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霞ヶ浦の伝統を形に。アーモンドたっぷり&レンコン入りの焼き菓子「帆引れんこん物語」

2024/07/19

今回アッキーこと坂口明子編集長が気になったのは、霞ケ浦銘菓のレンコンサブレ「帆引れんこん物語」。地元特産品のレンコンがつかわれており、アーモンドの風味豊かな焼き菓子です。国内有数のレンコン産地から銘菓が生まれたきっかけや、これまでの沿革について、株式会社久月総本舗 代表取締役社長の横山和裕氏に取材陣が伺いました。

株式会社久月総本舗 代表取締役 横山和裕氏
株式会社久月総本舗 代表取締役社長の横山和裕氏

―創業からの歩みをお聞かせください。

横山 1951年に祖父が創業し、今年で72年目になります。戦後の経済状況の中、お菓子の卸売りをはじめたのがきっかけです。当初は卸売業が中心でしたが、家業として製造にも取り組むようになりました。創業者の兄弟姉妹も家業に加わり、家族全員で会社を支えながら事業を続けて参りました。

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創業時の様子(創業者の横山静雄氏・妻みつ氏)

―入社までの経緯は?

横山 学生時代はさまざまなアルバイトをしながら、学業の合間にヨーロッパやアメリカなどを一人旅しました。卒業後は7年ほど別の小売業に勤めた後、久月総本舗に入社。留学時には自分で判断して行動する主体性が身につき、入社前の7年間で組織力の重要性だけでなく、ビジネスに必要な経営指標なども学びました。これまで培った経験が会社経営に役立っていると実感しています。

―取り扱っているお菓子について教えてください。

横山 オリジナル商品が70~80種類くらいあり、そのうち季節限定品が20点ほどあります。店舗ではケーキやプリンなどの生菓子をはじめ、おはぎ・あんみつ・串団子といった和菓子も販売しております。お客様の要望にお応えしながら、これまでに1,000種類以上の商品を開発しました。

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地元の名所や行事、特産品のイラストがちりばめられた包装紙。
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1個ずつ小分けにされており、手に取りやすい。

―「帆引レンコン物語」はどのようなお菓子ですか?

横山 2010年頃、土浦市の市制70周年を記念して開発した焼き菓子です。試作品として出したところ想定外の人気となり、商品化に至りました。霞ヶ浦の伝統漁業に使用されていた帆引き船の“帆”をイメージしたサブレで、地元特産品のレンコンにアーモンドを組み合わせて焼き上げています。

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サクッと軽い食感で、口いっぱいにアーモンドの風味が広がる。

―なぜ、お菓子にレンコンを?

横山 霞ヶ浦周辺では良質なレンコンが多く育ちます。せっかくなので、地元のレンコンと霞ケ浦伝統の帆引き船をうまくかけ合わせた商品を作りたいと考えました。

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レンコンをトッピングし、生地にはレンコンパウダーも入っている。

横山 栄養価の高いアーモンドをたっぷり生地に入れて風味を出し、パウダー状のレンコンも少量加えて、さらにレンコンとアーモンドをトッピングに。努力の甲斐あって、地元の歴史や文化を反映させた商品が完成しました。おかげさまで、弊社商品の中では一番人気です。

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薄い生地の上に、手作業でレンコンスライスをのせる。
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こんがりとしたきつね色に焼き上げ、風味がよいサブレに。

―薄い生地にした理由は?

横山 薄いほうがおいしいと試作段階でも評判がよかったので、この薄さになりました。ただあまり薄くすると割れやすいので、ここまで仕上げるのに苦労しました。何度も試してパリッと軽い食感を感じるちょうどいい厚さを見つけて、いまでも変わらない製法で作り続けています。

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少しだけカーブした形状は、帆引き船の”帆”をイメージ。
焼き上げたあと、すぐに特殊な機械で湾曲させている。

―数々の賞も受賞されています。

横山 レンコンサブレが完成した際、「この味と品質を広く知ってもらうには根拠が必要だ」という長男の提案により、外部の展示会やコンテストに出展することを決めました。2017年の「三重県全国お菓子博覧会」では農林水産大臣賞を受賞し、さらに世界的な評価を得るため、「モンドセレクション」にも出品して、2016年から3年連続で金賞を受賞しました。その後、「iTQi優秀味覚賞」も獲得するなど、味も高く評価されています。

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数々の受賞は、味も品質も高い評価を得ている証だ。

―2020年にデザインを一新した理由は?

横山 2019年に開催された「茨城おみやげ大賞」で、弊社の「帆引れんこん物語」と「常陸のスフレ」が入賞し、副賞として開発補助費をいただいたことがきっかけです。モンドセレクションでデザイン変更のアドバイスを頂戴しましたので、さらに商品価値を高めるべくデザインを一新しました。

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かつて霞ケ浦で盛んだった、帆引き網漁の光景を落とし込んだデザイン。

―「帆引れんこん物語」はどのようなシーンに向いていますか?

横山 定番の人気商品ですので、ご自宅用のおやつ以外に贈り物としても需要があります。年度末になると50枚、100枚とまとめて購入し、学校行事用にお求めになるお客様もいらっしゃいます。季節を問わず、多くのお客様にご愛顧いただき大変光栄です。おかげさまで、人気のお菓子として地元に定着いたしました。

―今後の展望をお聞かせください。

横山 お客様に選ばれる企業を目指し、これまでどおり素材にもこだわって商品づくりを続けて参ります。また、「帆引レンコン物語」を看板商品として次の世代へ継承しつつ、地域や伝統を活かした新商品の開発にも注力したいと考えております。地元の魅力を全国に発信していくお手伝いができればうれしく思います。

―素晴らしいお話をありがとうございました!

「帆引れんこん物語(れんこんサブレ)10枚入」

「帆引れんこん物語(れんこんサブレ)10枚入」
価格:¥1,680(税込)
店名:お菓子の久月総本舗
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.kyugetsu.jp/items/37808449
オンラインショップ:https://www.kyugetsu.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
横山和裕(株式会社久月総本舗 代表取締役社長)

1951年、祖父の横山静雄氏により創業。茨城県土浦市を中心に複数店舗を展開し、和洋菓子を製造・販売している。「明るく 楽しく 前向きに 今日も笑顔で」をモットーに地元の特産品を活用し、霞ヶ浦や筑波山などをモチーフに取り入れた安心安全で新鮮なお菓子を提供している。

<文・撮影/香川けいこ MC/伊藤マヤ 画像協力/久月総本舗>

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