いいだばし萬年堂の『御目出糖、ありが糖う』と村木雄児さんの器

いいだばし萬年堂の『御目出糖、ありが糖う』と村木雄児さんの器

こんにちは、飛田和緒です。今回ご紹介するのは、お祝い事の和菓子として知られる萬年堂さんの『御目出糖』と『ありが糖う』です。先日、知り合いから手土産でいただき、ひと口食べて一瞬で好きになったので、ぜひご紹介したいと思い取り寄せました。

一目惚れならぬ“ひと口惚れ”をしたこちらは、濃い小豆色が『御目出糖』、淡いのピンクは『ありが糖う』です

創業は元和年間(1615~1624年)、京都三条寺町にて、屋号は亀屋和泉でした。その後、約250年間、京都で店を構えていましたが、明治5年に東京への遷都に伴い、9代目の当主が店を東京の京橋に移転したそうです。11代目の時代になり、一緒に和菓子製造を担ってきた次男の方が、暖簾分けのかたちで新たに東京・飯田橋に「いいだばし萬年堂」を開業し今に至っています。その歴史は約400年、ドラマが作れそうな壮大さを感じます。

さて、一目惚れならぬ“ひと口惚れ”をしたこちらは、濃い小豆色が『御目出糖』、淡いのピンクは『ありが糖う』です。『御目出糖』は、元禄(1688~1704年)から受け継がれ、なんと300年以上も経っています。元々は違う名前でしたが、赤飯に似ていて“めでたい”ことから、東京に移ってから御目出糖と改称したそう。『ありが糖う』は、いいだばしに開業してから誕生したお菓子で、ネーミングがなんとも洒落ていますね。お礼として渡すのにぴったりです。
「きっと好きですよ」と言われて渡されたときは、「え?何これ!?初めて見た!」と驚きました。蒸しパンかな? と思ったのですが、味も食感も蒸しパンとは全く違ったのです。
どちらも、蒸し菓子で、御目出糖は小豆餡に、ありが糖うは白金時豆でつくった白餡にそれぞれ米粉や餅粉を混ぜて、そぼろ状にしています。食感はやわらかくもっちりとした舌触り。それぞれの味は小豆餡と白餡の甘さがありますが、食感の不思議さが独特の風味を感じさせます。ありが糖うは、密漬けの大納言が混ざっている分、変化のある味を感じました。
箱は進物用箱と化粧箱があります。化粧箱は、和紙をあしらった厚みのある紙を使った上品な箱。ご祝儀や婚礼の引き出物など大切な方々への贈答として人気というのも納得です。贈り物におすすめですが、個人的には、日常のお菓子として食べたいくらい好きになりました。

どちらも、蒸し菓子で、御目出糖は小豆餡に、ありが糖うは白金時豆でつくった白餡にそれぞれ米粉や餅粉を混ぜて、そぼろ状にしています

今回の器は、村木雄児さんの作品です。村木さんは、土の良さを生かした作風で、三島手、唐津、粉引きといずれも温かみのある作品を作られているキャリアの長い作家さんです。この器は、2~3年前に鎌倉で購入しました。薄い水色がかっている色味が気に入っています。釉薬のツヤ感と合わさって、すっきりときれい。どちらも直径12cmと使い勝手の良い大きさで、ついつい買ってしまう大きさです。取り皿としても、お漬物や和え物をのせてもいいですし、蕎麦の薬味、卵焼きのようなちょっとしたおかず用にも重宝しています。

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