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広島の牡蠣小屋から缶入りで発送される殻つき牡蠣。そのまま火にかけるだけでぷりぷりの牡蠣が食べられます。

2023/04/12

アッキーこと坂口明子編集長が目を止めた広島県産の牡蠣。広島の観光名所でもある牡蠣小屋から送られる「がんがん焼き」は缶に新鮮な殻つきの牡蠣が入っていて、そのまま火にかければぷりぷりの牡蠣が味わえるとっておき商品。特に春牡蠣は身が大きく育っていて食べ応えじゅうぶん。広島名物の元祖「がんがん焼き」が誕生した経緯をひろしまO.Rシステム株式会社、代表取締役の西村真吾氏に取材スタッフが伺いました。

ひろしまO.Rシステム株式会社代表取締役 西村真吾氏
ひろしまO.Rシステム株式会社代表取締役 西村真吾氏

―そもそも広島の牡蠣はなぜ有名なのでしょうか。

西村 牡蠣の産地は全国にありますが、その中でも大粒で濃厚、たっぷりとしたうまみがあるのが広島の牡蠣です。広島県は瀬戸内海に面しており、川も多く山からの栄養分が川を通って瀬戸内海に流れ、海水と混じり合って牡蠣が育ちやすい環境がつくられています。
広島は全国の60%を占めるほどの生産量を誇り、それで牡蠣イコール広島のイメージになっていると思います。

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「ミルキー鉄男のかき小屋」は冬から春にかけての広島の風物詩。

―西村さんは「ミルキー鉄男のかき小屋」を運営していらっしゃいます。

西村 私は広島で株式会社西村という社名で飲食業を展開しています。2010年にはひろしまO.Rシステム株式会社という社名で「ミルキー鉄男のかき小屋」を開店しました。

そのきっかけになったのが福岡県糸島市を訪れたことです。糸島市にも牡蠣はありますが、ここで牡蠣をその場で焼いて食べることができる牡蠣小屋があることを知り訪れ、観光客でにぎわっているのを見ました。

私は牡蠣の生産量が日本一の広島にこれがないのはおかしいと思って、広島にも牡蠣小屋を作りたいと思ったのです。

―それが広島の名所になったのですね。

西村 広島で開店しようと思い、海辺の土地を探しました。やはり牡蠣は海辺で食べたいですからね。ただ、広島の沿岸部の土地は県や市または大手企業などが所有していて、意外に牡蠣小屋を開店する土地がなかったのです。私はこの事業を広島の観光産業として展開したいと県に働きかけました。ちょうどそのころ広島県が「瀬戸内 海の道構想」というプロジェクトを策定していました。瀬戸内圏の地域が連携して地域の資源を活用して経済の活性化を図るという取り組みです。

そのプロジェクトに参加することで県所有の土地を借り、牡蠣小屋を3店開店することができました。その後、横浜、名古屋、大阪など全国10か所に出店したのですが、それが牡蠣小屋ブームの発端になり、広島の地場産業として育ちました。自分で言うのもおかしいですが、当社が牡蠣小屋ブームの火付け役になったと自負しています。

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「ミルキー鉄男」氏。牡蠣殻を背にしたユニークなキャラクターが人目を惹く。

―この「ミルキー鉄男」というキャラクターは?

西村 これは私の似顔絵ですね(笑)。牡蠣の「ミルキー」な味わいと、牡蠣は鉄分が豊富ですから「鉄」をつけ、漁師の豪快なイメージで「男」とつけました。牡蠣を背負って、広島産品のレモンを首にかけています。

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ブリキ缶入りで送られてくる殻つき牡蠣。缶はそのまま蒸し器になる。

―殻つきの牡蠣を食べる醍醐味がうけたのでしょうね。

西村 昔から広島では殻付き牡蠣を焼いて食べていると思われるでしょうが、実は牡蠣はむき身にした状態で流通されているものがほとんどで、殻のついた牡蠣を家庭で食べる習慣はありませんでした。漁師町では漁師さんが収獲した牡蠣を近所に配るなどで焼いて食べていたと思いますが、一般的にはむき身の牡蠣を食べるのが主流でした。

そこに牡蠣小屋ができ、殻つき牡蠣を焼いて食べ、おいしいからこれを家庭でも食べたいと、広島の方でも持って帰る方が増えてきました。ただ、牡蠣の殻をナイフで開けようとして手を切ったり、ガスコンロで焼こうとして殻が飛び散ったりするなどの危険があります。私は、お客様からどう食べるのかを聞かれたときには「ラップをかけて電子レンジで加熱するのが一番無難でしょうね」とお答えしていたのですが、なかなか家庭で食べるのは難しいなと思っていました。

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牡蠣ナイフ、軍手、詳細な調理法を書いた説明書がついているので、だれでも簡単に調理できる。

―缶入りにする「がんがん焼き」のヒントはどこから生まれましたか。

西村 牡蠣小屋では、殻つきの牡蠣を焼くときに、牡蠣の殻が飛び散らないようにブリキの一斗缶を切ったものを炭火の上にのせて蓋をしていました。地元では牡蠣の流通に一斗缶を使っていたので、牡蠣小屋には一斗缶がたくさんあり、それなら缶に入れて送れば、そのまま火にかけられると思いついたのです。

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「ミルキー鉄男のがんがん焼き」は、牡蠣を水洗いして缶に入れ、
水か料理酒、好みで白ワインを少量注いで蓋をしめ、
調理コンロで中心部まで火が通るまで加熱し(目安時間は説明書に記載)、蒸らし、殻をナイフで開ける。

―蒸し焼きにする方法は?

西村 あるとき、宮城県に行ったときに牡蠣料理をごちそうになったのですが、鉄板の上に牡蠣をのせて蓋をして蒸し焼きにしていてとてもおいしかったのです。広島ではあまり蒸し焼きにすることがなく、ご家庭で食べるなら焼くよりも蒸す方が焦げつかず調理しやすいと思い、取り入れました。蒸した方が身の縮みが少ないし、食感もぷりぷりの状態で食べることができます。これでおいしく食べられて、こちらからも送りやすく、ご家庭でも手軽に調理できる。こうして「がんがん焼き」ができました。

そこから、家庭用の包丁では牡蠣が剥けないので専用の牡蠣ナイフをつけたり、やけど防止に軍手もつけてお届けしようということで商品が完成、商標登録もしました。

お客様からの要望もあったのに、新鮮な殻つき牡蠣は一般家庭向きではないということが悩みのタネでしたが、「がんがん焼き」を思いつき、送りやすくなって本当によかったです。

―食べ方のコツはありますか。

西村 料理するというより、広島の海の幸、海の香りをそのまま味わっていただきたいので、味つけなしでレモンを搾ったり、ポン酢をさっとかけるぐらいでシンプルに食べていただきたいです。

手間もいらないのでご自宅で楽しんでいただいても、贈り物としても喜ばれます。最近人気のキャンプに持っていってもいいかもしれません。キャンプでは火をおこすので「がんがん焼き」を網に乗せて蒸したら、絶好のオードブルになりますよ。

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大きく育った春の牡蠣。加熱したらそのまま食べるのが一番!
好みでレモン汁、醤油、ポン酢をさっとかけても。

―牡蠣の旬はいつでしょう。

西村 10月に漁が解禁になりますが10月から11月前半の牡蠣はまだ身が小さいもの。それが11月後半から大きくなって12月から3月にかけて濃厚でおいしくなります。4月の牡蠣は大きくて食べ応えがあるのも特徴です。かき小屋にいらしたお客さんも「11月も一度来たけれど、4月の牡蠣は倍ぐらいの大きさだね」とおっしゃって満足なさっていましたよ。ですから、今はこの時季の春牡蠣をたっぷりと召し上がっていただきたいと思っています。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

ミルキー鉄男のがんがん焼き

「ミルキー鉄男のがんがん焼き」(1kg入り)
価格:¥3,270(税込・一部地域を除き送料込)
店名:がんがん焼きドットコム
電話:082-247-5788(9:00~17:00 土・日・祝日休)
定休日:土・日・祝日 インターネットでのご注文は24時間受付
※販売は12月から翌4月ごろ(注文受付は11月ごろ~)
牡蠣の状態により前後する場合があります。
商品URL:https://store.shopping.yahoo.co.jp/gangan/search.html
オンラインショップ:https://store.shopping.yahoo.co.jp/gangan/
ほかに2kg入¥4,570、3kg入¥5,860。また、2缶セット、牡蠣のみの商品(発泡スチロール入)もある。

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
西村真吾(ひろしまO.Rシステム株式会社 代表取締役)

1963年山口県生まれ。大学卒業後、食品メーカーに入社。その後アパレル関係、飲食関係の仕事に携わり、2002年に有限会社西村(現:株式会社西村)を設立。2016年にひろしまO.Rシステム株式会社の代表取締役を兼任し、現在に至る。

<文・撮影/今津朋子 MC/柴田阿実 画像協力/ひろしまO.Rシステム>

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