【7月の食日記】

【7月の食日記】

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〇月×日
「O2」は本当に楽しい。
かのアイアンシェフ、脇屋さんのもとで研鑽を積んだ大津シェフが、地元である清澄白河で開いたモダンな中国料理店。
料理、飲料、内装と、自分の好きなテイストを貫き、”地元の友達”とわざわざ訪れる料理好きが自然と融合して、店全体が温かい雰囲気に包まれている。
5千円のコースを堪能した上で、充実した一品料理や〆までいただくのが恐らく正しい。
お酒は自然派ワインが中心で、グラスも充実しているので、グイグイと止まらないことだろう。
懐に余裕があれば1万円のフカヒレ付きコースをぜひ。頼んでよかったと心から思う味だ。

大津シェフが、地元である清澄白河で開いたモダンな中国料理店
懐に余裕があれば1万円のフカヒレ付きコースをぜひ

SHOP INFORMATION
▶ 店名 「O2(オーツー)」
▶ URL https://o2otsu.wixsite.com/o2info

〇月×日
神田「味坊」は、羊肉の素晴らしさと自然派ワインとのカジュアルなマリアージュで、一気にスターダムにのし上がった。その最新の支店が三軒茶屋のこちら「香辣里(シャンラーリ)」。最近、急激に増加している野村不動産のグルメビル「GEMS」内にある。
単なる辛味ではなく、そこに酸味を感じる料理は爽やかで、より間口を広げてくれる。
基本2500円で、自分で取りに行くワインといい、1000円以下のメニューの充実ぶりといい、客席の多さといい、訪れやすさは抜群。
4人以上だとより楽しめるはず。

単なる辛味ではなく、そこに酸味を感じる料理は爽やかで、より間口を広げてくれる
メニューの充実ぶりといい、客席の多さといい、訪れやすさは抜群

SHOP INFORMATION
▶ 店名 湖南菜 香辣里
▶ URL https://www.facebook.com/XiangLaLiHunan/

〇月×日
昨年末のオープン以来、旧世代には理解できないレストランだとして、いろんな意味で話題になっていた目黒の「kabi」。そんなわけで、ある程度落ち着いてから行こうと思っていたら、こんな時期に。7月は「Summer Kabi」と称して、通常よりカジュアルな“居酒屋メニュー”とのこと。
これがまあ、楽しい! 発酵料理と聞いていたけれど、え、この素材を組み合わせて、そんな解釈で一皿になるの??という料理ばかり。合わせるアルコールも曲者ぞろい。
なにより、シェフもスタッフもなんとも生き生きして楽しそうなのがいい。
なんだ、もっと早く来ればよかった。

7月は「Summer Kabi」と称して、通常よりカジュアルな“居酒屋メニュー”とのこと
え、この素材を組み合わせて、そんな解釈で一皿になるの??という料理ばかり

SHOP INFORMATION
▶ 店名 Kabi
▶ URL http://kabi.tokyo/

〇月×日
オープンからわずか2週間にして、グルマン諸兄をざわつかせたのが、こちら「ソン・デコネ」。
神戸出身の渋谷将之シェフはパリの二つ星などで10年修業の後に帰国。苗字との親和性もあり、渋谷駅から徒歩15分ほどのこの地に開店。ちなみに鍋島松濤公園の向かいで、ジビエで有名な「エレゾ」から10秒ほどの場所。
コース7千円で21時以降はアラカルトもOK。ランチあり(全部いまのところ)。
ワインは自然派でシェフも自然体。
センスと技術が共存していて、味と香りの重ね方が抜群にいいし、牛ハラミとイカのゲソを合わせたりと、記憶に残る一皿一皿をさらりと提供してくれる。
なんとも通いたくなる、きっと常連になりたい人多数だろうと予想されるお店だ。

牛ハラミとイカのゲソを合わせたりと、記憶に残る一皿一皿をさらりと提供してくれる
なんとも通いたくなる、きっと常連になりたい人多数だろうと予想されるお店だ

SHOP INFORMATION
▶ 店名 Sans Déconner
▶ URL https://www.instagram.com/sans_deconner/

〇月×日
7月26日、荒木町に開店した「御料理ほりうち」。
日本料理ではけっこう珍しい、女性料理長・堀内さやかさんのお店だ。
開店前に、私も参加している「日本ガストロノミー協会」のイベントで料理教室を開いてもらったりしたのだけれど、とにかくコミュニケーション能力が高く、会う人会う人がファンになってしまう。
それくらいでないと、10年続けば奇跡といわれる飲食店をやってはいけないのだろうけれど。
師匠から、「これは飲み物なんだ」と教わったという、茶碗蒸しは極めて秀逸。
硬軟織り交ぜて供される料理と、堀内さんの存在感は時間を忘れさせる。
すでに有名媒体からの取材申し込みも多数のようだ。

日本料理ではけっこう珍しい、女性料理長・堀内さやかさんのお店
「師匠から、これは飲み物なんだと」と教わったという、茶碗蒸しは極めて秀逸

SHOP INFORMATION
▶ 店名 御料理ほりうち
▶ URL https://www.facebook.com/horiuchi.arakicho/

〇月×日
あまりにも美味しそうな曲げわっぱのお弁当をFBで見ていたら、たまらなくなってついに購入。楽しい。味付け玉子に竹輪の磯部揚げ、帆立バター焼き、豚の焼肉。レイアウトをもっと研究しなくては。それにしても磯部揚げは、こんなに簡単で美味しいなら早く作ればよかった。

あまりにも美味しそうな曲げわっぱのお弁当をFBで見ていたら、たまらなくなってついに購入

〇月×日
フランス料理界の至宝のひとり、三谷青吾シェフの「レスプリミタニアゲタリ」へ。肉焼きの素晴らしさは、多くの真のグルマンが絶賛するが、この日の「ピエモンテ産仔羊のタリアータ」も幸せの一言に尽きた。
有名な、「うさぎのゼリー寄せ」も堪能できたが、もうひとつ有名な「マッシュルームのサラダ」は、シェフが「今日は新鮮なマッシュルームが入らなかったから、美味しくないよ」と断固拒否。
ものすごく説得力があって、ああ、また来ようと心に誓う。

フランス料理界の至宝のひとり、三谷青吾シェフの「レスプリミタニアゲタリ」へ
「ピエモンテ産仔羊のタリアータ」も幸せの一言に尽きた

SHOP INFORMATION
▶ 店名 L’esprit Mitani A Guéthary
▶ URL https://www.facebook.com/lespritmitaniaguethary/

〇月×日
以前、東京へ出張料理に来た時に、その素材への愛情と溢れる工夫、情熱に驚愕した札幌「鮨ノ蔵」へようやく。
雑居ビルの地下。以前はバーだったという、コンクリート打ちっぱなしの店内からは想像できないような品々が繰り出される。
トラフグの頭や仙鳳趾の牡蠣、一週間脱水した中トロ、2時間風に当てて脱水して焼いて香りづけした帆立…。
ご主人のたゆまぬ探究心はとどまるところをしらない。
これからいったいどこまでゆくのか、楽しみで仕方ない。

その素材への愛情と溢れる工夫、情熱に驚愕した札幌「鮨ノ蔵」へ
トラフグの頭や仙鳳趾の牡蠣、一週間脱水した中トロ、2時間風に当てて脱水して焼いて香りづけした帆立…

SHOP INFORMATION
▶ 店名 鮨ノ蔵
▶ URL https://www.facebook.com/sushinokura/

〇月×日
もう恐らく入手困難な、平野紗季子さん責任編集の名作「味な店」(ポパイ4月号の付録)で紹介され、さらに信頼するグルメ友人からも「すでに3回行きました。はまってます」と囁かれた巣鴨「ダペピ」へ。
オープンはなんと2011年。全然知らなかった……。
カウンター4席、テーブル6席。職人なシェフと可憐なマダムのコンビネーションがすこぶる気持ちいい。
魅惑的なメニュー。グルメ友人からのリサーチも参考にたっぷりと。
初めて食べた、イタリアから輸入されたメロンを使った生ハムメロン。
ほろほろと口の中で溶けていくカリフラワーにサマートリュフ。うぅ。
塩がばっちりの水ナスのフリット。
本当はロングパスタラブなのだけれど、これならショートでも! と心移りしたパスタ・アル・フーモ。
豚の背肉をローストしたアリスタなどなど。
愛するグラッパもたっぷり。
東京は広い。

豚の背肉をローストしたアリスタなどなど
塩がばっちりの水ナスのフリット

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▶ 店名 DA PEPI
▶ URL https://ameblo.jp/dapepi/

〇月×日
うしごろグループの最高級ブランド「USIGORO S.」の銀座店がオープン。全室個室。焼き網はあるけれど、ほぼ使わず。「すっぽんと牛のコンソメスープ」「究極の黒タン」「牛生メンチカツ」「至高の牛丼」「黄金雲丹素麺」などなど、メニュー名だけで興奮してしまう。同伴文化もまだまだ残る、この地にぴったりのお店。

うしごろグループの最高級ブランド「USIGORO S.」の銀座店がオープン
「すっぽんと牛のコンソメスープ」「究極の黒タン」「牛生メンチカツ」「至高の牛丼」「黄金雲丹素麺」などなど、メニュー名だけで興奮してしまう

SHOP INFORMATION
▶ 店名 USHIGORO S.
▶ URL http://ushigoro-s.com/

〇月×日
「曲げわっぱ弁当は、ご飯とおかずが混然一体となる、ハーモニーが大事なんです!」とアドバイスを受け、分離形式からご飯に重ねるタイプにレイアウト変更。
無添加・飛騨農産の「しそ生姜」の汁がもったいないなあと思い、酢飯に。イメージは赤酢だったのだけれど、ほんのりピンク。であれば魚介だ! と鰹のづけを炙り、ゲソはよつ葉の発酵バターと醤油で炒め、アサリの煮物と秋田のいぶりがっこを。

「よつ葉発酵バター」
http://www.yotsuba-shop.com/SHOP/0208_2.html

「黄はだ美人」
http://ft-town.shop-pro.jp/?pid=12083168

「千切りしそ生姜」
http://www.sugitarushikomi.com/shouga.html

曲げわっぱ弁当は、ご飯とおかずが混然一体となる、ハーモニーが大事なんです!

SHOP INFORMATION
▶ 店名 よつ葉乳業オンラインショップ
▶ URL http://www.yotsuba-shop.com/

SHOP INFORMATION
▶ 店名 よこて発酵WEB
▶ URL http://ft-town.shop-pro.jp/

SHOP INFORMATION
▶ 店名 ひだ千利庵
▶ URL http://www.sugitarushikomi.com/index.html

〇月×日
目黒の「鮨りんだ」が近所でうどん店を営んでいるのは知っていた。ところが取材時にご主人の河野さんから「今、鮨がメインなんですよ」と聞いて、鮨好きの血が騒ぎ、慌てて駆けつける。
「らんまる」は「鮨りんだ」から徒歩5分。大将はなんと25歳ながら、銀座の有名店での修業を経ていることもあって、とても空気感がいいし、流れに工夫と気迫を感じる。
朝、りんだに入った魚を自ら仕込んでから、らんまるへ。全力で食べて飲んで1.5万。銀座3.5万、りんだ2.5万(自分比)だから素敵な値段だし、普通なら1万を切るのでは。
そして〆に、宇和島(りんだ・河野さんの地元)うどんを食べられる。肴にじゃこ天が出てくるという楽しさも。
昼なら鮨3貫+うどんで1200円。うどん店仕様なので、つけ場が上から目線という、期せずしてインスタ映え仕様なのも面白い。

うどん店仕様なので、つけ場が上から目線という、期せずしてインスタ映え仕様なのも面白い。
「今、鮨がメインなんですよ」と聞いて、鮨好きの血が騒ぎ、慌てて駆けつける

SHOP INFORMATION
▶ 店名 鮨りんだ
▶ URL http://rinda-tokyo.com/

SHOP INFORMATION
▶ 店名 らんまる
▶ URL https://www.instagram.com/ranmaru0201/

大木淳夫

大木淳夫

「東京最高のレストラン」編集長

1965年東京生まれ。学習院大学卒。ぴあ株式会社メディア・クリエイティブ局メディアプロデューサー。日本初のプロによる唯一の実名評価本「東京最のレストラン」編集長を2001年の創刊より務めている。その他の編集作品に「東京とんかつ会議」(山本益博・マッキー牧元・河田剛)、「いまどき真っ当な料理店」(田中康夫)、「一食入魂」(小山薫堂)、「日本一江戸前鮨がわかる本」(早川光)、「グルメ多動力」(堀江貴文)など。好きなジャンルは鮨とフレンチ。
現在は、「テリヤキ」(堀江貴文氏が運営するグルメキュレーションサービス)公式キュレーター=「テリヤキスト」、Retty「TOP USER」、「食べログ著名人」としても活動中。

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