こんにちは、飛田和緒です。今回ご紹介するのは、富山市にある竹林堂本家さんの『甘酒饅頭』で富山を代表する銘菓として知られています。酒饅頭はよくありますが、甘酒は珍しいので食べてみたいと思いお取り寄せしました。
富山県富山市 竹林堂の『甘酒饅頭』と大場芳郎さんの漆器
竹林堂本家の饅頭の始まりは、安永年間(1772年~1781年)で今から240年程前。時の藩主・前田治脩公に献上し、類をみない味と香りをほめられ、藩直々の御用菓子となったそうです。その後、寛政2年(1790年)には、前田公より「竹林堂」の称号をもらい、以後、富山銘菓として今に続いています。こんなにも長き渡り愛されている饅頭は、全国でも数えるほどでしょう。
甘酒饅頭は、保存料を使わず昔ながらの製法で作られています。そのため、時間が経つと硬くなり、以前は地元でしか味わえないものでした。ですので、店主はしきりに「翌日には硬くなるので…」と恐縮されていましたが、いまでは冷凍技術が進み、遠くからでも購入できます。それでも、独特の風味を楽しむためには“いちど温めたら、早めに食べる”のが鉄則。おいしく食べるため、そこは守ります(笑)
さて、お味はというと…ひと口で酒饅頭との違いが感じられました。皮は、混じりけのない小麦の味で、素朴なおいしさ。口当たりはしっとりやわらかく、厚みはありませんが食べてるとふわ~っと甘酒の風味が口のなかに広がります。甘酒の発酵からくるわずかな酸味は、他にはありません。歴史あるお店らしい、伝統を感じさせるしみじみとした味わいです。一般的に饅頭はあんこが目立ちがちですが、こちらは皮が印象深いので、あんことのバランスが調度良い。甘さがしつこくないのも魅力です。
さらに、温めたあとオーブントースターで焼くと小麦の香ばしさが楽しめます。大きさは直径約7cmとやや大き目なので、1個食べると大満足。饅頭の奥深さを感じる一品でした。
今回の器は、長野県松本市に工房「大場漆部」をかまえる漆器作家、大場芳郎さんの銀溜塗の角皿です。長野県松本市のギャルリ灰月で昨年の夏に購入しました。銀溜塗は珍しい漆器です。地塗りで銀を蒔き、その上に溜漆を塗って仕上げます。光のあたり具合で、木にも、銅にも、飴色にも見えて、とても不思議な色合いなのです。そして、3辺が14.5cmで1辺だけが15cmという、正方形でないところも気に入ってます。使っているとツヤがでるそうなので、遠慮なく使わなければ! お店では酒器と一緒に飾られていたので、おつまみをのせたり、おにぎりをのせたりしようかな、と思っています。
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