯をもっと楽しく食べられるようにすること、食事を楽しむことが江戸一の挑戦でもあります。

会社として大切にしていることを教えてください。

飯田 「食べて元気になるもの作り」です。特別な日のごちそうも素晴らしいですが、毎日の「普段使いのとっておき」を大事にしたいと思っています。幅広い世代の方々が「元気になれるもの」は何かを考え、それを商品作りに反映させています。

—今回ご紹介させていただく「江戸一王道セット」について教えてください。

飯田 王道セットには、江戸一昆布、生姜あさり、一口ほたての3つが入っています。これらは私たちの店舗で一番人気の商品です。特にほたての佃煮は珍しいんです。水分量が高いため長期保存が難しく、あまり市場に出回っていませんが、私たちの主力商品です。江戸一昆布は国産の北海道産を使い、ゆっくりと丁寧に作っています。築地本願寺の朝食メニューでも使われていて、それを召し上がったお客様が市場に買いに来られることもあります。生姜の風味を生かしたあさりは形が崩れないようふっくらと炊き上げています。

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丁寧に炊き上げた自慢の品々。

貴店ならではの佃煮のこだわりはございますか。

飯田 江戸一の佃煮の特徴は、素材を炊いた時にたまる「煮汁」にあります。その煮汁には旨味が詰まっているので、それを継ぎ足し継ぎ足して使っています。うなぎのタレのようなもので、素材ごとに違うものを作り、それを継ぎ足しながら商品を作っています。

釜のコンディションは毎日違い、同じ素材でも釜の「ご機嫌」によって炊き方が変わります。蒸気の音やアクの出方を見ながら調整するので、同じレシピ、同じ機械でも同じものができない工場なんです。私たちは機械や釜を大事にしながら、丁寧に作っています。

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特別な釜で炊いた煮汁を、継ぎ足し継ぎ足しした”もとだれ”。

今後の展望をお聞かせください。

飯田 目標は三つあります。一つ目は、佃煮や漬物という日本人のソウルフードの文化を、築地から東京、日本全国、そして世界へと広げていくことです。日本の食文化は世界でも評価されていますから、佃煮やおにぎり、お弁当の文化を、形を変えながらも伝えていきたいと思います。

二つ目は、「あると便利な常備菜」を提供することです。東日本大震災の時、被災地に食品を送った際、現地の方々はおにぎりに佃煮を入れて召し上がっていたと聞きました。ラップに包んで調理、食べることができるおにぎりは、衛生面に特に配慮が必要な災害時にも重宝します。不安の多い災害時にも、毎日の食卓に抱くおいしさや安らぎを少しでも感じていただけるお手伝いをしたいと思っています。

三つ目は、「元気になる食の提案」です。子どもたちがお弁当やご飯に興味を持てるような製品を考えています。例えば、お客様の声から生まれたほたてのバター醤油風味の混ぜご飯は子どもたちに大人気になりました。原料や調味料はもちろん大切ですが、「気持ちのスパイス」も重要です。子どもたちが食べて元気になれるもの、大人が疲れた時に元気を取り戻せるものを提供していきたいと思います。

今、築地場外市場にはびっくりするくらい海外からのお客様も多く、食べ歩きなどの食を楽しむ一面に話題が集中してますので、長年、この地で商売を続けている我々も複雑な心境ではあります。しかしながら、江戸一の商品づくりは、ぶれる事なく「普段使いのとっておき」。にぎわいにばかり目を向けるのではなく、身の丈でお役に立てる会社、商品であり続けたいです。

だからこそ食文化の継承は発信すること以上に時流の風を感じ、しっかりお客様の声を聴いて、必要とされる商品をつくり続ける事が大切だと思っております。

―貴重なお話をありがとうございました。

江戸一王道セット

「江戸一王道セット」
価格:¥1,500(税込)
店名:築地江戸一
電話:03-3543-5225(9:00~14:00 休市日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付(メンテナンス等に伴う停止期間を除く)
商品URL:https://tkjm.jp/tsukudani/10577/
オンラインショップ:https://tkjm.jp/tsukijijougai/store137/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

飯田一雅(株式会社江戸一飯田 代表取締役社長)
1963年生まれ。慶應義塾大学卒業。1994年株式会社電通入社、2001年に退社後、株式会社江戸一飯田に入社。2005年同社代表取締役社長に就任。築地場外市場振興組合、及びNPO築地食のまちづくり協議会 副理事長を兼務。

<文/垣内栄 MC/藤井ちあき 画像協力/江戸一飯田>

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