都炉美煎本舗_top

カリッサクッの食感は職人技。懐かしさと温もりあふれる手揚げ餅とかりんとう饅頭

2023/04/20

何度食べても飽きず、味わうたびに満足できるおやつは、おもてなしや贈り物としても“てっぱん”。今回、編集長アッキーが気になったのは、そんなおやつの一つ、水戸市にある株式会社都炉美煎本舗の手揚げのおかき「鏡揚げ」と、かりんとう饅頭。甘党辛党、お茶好きお酒好きにも好まれる逸品について、同社の未来を担う金子貴一郎取締役にお話をうかがいました。

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株式会社都炉美煎本舗 取締役の金子貴一郎氏

―創業はおじいさまが?

金子 1947年に祖父が親会社であるお煎餅の店を創業し、そこで修行した父が60年代に独立して会社を立ち上げたのが始まりです。最初は小売店への卸を行い、1988年に直営店として株式会社都炉美煎本舗を開いて、現在7店舗を展開しています。看板商品である「鏡揚げ」の製造を中心に始まり、現在は焼菓子、まんじゅうの製造販売も行っています。

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杵つきの鏡餅を割って揚げた看板商品のおかき「鏡揚げ」。

―金子さんはお菓子の勉強や名店で修行もされたとか。

金子 大阪の専門学校でお菓子を学んだあと、滋賀のたねやグループで3年間修行しました。お菓子の向き合い方、原材料への妥協なきこだわりと近江商人の心意気を学ばせて頂きました。会社の方達には仕事からプライベートまで本当によくしていただき修行といいながらも充実した日々でした。また自分の会社より大きな会社で働く事で、福利厚生や従業員に対するフォローアップなど企業としてのあり方も学べました。この場をお借りして感謝を伝えたいです。

会社を継ぐお気持ちはずっとあって?

金子 「次は僕が」という気持ちは意外にあったほうですね。小さい頃から朝早く仕事に向かう父の背中は見ていたし漠然とではありましたが学生時代も跡を継ぐイメージは持っていました。今では父の拘りの強さと手腕に圧倒されながらも同じ仕事をできている事を嬉しく思います。

お父様から伝えられている理念とは?

金子 まず手間を惜しまないということ。味についてひと手間を惜しまないことはもちろんですが、接客についても販売員は面倒がらずになんでもやるというのを心がけています。清掃もそうです。お客様によいものを提供するために、手間を惜しまないというのは、一番大切なことだと考えています。

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茨城の銘菓「鏡揚げ」はお茶うけにぴったり。

―ソフトクリーム、クッキーの販売や、喫茶スペースもあってお客様は楽しそう。

金子 ジェラートもあるんですよ。うちは、進物にもご利用いただくことが多いので、父の日や母の日などのイベントをはじめ、さまざまな用途のパッケージを揃えています。また、どの店舗でも無料のコーヒーやお茶、くつろいでいただけるスペースをご用意しています。とくに、2022年8月にオープンした見和店は喫茶スペースに力を入れていて、ご好評いただいています。

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贈答に用いられることも多く、上品なパッケージが用意されている。

―さて、看板商品の「鏡揚げ」についても教えてください。素材にこだわりが?

金子 うるち米の杵つき鏡餅を天日干しにしています。天日干しと人工乾燥では味に大きな違いが出ますから、これは父の代からのこだわりです。もともと鏡揚げは、お煎餅を焼いていた祖父の会社から父が独立する時に作ったものです。かつてどこのご家庭でも、お正月の鏡餅が余ってパキパキに乾燥した時には揚げておかきにすることがあったそうで、父はそれを商品化しました。昔ながらの味で、私のような20代ではあまりなじみがありませんが、50~60代以上のお客様には「懐かしい」と言っていただけますね。

店内で揚げておられるのですね。

金子 はい。鏡餅を一口サイズに切り、職人が上質の米油を使って丁寧に揚げています。揚がったら次は味付け。本店は、製造の様子をお客様に見ていただける設計になっているんですよ。

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上質の米油で職人が手仕事で揚げている。
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手仕事へのこだわりがパッケージにも表されている。

―いろいろな味がありますね。

金子 主力の塩、醤油、黒胡椒のほか、七味、醤油マヨネーズ、カレー、にんにく、塩レモンなどがあり、季節限定のものも。お茶うけやお酒のおともになり、味が濃くて「中毒性が高い」と言われます。しっかりとした食べごたえですが、良質の米油を使っているので、パクパク食べても体への負担が少ないですね。ユニークなものでは粒チョコを合わせたものもあるんですよ。

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定番の味、醤油と塩。

わあ、甘いタイプも?甘いといえば、かりんとう饅頭も人気ですね。

金子 10年ほど前に全国的にかりんとう饅頭がブームになって、その時に父が作ったのですが、今でも水戸で1日1000個ほど売れています。

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人気の「水戸饅」こと「かりんとう饅頭」。
外側はカリッ、中のこしあんはなめらかでコクのある甘さ。

サクッとした食感にインパクトがあります。

金子 他店よりもサクサク感が強いんです。歯の弱い方は持っていかれるくらい硬い(笑)。ですが、そうでなければこのサクサク感は続きません。企業秘密の部分が多いですが、10年経った今でも改良を重ねていますし、この商品に限らず完成品は1つもないのではというくらい、よりおいしくなるよう日々手を加えています。かりんとう饅頭も、父、私、担当者が毎日試食して確認しています。

毎日おいしさを追求されているとは驚きました。だからパクパク食べられるのですね

金子 こしあんは一般に上白糖が使われますが、うちでは白ざら(ざらめ)を使って、よりすっきりとした味わいにしています。揚げ油も酸化しないよう1日で取り替え、一番油だけを使います。原料費が高くなりますが、おいしさのためです。また油の切り方ひとつで味が変わるので、熟練の職人が1000個をほぼ3人で揚げています。

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かりんとう饅頭は個包装。
手土産のほか、差し入れにもぴったり。

―コロナ禍を経ての現在と今後のビジョンは?

金子 もともと18時までの営業でしたから、コロナ禍のダメージは少なく、逆にECサイトが伸びたということもあって、より力を入れていこうと思っています。バーチャルストアのお話もいただき、茨城県の先駆け的に進めていければ。

日本の人口が減るなかで、現状維持では到底だめですから、新しいことにチャレンジしつつ、何よりも安心なものを届けるということはブレずにいたいですね。ご自宅用も贈答もあって、身近でありつつとっておきの安全なものがお届けできるように、経営者も職人も日々努力していきたいと思います。

熱意のこもったお話をありがとうございました。

都炉美煎本舗_商品1

「鏡揚げ2個ポット入りセット(醤油・塩)」
価格:¥1,396(税込)
店名:都炉美煎本舗
電話:029-269-1122(平日9:00~18:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.torobisen.jp/shopdetail/000000000025
オンラインショップ:https://www.torobisen.jp

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「かりんとうまんじゅう【水戸饅】」
価格:¥1,396(税込)
店名:都炉美煎本舗
電話:029-269-1122(平日9:00~18:00)
商品URL:https://www.torobisen.jp/html/page16.html
オンラインショップ:本商品はインターネットでの受付なし。

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
金子貴一郎(株式会社都炉美煎本舗 取締役)

1994年茨城県水戸市生まれ。大阪の辻製菓専門学校を卒業後、2019年株式会社たねやグループに入社。3年間の修行を経て父が代表を務める株式会社都炉美煎本舗に入社。翌年取締役に就任。日々の製造業務のほか店舗の改装工事による新しい業務展開や新商品の開発にも注力する。

<文・撮影/大喜多明子 MC/鯨井綾乃 画像協力/都炉美煎本舗>

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