栗の生産量日本一を誇る茨城県。なかでも一大産地として知られる笠間市に、おいしいお菓子を作る会社があると聞きつけた編集長アッキー。薫り高い笠間産の栗だけを贅沢に使った「すいーとまろん」を手掛ける有限会社ナガタフーズ 代表取締役の永田修一氏に、商品誕生秘話やお菓子づくりにかける想いを伺ってきました。
口いっぱいに広がる栗の風味とほくほく感がたまらない!名産地・笠間の栗を贅沢に使った洋酒香る焼き菓子「すいーとまろん」
2024/11/07
―御社のこれまでの歩みをお聞かせください。
永田 もともと祖父が養豚をやっていたのですが、父の代になって農業にシフトしました。ある時訪れた割烹料理店で、職人さんが大根の桂剝きをして“つま”を作る様子を見たことをきっかけに大根つまの加工事業をスタート。それが1989年、ナガタフーズを創業した年です。以来、安心して召し上がっていただけるおいしいつま作りをモットーに、畑の土作りから栽培、加工、販売までを手掛けてきました。
―お菓子の製造・販売は社長が始めた事業だとか。
永田 そうですね。2006年に入社して、最初に始めたのがさつまいもを使ったお菓子の開発でした。きっかけとなったのは、入社前に勤めていた大手食品会社での経験です。原料の流通を担当していた時期は茨城県内の農家さんをまわってさつまいもなどを調達していたのですが、農家さんと仲良くなるにつれて見えてきたことがあって。
農家さんを訪ねると、大きく育ちすぎたとか、色や形が不揃いだとかいう理由で売り物にならないさつまいもがたくさんあるんですよ。「これ、どうするんですか?」って聞くと、市場に持って行っても値段が付かないから、捨てちゃうか家畜の餌にするって言うんです。それってすごくもったいないことですよね。それを何とかできないかと思って、ナガタフーズに入社した年に規格外のお芋を使ったお菓子「すいーとぽてと」を作り始めました。
「すいーとまろん」に使う栗は、地元・笠間産のもの“だけ”。
口に入れた瞬間、こっくり濃厚な栗の風味が広がる。
―地元・笠間産の栗を使った「すいーとまろん」も人気ですね。
永田 実は私、笠間市に生まれたのに、この地域が栗で有名だって知らなかったんです。栗林が多いなとは思っていたのですが、一大産地なのだということを大人になってからはじめて知って。地場にたくさんおいしい栗があるなら、それを使ったお菓子ができないかと考えたときに、出てきたのが「すいーとぽてと」を栗で作ったらどうなるだろうという発想でした。
―栗そのものを食べているような、濃厚さの秘訣は?
永田 栗の含有率が50%なんです。これはもうすごい比率だと思いますよ。食品の原材料は重量順に表示することが食品表示法で定められていますが、世の中に出回っている栗のお菓子って、最初に表示されているのが小麦粉だったり白あんだったりするものが多いんです。でも「栗のお菓子」として販売するのなら、使用する原材料のうち栗が占める割合が一番高くないと駄目だろう、という想いがあって。それで栗50%のレシピにしています。道の駅かさまの限定販売商品として「プレミアムすいーとまろん」も作っていて、こちらは栗の含有率80%。栗と砂糖、卵黄、ブランデー、バターだけで作っているので、よりリッチな味わいをお楽しみいただけます。
ペースト状にした栗にブランデーを練り込んだ、ちょっぴり大人の味わい。
化粧箱入り(5個入、8個入、12個入)なので、贈り物にもぴったり!
―口当たりもなめからで、甘さを抑えた上品な味わいですね。2019年には「茨城おみやげ大賞」を受賞されたとか。
永田 笠間産の栗は本当に品質が良いんですよ。私たちは農家さんたちが作った良質な栗を原料としてお預かりして、そこにちょっと手を加えてお菓子にしているだけです。質の悪い栗では絶対においしいお菓子はできないので、地元の栗農家さんたちの努力と、それによって育まれる上質な栗に感謝しています。
もちろん、よりおいしく召し上がっていただけるよう私たちもさまざまな工夫を重ねています。たとえば素材です。作る工程は「すいーとぽてと」と基本的には同じですが、なめらかに仕上げるために砂糖の種類を変えています。さつまいもは適度に水分があってやわらかいですよね。でも栗は硬くて白あんや砂糖、ブランデーなどと合わせて攪拌するときに混ぜにくいんですよ。どうすればさつまいもの柔らかさに近付けられるか、試行錯誤の末に見つけたのが「砂糖の種類を変える」ということでした。
紫いもを使ったすいーとぽてとや、茨城三大銘茶のひとつ“さしま茶”を使った抹茶味、
期間限定のすいーとかぼちゃなど、多彩な商品を展開。
―今後の展望をお聞かせください。
永田 大根の畑はどんどん拡大しているのですが、今後はさつまいもや栗の生産も手掛けていきたいと思っています。販売に関しては、これまで99%国内流通でやって参りましたが、今年は海外、主に欧米への輸出も開始しました。東京の商社さんの企画で作った桜餡のスイートポテト、これが想像を超える数のご注文をいただけて。なかにはリピートしてくださる方もいて、需要があるのだということがわかりました。今後はもっと海外輸出の部分も伸ばしていけたらなと考えています。
―本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!
「すいーとまろん」(5個化粧箱入り)
価格:¥2,260(税込、送料込)
店名:ナガタフーズ
電話:0299-45-4542(10:00-17:00 土日祝を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://nagatafoods.base.shop/items/54242456
オンラインショップ:https://nagatafoods.base.shop/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
永田修一(有限会社ナガタフーズ 代表取締役)
1978年茨城県笠間市生まれ。2006年4月に有限会社ナガタフーズ入社。2019年に同社代表取締役に就任。農産物生産、加工、販売を主に展開しております。
<文・撮影/野村枝里奈 MC/津田菜波 画像協力/ナガタフーズ>