三重県四日市市の国道23号線沿いにある「まぐろレストラン」は、地元でかなり名の知れた行列のできる店です。安くておいしい海鮮メニューを求めて、休日はもちろん、ピーク時は平日でもお客さまが並ぶほど大盛況なのだとか。アッキーこと坂口明子編集長が気になったのはそのお取り寄せ商品。運営会社である株式会社ダイエンフーズ 代表取締役社長の仲田直仁氏にスタッフが取材すると、安いだけではない徹底したおいしさへのこだわりが見えてきました。
行列店で人気の味を贅沢に詰め合わせ!「まぐろレストランのまぐろ・かつお7点セット」
2024/06/20
―「まぐろレストラン」、その名の通りまぐろ専門店なのですか?
仲田 まぐろを中心にかつおや鮭など質のよい魚介類を全国から仕入れ、自社で加工して提供するレストラン兼販売店です。創業以来積み上げてきた、まぐろを扱うスペシャリストとしての実績とノウハウをもつダイエンフーズという会社で手がけています。
国道を走ると見えてくる、
赤い文字の大きな看板が目を引く「まぐろレストラン」の外観。
―レストランのネーミングの由来は?
仲田 ここ三重県四日市市には、もともとまぐろの遠洋漁業基地があったんです。1960年代後半から70年代くらいにかけてですかね。まぐろを獲ってきた漁師さんたちが水揚げをするあいだの宿泊施設を、前身にあたる大遠冷蔵という会社がつくったのが始まりです。そこにあった食堂を、いつしか「まぐろレストラン」と呼ぶようになって、店舗として親しまれていったそうです。
入口付近のコーナーには
レストランで人気のオリジナルメニューが購入できる売店も。
―今では連日お客さまでいっぱいだそうですね!
仲田 じつは私が社長に就任した18年前は、年間3,000~4,000万円もの赤字を出すほどの経営難だったんです。店舗は昭和レトロ感漂う建物で(笑)、国道23号線沿いにあるものですから、トラックドライバーさんがお客さまの中心で…。もっと近隣のご家族連れなどが気軽に来店しやすい、リピートしていただけるようなお店にしよう、と社員一丸となって回復に努めました。
―どうやって黒字に回復したのですか?
仲田 とにかくお客さまの希望をたくさん聞いて、反映しました。当初、「まぐろレストラン」という名前の割に、普通のまぐろ丼くらいしかまぐろ料理を出していなかったんです。でもご家族連れが食べたいのは、とにかく大量のおいしい「まぐろ」。もちろんお子さんもいるので安く済ませたい…。
そんな声に応えて、まずはまぐろのお刺身を200g、ご飯が見えないほど乗せた豪快まぐろ丼をみそ汁つきの定食にして1,000円で提供しました。これが大当たり。サラリーマンの方にも、ものすごく喜ばれました。さらに中トロ丼や大トロ丼、まぐろのカマを使った煮付け、まぐろの春巻きやメンチカツなど、ありとあらゆるまぐろ料理をできるだけ低コストで提供しました。自社で加工しているので、ギリギリまで工夫してコストダウンできたんです。もちろん質は落とさずに、です。
現在は「豪快丼」というメニュー名で提供。
これ目当てで並ぶ人も多い人気のメニューだそう。
―今回の取り寄せセットには豪快丼は入っていませんね(笑)。
仲田 豪快丼は、ぜひ現地のお店で、いちばん新鮮な状態で楽しんでいただきたい商品でして(笑)。セットには、人気を二分するネギトロ丼用のタタキまぐろが入っています。こだわりの天然まぐろを100%使用して、まぐろ本来の味と食感が十分に楽しめるよう粗びきに仕立てた、こちらもおすすめの逸品です。
保管しやすい冷凍のシート状で届くタタキまぐろは、1パック180g×2パック入り。
―おいしい食べ方を教えてください。
仲田 パックごと流水解凍または自然解凍して、薬味と一緒にご飯に乗せるだけでネギトロ丼になります。1パック180gが、どんぶり2杯分相当ですから、2パックあれば4人家族だったら全員が大盛りの贅沢ネギトロ丼としてお楽しみいただけると思います。
薬味は小口切りしたネギと刻みのりが定番。
その他、わさびや卵黄を添えてもおいしい。
―自宅で解凍したとは思えない、きれいな赤身色です。
仲田 油脂分の配合量を極力抑えることで、赤身色がキープできています。通常、まぐろのタタキには、パサつきなどを防ぐために植物油脂を10~12%程度入れることが多く、そのせいで白っぽくネチャネチャしてしまうのですが、わが社ではそれを独自配合し、5~6%まで抑えています。まぐろのものではない脂をギリギリ限界まで抑えることで、まぐろならではの旨味と食感が活かせるうえに、健康に配慮したトランス脂肪酸フリーでの提供も可能です。また、ブライン凍結といって、赤身の質の劣化に関わる凍結をされたまぐろは使用しない、というルールも設けていて、色の悪いまぐろは入れないよう、社としてこだわりをもって加工しています。
「よそで食べるタタキとぜんぜん違う」「まぐろの味が濃い」など、味への評価も高い。
―まぐろでもう1品、りっぱなカマの煮付けが2切れも入っていますね。
仲田 カマはまぐろの首の後ろにあたる部分で、1尾から少ししか取れない希少な部位です。とても脂がのっているので、どう調理したらその脂のおいしさが引き出せるのか、開発に開発を重ねた結果が和風の煮付けでした。カマはご家庭ではなかなか調理しにくいこともあり、店舗で提供したところ、とても好評を得たメニューです。そのままの味を冷凍パックでお届けします。
解凍後、パックごと電子レンジでチンするだけで、カマのあったか煮付けが完成。
―確かに、自宅でつくる魚の煮付けにはないトロリとした食感です。
仲田 脂がふんだんにのった、南まぐろのカマだけを使用しています。キハダまぐろやバチまぐろにはない、口の中でとろけるような脂のりにこだわっているからです。味付けは白米に合う甘辛い和風味にしてありますので、ご飯がどんどん進むと思いますよ!
かまトロの脂の旨味が溶け出た煮汁をご飯にかけても、また最高!
―かつおのやわらか煮は、また違ったやさしい煮物の味がしますね。
仲田 刺身でも食べられるかつおを使い、たまり醬油と酒、砂糖にしょうがを加えて炊き上げています。煮付ける前に丁寧に皮目をあぶっているので、まぐろにはない香ばしい風味も楽しめるのだと思います。レストランの定食につく小鉢のなかでも人気の1品で、あまりの人気ぶりにお取り寄せできるよう商品化しました。
副菜として冷凍庫に常備しておきたくなる、約250gずつの手頃なサイズ感。
―かつおは煮るとホロホロと崩れたり、固くなったりしてしまいそうですが…。
仲田 形状をキープしたままやわらかさを追求するのに、かなり試行錯誤しました。できるだけ低温で、殺菌しながらじっくり熱を加えるようにしています。そうすることで、魚を煮たとき特有のキュッキュッと歯に触るようないやな固さがなく、ふわっとやわらかく食べられるようになりました。野菜と一緒です。強火で一気にゆがくのでなく、60℃くらいの低温でじわじわ火を入れると、野菜もやわらかくなって甘さが出てきますよね。温度を高くしすぎないことが、時間はかかってしまいますが、おいしさへの最善ということなのだと思います。
解凍して器に盛るだけで、夕飯の献立に困ったときの「あと1品」としても重宝。
―炭焼きかつおのタタキは、冷凍パックから取り出すとふわっと香ばしい香りがしました。
仲田 厳選された一本釣りの天然かつおのみにこだわり、全工程自社で、備長炭を使って焼き上げるタタキです。炭を起こすときだけガス火を使いますが、あとは完全炭火焼き。よくスーパーなどで炭火仕上げと書いていることがありますが、あれはほとんどガスで焼いて、最後にちょろっと炭火であぶる程度のことが多いんですよ(笑)。炭火は600℃以上の高温になりますから、きちんと使えばガスよりも水分をとばしてパリッと焼くことができます。一瞬の火の勢いが左右する火加減にこだわり、まさに職人技で魂込めて焼き上げ、香りをぎゅっと閉じ込めているのが、うちの自慢のかつお炭火焼きです。
職人の手によって、炭火焼きで一本一本丁寧に焼き上げられる。
―まな板からはみ出すくらい大きくてびっくりしました。
仲田 1本約400gあります。分厚く切って、おなかいっぱい、そのおいしさを家族みんなで堪能してください。血合いも丁寧に取り除いてありますので臭みもなく、お子さんでもおいしく召し上がっていただけると思います。正直コストも手間もかかる商品なのですが、こうしないとお客さまに本物のおいしさが届かないから、「やる」んです(笑)。
大皿に乗り切らないほどの量なので、香味野菜と一緒にポン酢で食べたり
しょうが醤油で食べたり、贅沢に楽しめる!
―徹底したおいしさへのこだわりの原動力は?
仲田 お客さまファースト、です。私はもともとグループ会社が手がけるバローというスーパーマーケットで仕入れを担当して店頭に立ったりもしていたものですから、お客さまの声を商品に取り入れることの大切さを身に染みて実感しています。消費者の意見をメーカーや問屋に伝えるのと同じように、レストランのお客さまの要望をメニュー開発に反映する…。ずっと変わらず心がけていることです。
―社として大切にされていることは何ですか?
仲田 鮮度と製法への追及・こだわりは、前身の大遠冷蔵が1951年に創業して以来、企業としてずっと大切に引き継いできました。水産加工業を取り巻く環境は大きく変化し、お客さまの志向も多様化しています。それに対応すべく、1999年にダイエンフーズとして生まれ変わり、2014年には自社のマイナス55℃の超低温冷凍庫と直結した加工工場を新設しました。より安全で高品質な原料を、新鮮なうちにスピーディに加工して保管できるようになったのです。
レストランに隣接する本社工場内に、食品を加工する工場、貯蔵する冷凍倉庫を併設。
マイナス55℃の超低温冷凍庫で鮮度をキープしつつ保管している。
―その後、レストランの建物もリニューアルされたのですね。
仲田 2018年11月にリニューアルオープンして、近代的なレストランに生まれ変わりました。先ほどお話ししたような、まぐろやかつおなどの製法にこだわったメニューが安くておいしいと評判を呼んで、今では県外からもたくさんのお客さまに来ていただいています。
―では最後に、今後のビジョンや展望をお聞かせください。
仲田 レストランの行列解消、これに尽きます。ありがたいことに多いときには1時間も2時間も並んで待ってくださる大勢のお客さまに、これ以上ご迷惑をかけないためにも、店舗を増やしていこうと計画中です。フードコートやテイクアウトなどにも挑戦してみたいと考えています。今回のお取り寄せセットは、レストランのメニューのなかでも特にお客さまの評判がいいアイテムを厳選してたっぷり詰め合わせてありますので、行列に並ぶのが難しい方や、遠方でなかなか来られない方など、新店舗をお待ちいただくあいだに、ぜひ試していただければと思います。
―本日は、ありがとうございました!
「まぐろレストランのまぐろ・かつお7点セット」
(まぐろレストラン タタキまぐろ 180g×2、まぐろレストラン 養殖南まぐろカマ煮付け1切×2、まぐろレストラン かつおやわらか煮 約250g×2、炭焼きかつおタタキ 約400g)
価格:¥6,480(税込)
店名:まぐろレストラン
電話:059-364-5611(9:30~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/maguro-daien/004/
オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/maguro-daien/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
仲田直仁(株式会社ダイエンフーズ 代表取締役社長)
1959年生まれ。法政大学卒業後、株式会社バローへ入社。2019年に株式会社ダイエンフーズ代表取締役社長に就任。
<文・撮影/亀田由美子 MC/矢口優衣 画像協力/ダイエンフーズ>