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毎日のリラックスタイムにクラフトビールを。ベルギーの「デリリウム・トレメンス」&日本の「ユートピア」

2023/03/17

クラフトビールが話題になっていますが、どんなものを選んだらいいのか迷うことはありませんか。そこで、編集長のアッキーが見つけたのが「craftbeer online」というショップです。運営しているEVER BREW株式会社の代表取締役の菅原亮平氏に、スタッフがお話を伺いました。

EVER BREW株式会社 代表取締役社長の菅原亮平氏
EVER BREW株式会社 代表取締役の菅原亮平氏

―創業されて、今年で20年になりますね。創業のきっかけは?

菅原 2003年に創業し、翌年ベルギービールの専門店「ベル・オーブ」六本木店をオープンしました。そして、2005年からベルギービールの輸入を始めました。現在は、ベルギービールの輸入、飲食店の経営、ビールの醸造、オンラインショップの運営など、事業は広がっています。

元々僕が、ベルギービールが大好きでした。大学を卒業し、1年半ほどコーヒー専門店で働いていましたが、商品を売るだけでなく、その背景である文化を大切にし、さらに新しい文化を生み出していくという姿勢に共感しました。自分でもそのようなことをしたいと考え、ベルギービールに注目したのです。当時は、まだクラフトビールという言葉も一般的ではなかったので、ビールでも同じようなことができないかと考えました。

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オンラインショップ「craftbeer online」で扱っている、
バラエティ豊かなクラフトビール。

日本ではビールといえば、大手の銘柄しか知らない人がほとんどです。でも、ビールにはもっと色々な種類があり、味や楽しみ方もさまざま。ベルギーでは、「自分の住んでいる村にはこういうビールがあり、こんな歴史がある」と語れる人がたくさんいます。日本でいえば、日本酒のようですね。ベルギービールに可能性を感じました。

―今更ですが、クラフトビールとは?

菅原 小規模の醸造所が作る、素材や味、作り方にこだわったビールです。アメリカでは、大手資本が作るビールはクラフトビールとは言いません。
日本では、以前、地ビールがブームになりましたが、地方で製造されていることだけがフィーチャーされすぎて、ブームが終わりました。その後、地方の特性を活かして製造されているだけでなく、製法やおいしさにこだわっていることがプラスされ、クラフトビールとして進化しました。ベルギービールは、ずっと前から、今のクラフトビールのようなこだわりのあるビール作りをしてきました。

―ベルギービールを輸入する基準はありますか?

菅原 自分たちで必ず現地に行って飲んでみて、「日本に帰ってもう1度飲みたいと思うか」で、判断しています。作っている方々とも交流します。カフェで、レストランで、朝から翌日の朝まで一緒にビールを飲むことも。そんな付き合いから始め、だんだん親しくなって商品を取引することが多いです。お互いに信頼関係を築いているから、長い付き合いになります。
ベルギーの生産者さんは、自分の商品を愛し、誇りと自信を持って世界中に輸出しています。そのような姿勢に共感し、一緒に盛り上げていきたいと思っています。

―自社ブランドのビールも作っていますが、どんな特徴がありますか?

菅原 2015年にベルギーに「リオ・ブルーイング・コー」を設立し、醸造を開始しました。その後、2018年に東京・五反田でも醸造所を設立しましたが、2021年には千葉・柏に拡張移転しました。特徴は、やはりベルギービールへのリスペクト。そして、たくさんの方々に飲んでもらえるように、最新の技術も取り入れています。伝統と革新の両面から、ビール作りをしています。
日本のクラフトビールはアメリカの影響を受けているものが多いので、ベルギータイプの醸造に僕たちの文化を取り入れた、新しいビールを発信していきたいと思っています。

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千葉・柏の自社醸造所「リオ・ブルーイング・コー」は、
バーベキューができるレストランも併設。

―日本での醸造のご苦労は?

菅原 日本とベルギーでは水質が違います。酵母の反応が違うので、その点は苦労しました。それから、日本での醸造所を拡張移転するときに、ちょうどコロナ禍で経営的にも大変でした。でも、好きなことをしているので辛くありません。どんな仕事でも大変なことはあります。20年前に創業するとき、「好きなことならば頑張れる」と思って始めました。コロナ禍は大きなことですが、乗り越えていけると思っています。

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自社醸造所で作っているクラフトビール「ユートピア」。

―今回ご紹介する「デリリウム・トレメンス」とは、どんな商品ですか?

菅原 ベルギーで人気のビールです。商品名である「デリリウム・トレメンス」とは、ラテン語でアルコール中毒による幻覚症状という意味です。この商品は飲みやすいけれど、アルコール度が8.5%と高め。おいしくてたくさん飲んでしまうと、酔っ払ってしまうという意味だと思います。ピンクの象はアルコール中毒の幻覚症状の際、見えるものの1つだそう。ベルギー人のユーモアを感じる、商品名とパッケージです。また、一方でピンクの象は幸せのシンボルと言われていることもあるとか。こんなストーリーも楽しみながら、飲んでほしいですね。

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ピンクの象が目印のベルギーのビール「デリリウム・トレメンス」。
オリジナルのグラスは脚つきです。

「デリリウム・トレメンス」を家で飲むとき、ワイングラスを使ってみてください。香りをふわっと感じ、いつも以上においしくなります。通常、ビールはグラスにあまりこだわらないと思いますが、自由に変えてみると新しい発見があり、ビールタイムが楽しくなります。
元々ベルギーはブドウが育ちにくいからワインでなく、ビールを作ったという説があります。だから、ベルギービールには、ワインとビールの中間のような文化がある。ガブガブではなく、味わいながら飲みます。だから、ワイングラスで飲むのもいいと思います。

―どんな料理に合いますか?

菅原 色が淡く、軽やかな味わいです。白ワインと同様に考え、前菜、サラダなどの軽いもので。ハード系のチーズも合うと思います。「軽めの味わいなので、おつまみも軽めに」くらいのラフに考えて欲しいですね。ただ、気をつけたいのは、臭みが一度、口に入るとずっと残ってしまうことがあります。新鮮さに欠ける生魚などは要注意で、ビールの味を損ねてしまいます。

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ピンクの象がかわいくて、つい手に取ってしまいそう!
サラダやチーズなどと一緒に気軽に飲みます。

―「ユートピア」はどんな商品でしょうか?

菅原 ベルギーのホワイトビールは一時衰退していましたが、見事に復活して人気を取り戻しました。そんなホワイトビールをリスペクトし、和食に合うように作ったのが「ユートピア」です。酵母はベルギーから取り寄せ、コリアンダーとオレンジピールを使っています。フルーティな香りをお楽しみいただけます。
日本酒は引き算のお酒ですが、ビールは足し算のお酒です。日本人は引き算の味が好きので、「ユートピア」は余計なものは足さずに、素材の味を引き出すことにこだわりました。軽くて、味わいがあって、飲みやすいものになったと思っています。和食と一緒にはもちろんですが、お風呂上がりに気楽に飲んで欲しい。そして、リピーターになって欲しいです。

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1日の一番のリラックスタイムのお風呂上がりに。
明日の元気につながる大切な1杯です。

ホワイトビールなので、蒸した白身魚に合いますね。白を意識して、料理を合わせるといいと思います。白子、白レバー、白トリュフなど。考えてみたら、日本人は“白”が名前につくものが好きですよね。

―ネーミングの意味は?

菅原 ホームページに、「ユートピア」の紹介部分に、こんな言葉を書いています。
「ユートピアとは決して存在し得ない世界でもある。格差を無くし人々が平等に、全てが画一化された世界では、我々の望む自由など存在し得ない。」
発売はコロナ禍で、多くの人が鬱々した気持ちになっていました。だから、「私たちが夢見るユートピアは、本当にユートピアなのか?」という問いを、あえて打ち出しました。

また、パッケージにもこだわり、お客様が「飲んでみたい」と思い、手に取ってもらうきっかけにしたいと思っています。

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心穏やかになる、やさしいパッケージ。
「自分にとってのユートピアとは?」と考えたくなります。

―今後の展望は?

菅原 ビールは僕たちが始めた文化ではないけれど、日本から新しい商品をどんどん生み出していきたいです。そして、ビールと共に日本のことをもっと発信していきたいです。2023年は、海外に出ていく年だと思っています。すでに注文をもらっていますが、日本からビールを輸出していきます。
世界中の人に、僕たちのビールを気軽に毎日飲んで欲しい。晴れの日ではなく、毎日に寄り添えるビールになりたいです。今は、ガブガブたくさん飲むのではなく、おいしいビールを大切に飲むのが風潮です。たくさんの人の大切な1杯のビールに、選ばれるといいなと思います。

僕個人の夢は、いつか月で自分が作ったビールを飲みながら、地球を眺めたいと思っています(笑)。

―本日は、貴重なお話をありがとうございました。

デリリウム トレメンス 缶(500ml缶)

「デリリウム トレメンス 缶」(500ml缶)
価格:¥990(税込)
店名:craftbeer online
電話: 03-6809-6601(10:00~17:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://beeronline.jp/products/delirium-tremens-cans-500ml
オンラインショップ:https://beeronline.jp

ユートピア 缶(350ml缶)

「ユートピア 缶」(350ml缶)
価格:¥670(税込)
店名:craftbeer online
電話: 03-6809-6601(10:00~17:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://beeronline.jp/collections/rio-brewing-co-lineup/products/utopia
オンラインショップ:https://beeronline.jp

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
菅原亮平(EVER BREW株式会社 代表取締役)

1979年まれ、福岡県出身。鹿児島県ラ・サール中学・高校、早稲田大学建築学科卒業。2004年にベル・オーブ1号店オープン。2005年現地よりベルギービールを直輸入し、2006年には卸事業を展開。2010年ベルギー本国より、ベルギービール名誉騎士を受勲。2014年アメリカからのビール直輸入・卸を開始。2015年ベルギーにて子会社設立。2016年フランス、サンテミリオンにてサンテミリオンワイン騎士受勲。SASUKE2回出場、マッスルミュージカル初代メンバー。

<文・撮影/大橋史子(ペンギン企画室) MC/柴田阿実 画像協力/EVER BREW>

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