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納豆一筋70年。子どもたちも笑顔になる、ふっくらでおいしい日本古来の納豆を食卓に。

2024/02/16

日本古来の製法を大事にしているというおいしい納豆を発見。特有の匂いが少なく子どもたちもよく食べると噂の納豆に、アッキーこと坂口明子編集長も興味津々です。ふっくらと柔らかいこだわりの納豆はどのように生まれてくるのでしょうか。70年以上続く株式会社カジノヤ 代表取締役社長の梶光則氏に取材スタッフが、その秘密をうかがいました。

株式会社カジノヤ 代表取締役社長 梶光則氏
株式会社カジノヤ 代表取締役社長の梶光則氏

―御社の沿革について教えてください。

 1946年に創業しました。東京から岡上(神奈川県川崎市)に戦争で疎開してきた祖父がこの地で「日本古来の食品製造をやりたい」という思いがあったそうです。そして、あぜ道に大豆がいっぱいあったのを見て「それを使おう」と。大豆を使う日本古来の食品=味噌・豆腐・納豆が浮かんだ中で、当時、岡上地域にはお豆腐屋さんはありました。でも納豆を扱う業者さんがいなかったんです。納豆はすごく手間がかかる。あまりやりたがる人がいなかったこともあって創業を決めて。そこからずっと納豆一筋。おかげさまで約70年間、この地で経営を続けています。

―3代目として、苦労されたことややりがいと感じているのはどのようなことですか?

 苦労しかないです(苦笑)。2022年6月に社長に就任したときは、コロナの状況もまだ残っていて、海外では戦争をしている。物価高もある環境で…。大変なときに社長職に就いちゃったなというのが本音でもあります。先代である父が会社をどんどん成長させていくところを見て勉強してきましたが、今はいろいろな面で流れが変わりつつある時代。成長も大事ですが現状維持をしっかりとしていこうという考えです。70年以上続けていくのは大変なこと。「それを背負っていかないと」という責任感が強いです。

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日本古来の製法を大事にしながら安心・安全でおいしい納豆をつくり続けて70年以上。
大豆のうま味が凝縮されたこだわりの納豆を食卓に届けています。

―食育活動にも注力されていますね。

 少子化の時代になり、子どもたちに食べ物を知ってもらうことは必要なことだと思っています。実はカジノヤは、昔から子どもたちと接する機会を設けてきました。それが農業体験です。当社の近くに会長が管理している畑があって、そこで「津久井在来大豆」という大豆を栽培しています。それを地域の小学生たちと一緒に栽培しています。加えて、生協さんとの取り組みでも農業体験は行っていて。実際に農業をして、食べ物に興味を持ってもらうことも大切なので、ずっと続けているんです。

―実際に参加された皆さんの反応や感想はいかがでしたか?

 体験できて「楽しかった」といってくださったり。ありがたいことに募集人数に対して3~4倍ぐらいの応募がくることもあって。皆さん総じて「本当に面白い」とおしゃっていますね。普段、家庭で食べている枝豆が大豆になることを知らない子どもたちも多いですし、驚くようです。そういう機会を提供できて、興味を持ってもらってることはうれしいですし、何より子どもたちの笑顔が良くって。今は、土に触れる機会が少ない時代です。畑に来て虫を見つけたりカエル見つけたり。自然と触れ合ってくれることは、喜びのひとつでもあります。

―御社の納豆は、自然農法に近い栽培をしているそうですね。

 はい。有機栽培は認証を取るのが難しいんです。畑を2年間ぐらい休ませて栽培をしなければならないんですけど、それでは農家としても商売が成り立たない。でもお客様の口に入る商品なので、なるべく農薬などを減らしたものを食べてもらいたいという思いがあります。カジノヤは有機大豆も使っているんですけれど、圧倒的に不足しているのも現実です。ただ、繰り返しますが、お客様の口の中に入るもの。減農薬を心がけたものを使うようにしていますし、厳選した大豆をこだわって使っています。

―無着色のカラシや化学調味料を使っていないタレなどを使われていますが、開発する上で苦労されたことはどのような点ですか?

 味ですね。特にタレは、インパクトのない味になってしまうこともあって。タレメーカーさんに話を聞いたのですが、一番苦労したのは発酵室だそうです。納豆は大豆とタレ、カラシなどがパックされていますが、多くの場合、高温多湿の発酵室にパックした状態で入れて、発酵させるんです。そうするとタレも熱の影響を受けます。そこで、どのぐらいの塩分でどのぐらいの醤油の濃度がいいのかということを試行錯誤して、今のタレができあがりました。

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付属のわさびとこだわりのタレをかけて食べる「わさび麦納豆」。
ツーンとしたわさびの風味と麦納豆は抜群の相性でクセになるおいしさです。

―その試行錯誤されたタレ入り「わさび麦納豆」の開発秘話を教えてください。

 当社の会長が「わさびを入れて納豆を食べたらおいしいから、どうにかできないかな」という単純な発想からスタートし、タレメーカーさんとの雑談の中から生まれてきた商品なんです。でも、わさびは熱に弱い。先ほどお話した発酵室に入れると熱でわさびの辛味が飛んでしまう。それを飛ばさないために、これもタレメーカーさんが一生懸命、試行錯誤してくれた商品でもあるんです。

―そうして生まれた「わさび麦納豆」の一番のこだわりは?

 納豆は白飯にかけて食べるか、そのまま食べるかの2択が多いと思いますが、その二つのバランスを取って、どちらで食べてもちょうどいい辛さに調節してあります。ツーンとしながら、白飯にかけても、そのままでも食べやすくなっています。

―そして、麦納豆と普通の納豆の違いは?

 大麦はビタミンと食物繊維が取れる食物です。低カロリーでもありますし。昔は麦ごはんがあったと思いますが、その発想がもとで麦飯と納豆を合わせるイメージで作りました。「わさび麦納豆」の場合、開発中に大粒、中粒、ひきわりなど、いろいろな大豆とわさびを合わせてみました。社内で食品テストをしたとき「大麦入りがおいしい」と、圧倒的多数で。市場としても麦納豆はほとんどなかったですし、カジノヤでしかないような商品をと考えて麦納豆になりました。

―お客様の感想はいかがですか?

 お客様は「クセになる」とおっしゃってくれます。あとお酒のアテにもなるんです。わさびを使っているので、お刺身とも相性が良いと評判です。当社の会長がよくマグロのお刺身に納豆をかけて食べていますが、それもおいしいです。

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神奈川県で育ち、作られている「かながわ育ち」。個食で食べやすく、大豆の甘みがダイレクトに味わえます。

―次に「かながわ育ち」についても教えてください。

 もともと「津久井納豆」という種類があったんですけど、津久井という地名を限定してしまうと「何の納豆なの?」とキョトンとされるお客様が結構いらっしゃったんです。加えて「個食で大豆本来の味を楽しみたい」という要望とニーズもあって。そうした背景があって誕生したのが「かながわ育ち」です。津久井大豆といっても神奈川県で育ってる大豆。半ば勢いで「かながわ育ち」と名付けました。さまざまな産地の大豆と比べても遜色のない、まろやかでおいしい大豆を知ってもらいたくて、あえてシンプルな納豆にしています。大豆本来の甘みを楽しんでもらおうと、タレもカラシも付けていません。

―津久井大豆はどのような味わいなんですか?

 味がすごく濃いです。そして、まろやか。なので納豆にしても濃厚さとまろやかさが感じられる大豆だと思います。自分自身が食べても、本当に「まろやかだな」って思います。

―そんな「かながわ育ち」も含め、納豆のオススメの食べ方を教えてください。

 我が家では小さい頃からおかか(かつおぶし)をかけるのがマストです。社員に伝えても知らなかったので、梶家伝統の食べ方だと知りました。母がおかかとネギを入れて食卓に出してくれていたんです。おいしいですよ。あと、オススメなのはオリーブオイルと刻んだミニトマトです。

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ミニトマトとオリーブオイルをかけるとイタリアンのようなオシャレさに。
「かながわ育ち」でもタレ・わさびなしの「わさび麦納豆」を使ってもよくマッチし、白飯にもパスタにも合いそうです。

―イタリアンのようで意外な組み合わせですね。

 そうなんです。納豆の食べ方は社員がいろいろチャレンジしているのですが、結構マニアックで面白かったのはお砂糖です。お砂糖を一つまみサラサラっと入れると、納豆菌が喜んで納豆の糸が白っぽくなるんです。かき混ぜたら泡立ちますよ。クリーミーな感じになります。

それから、コチュジャンは合いますし、オクラととろろも。これは「麺つゆで食べるのがおいしい」と社員が力説していました。実際に食べさせてもらったら、確かにおいしい。オススメですね。あと、気軽に食べたいときはシーチキン(ツナ缶)。シーチキンと納豆を組み合わせると手軽なマグロ納豆になります。「かながわ育ち」はカップが小さいので、先に少し食べてからシーチキンを加えると味変にもなるので、ぜひ試してほしいです。

―それでは最後に、今後の展望を教えてください。

 これは展望というよりはカジノヤの基本の考えですが、子どもも大人も安心して食べられる納豆を作っていくこと。それは大事にしていきたいです。その上で、子どもたちも含め、もっと納豆を知ってもらってファンになってもらいたい。健康志向ブームで納豆が注目されることもありますが、納豆嫌いを少なくしたいという思いがあります。一人でも多くの納豆嫌いを減らしつつ、カジノヤの納豆を食べるという子どもたちも増やしたい。子どもの味覚はやっぱり正直ですから。

―幼い頃に親しんだ味は、大人になっても忘れない…。

 そうですね。なので、最近は幼稚園や学校給食の時間に納豆を提供するような活動も続けています。最初は食べられない子もいますが、だんだん食べられるようになったり、カジノヤの味を覚えてくれたりします。カジノヤの代名詞といえる「しそのり納豆」は、しその効果もあって納豆の匂いが消えるので、子どもたちもたくさん食べてくれるんです。なので、これも食育活動のひとつです。

カジノヤの特長として、大豆の食感と納豆の匂いが違うということはよくいわれます。カジノヤの納豆は柔らかめ。製法もこだわっていて、ふっくら柔らかく、極力納豆菌の量を減らして、ゆっくり発酵させることによって納豆臭を抑えています。

やっぱり納豆は日本古来の食品。製法は確立されていますが、納豆メーカーとして、この製法と味を守ることは使命ですし、大事なこと。その思いを製品に込めて、皆様のもとにお届けしているので、そんな思いも感じていただけたらうれしいですね。もちろん、納豆は手軽さが魅力なので、手軽においしく。日本古来の味を毎日楽しんでほしいなと思います。

―本日は貴重なお話をありがとうございました!

「わさび麦納豆 M3」(45g × 3【しょうゆタレ・わさび付】)

「わさび麦納豆 M3」(45g × 3【しょうゆタレ・わさび付】)
価格:¥200(税込)
店名:豆の蔵
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://mamenokura.com/catalog/k021.html
オンラインショップ:https://mamenokura.com/

「かながわ育ち C3」(30g × 3【タレ・カラシなし】)

「かながわ育ち C3」(30g × 3【タレ・カラシなし】)
価格:¥200(税込)
店名:豆の蔵
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://mamenokura.com/catalog/k020.html
オンラインショップ:https://mamenokura.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
梶光則(株式会社カジノヤ 代表取締役社長)

1976年神奈川県生まれ。大学卒業後、百貨店に入社し、4年後、株式会社カジノヤへ入社。2022年に同社代表取締役社長に就任。食育の活動にも注力している。

<文・撮影/青柳舞子 MC/橋本小波 画像協力/カジノヤ>

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