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「うちの梅干し」を探している人におすすめ。 ほんのり甘いのが魅力の「あまちゃづる入り梅干し」

2023/05/15

小さいころ、実家の冷蔵庫や食卓に必ずあった「梅干し」。でも、現在の自分の家には、梅干しを常備していないという人も増えているのだそう。おいしい梅干しと白いご飯って、最高の組み合わせですよね。二日酔いだったりお腹の調子がいまいち…というときも、昔から梅干しを食べるとなんとなく落ち着くんです。今回、アッキーが気になったのは、紀州南高梅を使用した「あまちゃづる入 みなべの梅」。株式会社梅樹園 代表取締役社長の生田富哉氏に、梅干しづくりのこだわりや梅に対する想いを、取材陣がお聞きしました。

株式会社梅樹園 代表取締役社長の生田富哉氏
株式会社梅樹園 代表取締役社長の生田富哉氏

―創業は110年以上前に遡るそうですね。

生田 創業は1911年と聞いています。実は数年前に和歌山県から、「100年企業表彰」をしていただくことになり、創業年を証明する記録を求められたのですが、見当たらなくて。県職員の方が図書館で探してくださったところ、大正4年(1915年)に私の曾祖父が商売をしていた記録があったのです。その文献をもとに、和歌山県のほうでは「大正4年創業」と登録されています。

本格的な梅の栽培は僕の曽祖父に当たる人が、小さな農園を営みながら雑貨屋さんをやっていたようです。戦時中は商売をやめたり、事業転換したりなどありましたが、現会長の私の父が梅の加工業を始め1985年に「梅樹園」を設立し、私は昨年の6月に、4代目として会社を引き継ぎました。

―創業時から受け継がれていること、大切にしていることは。

生田 創業時はおそらく「生活のために商売する」、ただそれだけだったと思います。その後親父が設立した梅樹園は、梅の魅力を世の中に広めていくことに力を注いでいます。私は梅干しが日本の伝統食としてこれまでずっと受け継がれ、食卓に上り続けている理由は2つだと思います。

ひとつは、単純に梅干しとしての味、味覚としての美味しさ。米とともに、日本の食文化になくてはならない存在になっています。もうひとつは、健康食品としての認知です。そういった本来の梅干しの価値をいつでも忘れずに商品づくりしていくことを大切にしています。

ずっと昔から梅干しを大切に食べてこられた方は、新しい味や食べやすい味、甘い味は求めていない方も多いです。そういう方々のお気持ちも大切にしたい。しかし次の世代の消費者もどんどん開拓していかなくてはいけません。そのためには梅干しを使った新しい商品や、若い世代にも食べやすい梅をつくる必要があると思っています。梅干しが伝統的に食べられてきた魅力をしっかり伝えていく必要がある。梅干しの新しい魅力・価値を探求する必要もある。二面性のあることですが、その両方にアプローチしていかなくてはいけないと思っています。

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本場紀州みなべの厳選された完熟南高梅を使用。
秘伝の調味液で味付けされている。

―若いころから家業を継ぐと決めていたのですか。

生田 小さいころから梅干しがいつも身近にあり、父は梅のことしかしゃべらない人でした。私はあまり梅干しは好きじゃなかったし、「こんな仕事ダサい」と思っていたんです。大学進学を機に、「絶対地元には帰らない」と思って大阪に出ました。洋服が好きで、当時の夢は自分の小さいお店を持つことでした。当時バイトしていた洋服店の店長が若いころ海外放浪をしていた方で、「服はその国の歴史や文化を背負っているものだから。海外の服を売りたいなら、外国の文化に触れてきたほうがいい」というのが口癖でした。

それで大学卒業後、ヨーロッパの洋服店の視察と買い付けルート開拓を旅行を兼ね、海外を放浪する旅に出たのですが、そこであらためて感じたのは、日本の洋服店のクオリティの高さでした。「日本ほど、色々な世界中の商品が集まって、なんでも商品が揃っている国はない」と感じ、うれしい反面視察という目的では意気消沈しました。そんな気持ちでヨーロッパ滞在を切り上げ、民族色の強いモロッコに刺激を求め羽を伸ばしたのですが、そこで沢山の出会いと現地の人々の生活に触れる機会があり、彼らが自分たちの「伝統文化」を誇りにして、現代社会でも伝統文化と共に生きていることにカルチャーショックを受けました。

それから色々あって、結局は自分も今、日本の伝統食の中心で働いています。すごく大切で幸せなことだと思っているし、梅の魅力を多くの人に届けるという仕事に、やりがいを感じています。

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高麗人参と同じ成分を持つ「サポニン」を持つ
「あまちゃづる」とともに漬け込んだ「あまちゃづる入り梅干し」。

―「あまちゃづる入り梅干し」はどのように開発されたのでしょうか。

生田 私の父である先代の社長が開発しました。父は、365日梅のことしか考えていない人でした。仕事も趣味も梅なので、休みもない。子どものとき、遊びに連れて行ってくれた記憶もほとんどありません。

そんな父がとくに重要視していたのが、商品開発です。梅干しという商材をベースに、その時流行ったいろんなものと掛け合わせた商品をどんどんつくっていました。希少糖という砂糖が流行っているというニュース見たとたんに、「梅干しと組み合わせてみよう」と。珈琲が体にいいと聞くと、次は「珈琲と梅だ」と。思いつくのも早いけれど、飽きるスピードも速かったですね(笑)。

1980年ごろ、「あまちゃづる」が、健康茶として全国的にブームになりました。そこで父が、梅干しと合わせてみようと。当時通信販売が拡大していたのと、味付けが本当においしかったのもあり多くのお客さんに受け入れられて、現在でも変わらず、当社の人気ナンバーワン商品です。

―「あまちゃづる」にはどんな特徴がありますか。

生田 「薬草なのでおいしくないんじゃないか」と誤解されることもあるのですが、あまちゃづるの葉を乾燥させたものにはそれほどクセはないのです。かすかに甘さがあり、この成分には、若干の苦みと深み、そしてほのかに枯草や緑茶の風味があります。朝鮮人参と同じサポニンという成分が入っていて、ストレスを和らげたり、神経の興奮を沈めたり、血流を改善するなど、効能がたくさんあります。最近話題の、「アダプトゲンハーブ(ストレスを緩和したりリラックスさせてくれる天然のハーブ)」のひとつでもあります。

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ちょっぴりすっぱくてほんのり甘い果肉たっぷりの
極上紀州南高梅を、塩分控えめに仕上げている。

―「あまちゃづる入り梅干し」の魅力は。

生田 皮が薄く、柔らかい果肉たっぷりの紀州南高梅の素材を活かしながら、あまちゃづるの繊細な風味を感じさせ、ほどよい甘さの中に絶妙な酸味を感じられる梅干しです。塩分は10%と、減塩し過ぎないことで、梅の成分をしっかり残しています。地元農家が作る紀州南高梅の梅干し原料は、ご自宅でつくられる梅干しとは皮の厚さが違うと思います。私たちは最後まで木について完熟落下した梅だけを使っているので、果皮が極限まで薄くなります。

また梅って酸っぱい食べ物ですけれど、実はその奥には8~9度くらいの糖度あり、果物のおいしさもあるのです。木熟落果でそれを限界まで引き出すのが紀州の梅干しです。そのため収穫当日に塩漬けしなければ腐ってしまいます。まさに農家さんの努力の結晶です。

産地のみなべは南高梅発祥の地で、南高梅の生産に適している日本でも特有の良質な土質で、最高品質の梅の実が育ちます。そこで生まれた梅本来のおいしさと、あまちゃづるの風味を是非味わっていただきたいです。昔から買ってくださっているお客様からも、新しく買ってくださったお客様からも、「もうこの梅しか食べられない」という声をよくいただきます。

―梅の消費量は年々減っているという現実もありますね。

生田 食が多様化している中で、梅が選ばれづらくなっています。総務省の調査では、1世帯当たりの梅干しの年間消費量は、2002年に1キロ以上あったのが、2021年にはおよそ4割減少。若い世代ほど消費量が減っています。育った家には梅干しがあったけれど、ひとり暮らしを始めたり新しい世帯をもったら、冷蔵庫に梅干しがなくなった、という人が多いのです。そういう人たちに、「梅樹園の梅をまた〝うちの梅″にしてもらえませんか」という提案をしていきたいですね。

そのために、ツイッターでも梅の魅力や新しい食べ方をどんどん発信しています。おいしいだけじゃなくて、実はこんなに愛らしいんだとか、収穫中選果機の上で転がってる梅ってこんなに可愛いんだよとか。梅・梅干しがキャラクターのように愛され、そして食卓・生活の中に溶け込むことができれば幸せです。

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ご飯を炊くとき、一緒に梅干しを入れるとおいしい梅ご飯に。
お弁当にもぴったり。

―梅のPR活動にも積極的に参加されています。

生田 現在、地元の梅干し組合の「若梅会」という青年部で私は「梅と食」に関わるPR活動のチームを任されています。その中で「梅ノ香リハ何処マデモpjt」という活動を始動しました。

まだ立ち上がったばかりのプロジェクトなのですが、若い人たちにいろんな角度から梅の魅力を伝えていこうとしています。たとえば最近はやっているオートミールなんかは、梅干しにすごく合う。そういう情報を発信したり、「梅コーラ」という梅の実を使ったクラフトコーラも開発中です。

「梅仕事」というワードをここ最近よく目にしますよね。どなたがつくった言葉か知らないが、「#梅仕事」で検索すると、SNSにすごくたくさん上がってくる。梅ジャムをつくったり、梅酒をつけたり、梅干しをつくったり。昔おばあちゃんたちが当たり前にやっていたことが、新しいセンスのいいネーミングとともに、もう一度今価値をもって受け入れられるというのは、僕たちの理想の形。そういうものを見つけられたり、作り出せたら楽しいなと思います。

そういう梅・梅干しの価値の再提案や、新しい価値の創造を、このプロジェクトでやっていきたい。最終的には、その価値を世界中に発信していきたいという思いがあります。

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2020年より梅の有機栽培や無農薬栽培に取り組んでいる。
現在はまだ小規模だが、持続的で人と環境にやさしい栽培を目指す。

―今後の展望についてお聞かせください。

生田 個人的には、今後海外市場に向けて展開していくために、伝統的かつ健康的であることをアピールしていくことが重要だと考えています。それには、有機栽培に転換することが大きな流れだと思っています。しかし梅農家にとって、新しい取り組みをすることは大きなリスクです。もし梅の木がダメになった場合、その1本を取り戻すのに、15年くらい費やさないといけないからです。だから農家の取り組みにくいことや、踏み出しにくいことに企業としてどんどん積極的に推進していき、徐々に地元農家の共感者を増やしていきたいと思っています。すでに去年から取り組んでいて、3年後くらいには相当な面積を有機転換できる予定です。

本来健康にいいものであるはずの梅・梅干しの栽培で農薬を減らしていくこと、周りの環境と共存することにはプラスしかないと思っています。これから100年の梅の未来づくりを地域と共に、ゆっくりだけれど着実に進めていきたいと考えています。

梅の農家さんってめちゃくちゃ大変なんですよ。収穫も手作業で、選別も機械化できないし。でも収穫された紀州南高梅って本当に美しくて愛らしくって、梅の女神様みたいなんです。こんな梅の魅力を皆さんにもっと知っていただくために、これからも頑張ります!

―本日は素敵なお話をありがとうございました!

あまちゃづる入 みなべの梅

「あまちゃづる入 みなべの梅 500g」
価格:¥2,160(税込)
店名:プラムレディ
電話:0120-77-0145(8:00~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.plumlady.co.jp/product?colorme_item=163879761
オンラインショップ:https://www.plumlady.co.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
生田富哉(株式会社梅樹園 代表取締役社長)

大学卒業後、民族音楽と伝統文化に触れる旅に。2年間の西アフリカ滞在中に訪れたマリ共和国の山奥の村で、長老に「自分の根っこを大切にしなさい」と抱きしめられ故郷に帰る。家業の梅干し屋を継ぎ、梅農業への取り組みや地元の土着な伝統文化に積極的関わり地域貢献に奮闘中。現在、志あるメンバーと共に梅の魅力を世界中に届ける「梅ノカオリハ何処マデモpjt」を始動中!

<文・撮影/臼井美伸(ペンギン企画室) MC・撮影/津田菜波 画像協力/梅樹園>

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